知るだけでレッスンの効果が上がる3つの秘訣

バレエで土踏まずを持ち上げるってどこのこと?

こんにちは。島田です。

あなたはバレエを踊ってるとき、先生から 「土踏まず持ち上げて」 ってアドバイスされた経験ありませんか?そして、言葉通りに土踏まずを持ち上げたら、「外側体重になってる!」と言われてしまったり、ルルベでカマ足になってしまったことありませんか?


この土踏まずを持ち上げるという動き、バレエなど、軸をシビアに使う競技特有のアドバイスなので、少しイメージがつきにくいかもしれません。そこで今回は、「土踏まずを持ち上げる」ってどこを持ち上げることなのかについて、理由やレッスンでできる対策をお話していきます。

「土踏まずを持ち上げる」って?

これは、バレエ教室など踊りに関係するアドバイスの1つです。

例えば、
「軸足の土踏まずを持ち上げて」
「アーチ下がってる。もっと土踏まずを持ち上げて!」
というようにアドバイスされることがあります。


この『軸足の土踏まずを持ち上げる』っていう動きはそもそも何をしているのかというと、そうすることによって内転筋を使いやすくして軸が外にブレないようにするためのものです。ですが、慣れない人が言葉通りに「土踏まずを持ち上げようとすると」、下の図のように親指側を上に持ち上げてしまうことがあります。これは NG 。

バレエで土踏まず持ち上げるNGパターン

理由は2つあります。

理由①体重を親指に乗せられない

親指が浮くので、ルルベやつま先立ちをしようとした時に体重が乗せられません。

理由②小指側に体重が乗るようになる

親指が浮いた分のバランスをとるため、小指側(外側)に体重が乗るようになります。

しかも、この小指側(外側)に体重が乗るのは、他にも色んな部分に影響があります。


小指体重(外側体重)のデメリット

小指側にかかると、どうなるか?次の5つになりやすくなります。

外側体重のデメリット

①すねの横外側が疲れる、張る
②太ももの外側と足の付け根の外側が張る、固まる
③お尻の上の方外側が痛い、コる
④脇が落ちる(片足で体がぐにゃっと曲がりやすい)
⑤股関節が内側に回りやすい

もしかしたら、あなたもどれか当てはまったものがあるかもしれませんね。土踏まずを持ち上げようとして体重を外側にかけてしまうと、このようなデメリットがあります。


正しく土踏まずを持ち上げるポイント

「じゃ、どこを持ち上げればいいの?」っ思ったかもしれません。土踏まずを持ち上げると言われたときに持ち上げる場所はココです。

土踏まずを持ち上げるポイント

これは、舟状骨(しゅうじょうこつ)と言われる、土踏まずと足首の間にある骨です。


ここを持ち上げると、『内側のアーチ』が持ち上がるので、甲が伸びます。足に体重を乗せたとに体を支えやすくなります。要するに、この土踏まずを持ち上げるってアドバイスは、

「アーチを持ち上げて、甲を伸ばしやすくしましょう」

ってことなんですね。では、なんで内側のアーチが持ち上がると、体重がかけやすいのか?


足の内側アーチと外側アーチの違い


この理由は、足のアーチの働きの違いにあります。

足のアーチの役割

この図は、足を上から見たものです。足は内側と外側にアーチといって体重を支える仕組みがあるんですが、ちょうど2階建のような骨組み構造になっています。


内側の縦アーチは、体重を支える役割内側は体重を支えてくれます。走ったり、つま先立ちをする時に、ここに体重乗っけて体を持ち上げる感じです。


外側の縦アーチは、バランスをとる役割外側のアーチは、バランスをとるのに使います。立ったり歩いたりする時に、かかとから足をつけてバランスを取りながら、体重を徐々に内側のアーチに移しています。



ルルベ高くするときは親指に体重を乗せていく

実際、ルルベするときの体重のかけ方っての見ていくと、この図のようになります。

ルルベするときの体重のかけ方

普通に体重かけてる時はこの3点に体重を分散しています。ルルベアップしていく時に徐々に親指に体重をかける比率を変えていきます。


重心の線も、最初は2番目の指から抜ける感じですが、ルルベでかかとを高く上げようとすればするほど、親指に近づいていくんですね。


つまり、つま先に体重をかけたりルルベが高いほど、親指に体重をかける比率ってのは増えていくんです。


なので、内側のアーチにある舟状骨を持ち上げて、ルルベやポアントで体重をかけやすくするために、「土踏まずを持ち上げて」ってアドバイスがされているんですね。


土踏まず(舟状骨)を持ち上げるときに使う2つの筋肉

「では、この舟状骨はどうやったら持ち上がるの?」って思いますよね。この骨を持ち上げるために使いたいのはこの2つの筋肉です。

土踏まずを持ち上げる筋肉

1つは、すねの前にある前脛骨筋(ぜんけいこつきん)。

もう1つは、後ろのすねにある後脛骨筋(こうけいこつきん)と言われる筋肉です。


この2つは、どちらも舟状骨を持ち上げてアーチをキープするのに使う筋肉です。実は、レッスンでもここを使って土踏まずを持ち上げるための動きがあるんですよ。


バレエのレッスンでできる対策


バレエのレッスンでできる対策の定番は、タンデュです。

ルルベなど他の部分でもできるんですけども、意識する部分が増えて難易度が上がりますし、おそらく音楽かかったりとか練習始まりだした中で意識するのかなり大変だと思います。

土踏まずを持ち上げる方法

原則を押さえておくと、色々なシーンで使いやすいです。


前脛骨筋はフレックスで使います。
後脛骨筋はポアント(ポイント)に伸ばすときに使います。


なので、1番のタンデュで伸ばすときにちゃんとかかとを擦りながら足を出すと、床についている間はフレックスで土踏まずを持ち上げてます。

その持ち上がった部分をキープしたまま、ポアントに伸ばすと、そこでさらに土踏まずが持ち上がって甲が伸ばしやすくなります。

さらに、そこから足を戻すときに、ポアントで持ち上げた土踏まずをキープしつつ、足を徐々にフレックスさせながら1番まで戻る。

というように、足を伸ばして戻すときにずっと土踏まずを持ち上げる動きをしてるんですね。その辺を意識しながらレッスン受けてもらうだけでも、土踏まずは持ち上がりやすくなります。


まとめ

今回の話をまとめると、

土踏まずを持ち上げる時に実際に持ち上げるのは…
舟状骨(しゅうじょうこつ)と言われる内側のアーチにある骨

舟状骨を持ち上げる筋肉は…
・すねの前にある前脛骨筋
・ふくらはぎの奥にある後脛骨筋

レッスンで意識して使いたいなら…
タンデュで足(首)を休まない

まずは、ここから始めてもらうと、土踏まずを持ち上げる感じがやりやすくなってきます。是非試してみてください^^


PS.
そもそも親指を強くして、「最初からアーチを高くしやすい状態でレッスンを受ける」っていうのもアリですけどね。

親指を強化する方法