バレエ・ダンサー治療

バレエ治療やダンサー治療に関する内容です。

O脚 原因

【バレエを踊る人向け】O脚になる5つの原因と、自分でできる改善法

こんにちは。島田です。

 

バレエを踊っていて、O脚が気になることってありませんか?

 

O脚って何?

一般的なO脚(内反膝)は、両膝が外側に曲がって、左右のくるぶしをつけても膝の内側がつかないことをいいます。

バレエでは、
6番や1番ポジションで膝がつかなかったり、膝が曲がりやすかったり、外側体重になってふくらはぎの外がパンパンになったり…と踊るときに困った症状を起こします。

 

 

もしかしたら、あなたも一度は経験があるかもしれませんね。
O脚について、バレエの動きで気をつけたい部分や、自分でできる改善法をまとめました。

だいぶボリュームあるので、一般的なO脚の原因や検査、悪化する要因については、図にまとめておきます。
O脚 原因

バレエのO脚に関係する部分は 4.バレエO脚の場合は? からどうぞ^^

 

 

1.O脚の原因


O脚には、問題ないものも含めていくつか原因があります。

 

 

1-1.問題がないタイプ

①生理的O脚

赤ちゃんは、ナチュラルでO脚ですが、これは異常ではありません。(生理的O脚といって、歩き出していくと自然に矯正されて治っていきます)

見分け方は、2歳以降徐々にO脚が治っていくかどうかです。(6歳くらいにむけてX脚になっていく)

 

 

1-2.問題があるタイプ

②靭帯の異常
③ケガの後遺症
④先天性の骨の異常(遺伝性)
⑤後天的な骨の異常
⑥筋肉の使い方のアンバランス

 

 

2.O脚の検査

簡単な検査だと、気をつけの姿勢で、指が膝の間に何本入るか(2本、3本、4本)確かめたりします。

変形性膝関節症など、骨の変形をしっかり調べるなら、レントゲンで膝周りの骨を確かめた方がいいです。
なぜなら、見た目はO脚っぽくても、骨の変形がないことがあるから。外側体重で骨盤が広がっているときは、お尻が大きくなって、太ももが寄せられません。

また、身長があまりに伸びない場合は、ホルモンの問題(くる病など)のことがあるので、内分泌検査をするケースもあります。

 

 

3.O脚の悪化する原因

・年齢(変形性ひざ関節症)
・外側に体重がかかることが多い
・外側体重で歩く、座る
・つま先が外に開いたまま歩く

変形性ひざ関節症(OA)など、骨の変形を伴うものでない場合、多くは外側に体重をかけることで悪化します。

ここまでは、いわゆる一般的なO脚の話でした。
では、バレエ教室でO脚を注意されるときはどうなってるんでしょうか?

 

 

4.バレエでのO脚の場合は?

 

 

バレエ教室でO脚(以下、バレエO脚)を注意されているときは、外側に体重が乗って膝が外に乗っていることや、ターンアウトで1番ポジションにしたときに膝がつかないことをO脚と言っていることが多いようです。

これは、レッスンでの体の使い方や筋肉の使い方がうまくいっていなかったり、無理に使って膝やお尻太もも(外側)に負担をかけることで、アライメントがズレて起きます。

 

 

4-1.バレエO脚の症状

見た目の問題もあるかもしれませんが、踊るときに影響するものが多いです。

膝が外に開くので、
・1番ポジションにしたときに膝がつかない

外側体重になるので、
・片足バランスがとりづらい
・ルルベでカマ足になる
・すねの外側が張る
・アキレス腱や足首、ふくらはぎが痛い

などなど。

 

 

5.バレエO脚になるメカニズムと原因

 

 

 

5-1.バレエO脚のメカニズム

 

 

練習中に、得意なところ苦手なところの差によって、使っている筋肉のアンバランスがでることで起こります。
あと、本来使わないといけない部分をはしょったりしても、フロアで踊るときに無理がかかるので、やはり外側の筋肉に負担をかけます。
O脚 バレエ

骨盤(上)が横に広がる
↓↑
股関節が内側へ向いて外へズレる(大きい筋肉でターンアウトすることに)
↓↑
膝(大腿骨の下側、すねの上側)がねじれて外へ
↓↑
すねの横の筋肉が張って疲れやすくなる
↓↑
足首がカマ足やバナナ足っぽくなる

 

 

これは、どこからスタートしても起きます。

つまり、
・膝が曲がったままのターンアウト
・足首からターンアウトして股関節が開かない
・外側体重で、すねの外側の筋肉が張る
・骨盤がズレる
……

などなど、重心が外側にズレることは、バレエO脚を起こす原因になります。
バレエ 外側重心
それぞれの原因を詳しく見ると…、

 

 

5-2.原因1:無理なターンアウト

 

 

これは、5番や4番で無理やり形を合わせようとして、足だけそろえようとするとなります。
このとき、無理なターンアウトになってると、膝は曲がるはずです。

ターンアウトしてるとき、膝の向きとつま先の向きがズレているときは要注意です。

以前、大人からバレエを始めた方には、ひざ下まで外に開くせいで股関節が開きにくくなるというお話をしました(参照:ターンアウトでよくある2つの間違い

それは、今回のO脚になるメカニズムが関係しています。
床が押せてない状態で、無理に足先をそろえると膝が曲がるので、これを繰り返すとO脚になるからです。

ちなみに、バレリーナの場合、大きい筋肉ではなく内側の筋肉を使ってターンアウトしているので、脚(股関節〜足首)まで一本で回せるので、膝が伸びたままです。なので、ひざ下がねじれることはありません。

また、仮にO脚だったしても、バレリーナの場合、踊るときはそう見えないように自分でコントロールしています。

 

 

5-3.原因2:足首から先にターンアウト

 

 

無理なターンアウトのきっかけになりやすいのが、足首から先に回すことです。

こうすることで、本当は股関節が回りたかった分を足首が使っているので、股関節の可動域が制限されちゃうんですね。

・仰向けに寝ると、つま先が開く
・ふくらはぎが太い
・座るときは内股にしづらくてガニ股のが楽

どれかに当てはまった人は要注意です。

 

 

5-4.原因3:反り腰

反り腰ってどんな状態?.025
O脚と反り腰って、一見関係なさそうですよね。
たしかに、反り腰になって腰が反っているのが問題ではありません。

反り腰は、腰の問題に思いがちですが、体の前後方向のゆがみなんですね。
そのバランスをとるため、膝が曲がりやすかったり、前ももが緊張したりします。この状態でターンアウトすると、内側の筋肉を使いづらくなります。(参照:バレエで反り腰を注意される理由

猫背の場合も、この前後のゆがみパターンで、O脚になりやすくなります。

 

 

5-5.原因4:内転筋と外転筋のバランスが悪い

ダンサー 内転筋

内転筋が働くことで片足でバランスが取りやすい


内転筋が弱いとO脚になりやすいと言われますが、実際は、外転筋(がいてんきん)と内転筋のバランスが悪ことでO脚になります。

つまり外転筋が強すぎる、あるいは弱いときもO脚になるんですね。

以前、片足でバランス取るときは、内転筋と外転筋(中臀筋)で骨盤を安定させているというお話をしました。(参照:ダンサーにとって内転筋がなぜ大事か

O脚だと、膝が外に抜ける分、内側重心をキープできずに外側重心になります。

そして外側重心を内に入れようとして、親指を痛めることもあります。

 

 

5-6.原因5:外反母趾(がいはんぼし)

 

 

外反母趾の場合、親指に体重をかけにくいです。
なので、かばって足首がカマ足っぽくなります。

すねの外側が張って、体重が外にかかりやすい分、O脚になりやすいです。
これは、外反母趾なくても親指が痛い場合は、同じように痛い側の足がO脚になりやすくなります。

 

 

 

6.バレエO脚を改善する方法

 

 

遺伝性(先天性)のO脚や、変形性膝関節症で骨変形が起きてなってしまったO脚と違い、バレエO脚は改善ができます。
理由は、ほとんどが筋肉の使い方やクセ、アンバランスからきているからです。

なので、一番いいのはレッスンを正しく受けること…ですが、どのへんを意識すればO脚改善に使えるのか、お話します。

 

 

6-1.レッスンやレッスン前のO脚改善

 

 

バレエのレッスンを受けるときや、受ける前にほんの一手間くわえることで、O脚改善に近づきます。

例えば、

 

 

①内転筋を伸ばしたまま使う

バレエ O脚 改善

 

 

2番ポジションから4番に移るときなど、内転筋を縮めずに伸ばしたまま使うシーンがあります。


また、2番で足を開いた位置から足を寄せるのも、外転筋と内転筋を両方使えるので有効です。(参照:ダンサーにとって内転筋がなぜ大事か

 

 

②プリエで立つときに5秒かけてみる

プリエで戻るとき、一気に戻ろうとすると、背中が引き上がりません。
そうすると、股関節がインに入って膝が伸びないんですね。(O脚のメカニズムが発動)

プリエは、股関節を動かすことで背中を伸ばす運動です。
立ち上がるときに、膝が伸びきるまで待つことで、背中が伸びて股関節が開きます。

ただ、この背中を感じるところまで待つには、レッスンでは時間の関係上難しいと思います^^;
レッスン前にプリエするときに5秒かけて戻るようにしてみてください。背中の伸びが感じられたらうまくいってます。

 

 

6-2.日常生活でのO脚予防

 

 

①外側体重を直す丹田ウォーキング

丹田ウォーク
これは体の中心を意識しながらあるくことで外側体重を直す方法です。

「ヘソ下の丹田(たんでん)に力を入れろ」って聞いたことありますか?
東洋医学では、気の集まるところとされています。

丹田ってヘソ下だけのイメージですが、実は上・中・下3つあるんですね。
三丹田

 

上丹田(眉間の高さ)
中丹田(胸の真ん中くらいの高さ)
下丹田(ヘソ下の高さ)

 

 

この3つを意識しながら歩くことで、自然と重心が中心によってきます。

いきなり3つは難しいと思うので、まずは、へそ下の高さから足だと思って歩くところからスタートしてみてください。それだけで歩くときに使う筋肉が変わります。

慣れてきたら、胸の真ん中から足→眉間から足と…徐々に足と思う位置を長くするのがポイントです。

ちなみに、5番ポジションは鎖骨や首のつけねくらいから足だと思って使うと入りやすいです。(参照:5番に入らないときに意識したいポイント

 

 

O脚に関係する部分のツボ押し

O脚 ツボ

 

今回は、O脚で負担が増える筋肉に効くツボを紹介します。

①前ももの筋肉(外側広筋・がいそくこうきん)
伏兎(ふくと)付近

【刺激の入れ方】
触れてから5秒くらいかけて押していくか、押さえたまま10秒くらいおくのがポイントです。

②内転筋(ないてんきん)

陰包(いんぽう)付近
血海(けっかい)付近

【刺激の入れ方】
触れてから5秒くらいかけて押していくか、押さえたまま10秒くらいおくのがポイントです。(×3回)
ツボ太もも

 

 

③ハムストリングス
・くるぶしの下(真下後ろ

【刺激の入れ方】
皮膚を引っ張りながら前後に動かす。
ここは、ハムストリングスをゆるめる特殊ポイントです。それぞれの色の場所に対応しています(参照:ハムストリングスが硬い意外な原因)。
ツボ ハムストリングス

 

 

④ふくらはぎと足

三陰交(さんいんこう)〜陰陵泉(いんりょうせん)

【刺激の入れ方】
この範囲で痛いところを見つける。見つけたら両手で骨をつかむようにして両親指で5秒かけて押す(×3回)
ツボ三陰交

太衝(たいしょう)
これは外反母趾など、親指が踏めないせいでアライメントが偏ったときに使います。

【刺激の入れ方】
押さえたまま親指に向かって圧をかける。そのまま15秒くらいおくのがポイントです。(×3回)
ツボ太衝

 

 

③インソール(足底板)でウォーキングサポート

 

 

ちなみに、器具を使うのであれば、普段履いてる靴にインソール(足底板)入れて足のアライメントを直すのもアリです。慣れるまで、土踏まずに違和感や、アライメント修正で起こる疲労はありますけどね。

もしインソールを入れるなら、オススメはソルボです。種類が豊富で外反母趾がある方用もあります。(参照:メーカーのホームページ・快適生活インソール

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

O脚は、太いお尻や太もも、外に広がった膝で美脚を邪魔するだけでなく、バレエを踊るときにやりづらさの原因になります。

レッスン前や、日常生活で少しずつO脚を改善することで、脚痩せはもちろん、回転系やバランスが取りやすくなりますよ^^ぜひ

 

 

P.S.
バレエの動きは、それ自体にきちんと解剖学的な意味があります。
無理して使ったり、本来使うべきところをはしょると、その分だけ負担が増えて痛みや硬さの原因になることもあるんですね。

せっかくバレエを踊るなら、楽しく綺麗に踊りたいですね^^

 

 

 

 

バレエ 整体 東京

バレエ 内転筋

ターンアウトするときの内転筋の役割は?

こんにちは。島田です。

バレエ教室で踊っているときに、

「もっと内もも使って!」
「内転筋が弱い…」
「かかとや内ももを前に押し出して!」

って聞いたことありませんか?

『内もも大事なんだろうな〜』とはわかっていても、どう大事なのかハッキリしにくいかもしれません。

そこで、今回は、ダンサーにとって内ももの筋肉がなぜ大事なのか、内転筋にはどんな種類があるのか、内転筋を使えるようにするにはどうするのか、についてお話します。

 

 


 

 

内ももの筋肉ってどこ?

バレエで内ももの筋肉というと、どんなイメージですか?
いわゆる『太ももの内側にある筋肉かな?』と思うかもしれません。そして、実は『太ももの裏側のことも内もも』と言っていたりします。

つまり、バレエで内ももの筋肉と言ったときは、次の2つを言ってることが多いです。

 

 

①内転筋(ないてんきん)
②ハムストリングスの一部

 

 

内転筋は、パラレル(つま先まっすぐ)で立ったときに、太ももの内側にある筋肉です。

そして、ハムストリングスは太ももの裏の筋肉ですが、足をきちんとターンアウトしたときは、ここが内ももになっています。これは感覚的な話ではなく、きちんと本にも載っています。

 

 

脚をターンアウトした時に、「内側の筋肉」とよばれるのが「ハムストリング」という筋肉です。

引用元 『インサイドバレエテクニック』大修館書店 より抜粋

 

 

今回は、このうちの内転筋について、掘り下げてお話します。

 

 

ダンサーにとっての内転筋が大事な理由

 

 

股関節を内転する(内側に寄せる)筋肉には、種類あります。

①いわゆる内転筋のグループ
②大臀筋(だいでんきん)などの内転に関係する筋肉

内転筋の働きは、両足を引き寄せることです。

この内転する働きがダンサーにとって大事な理由。

 

 

それは、体の軸を作る役割があるからです。

 

 

例えば、片足立ちでいろいろ足を動かすポーズがあるとき、中臀筋(ちゅうでんきん)などと一緒に働いて骨盤を安定させます。内転筋と外転する筋肉のバランスが悪いと、骨盤がズレて軸足が使えません。

ダンサー 内転筋

内転筋が働くことで片足でバランスが取りやすい

軸や、バランスを取るには内転筋が必要なんですね。

ちなみに、大臀筋は、いわゆる解剖学的に名前のついた内転筋じゃありません。でも、大殿筋の下側は股関節の内転もしてくれるんですね。

しかも、大殿筋は、筋肉のつながりで脊柱起立筋ともつながっています。なので、内転筋の仕事である体の軸を作るという意味では結構重要です。(参照:ターンアウト徹底解説

 

 

内転筋のグループにはどんな種類がある?

 

 

いわゆる内転筋には、5つの筋肉(大内転筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、薄筋)があります。
正直、バレエを踊るに当たって名前は覚えなくてもいいです^^;

基本的な働きは、先ほどお話した通り、脚を寄せること。

でも、それぞれ付いてる位置が違うので微妙に役割が違います。なので、それぞれのキャラがなんとな〜くわかると、役立つシーンもあるんですね。

例えば、具体的なシーンでいうと、

・足の付け根(ソ径部)が痛いとき → 長内転筋にトラブル
・膝が曲がるとき → 薄筋が縮んでる
・骨盤が前傾してしまっているとき → 薄筋、恥骨筋

などなど。

なので、ここでは、それぞれの特徴をサラッとお話します。場所だけでもイメージできると何かあったときに対応しやすいですよ。

 

 

①大内転筋(だいないてんきん)

特徴は
前:内転筋として働く
後ろ:ハムストリングスの一部として働く
(アラベスクやアチチュードで使ってる・後述)

 

 

②長内転筋(ちょうないてんきん)
③短内転筋(たんないてんきん)

特徴
ソ径部の痛みの原因になりやすい(特に長内転筋)。

 

 

④恥骨筋(ちこつきん)

骨盤の前にあるため、大腿骨を恥骨に引き寄せる(屈曲と内旋)

 

 

⑤薄筋(はっきん)

特徴
股関節と膝両方に働く
(下肢が固定された状態で)骨盤の前傾

 

 

ターンアウトのとき、内転筋グループは何してる?

 

 

では、ターンアウトするときに内転筋はどうしてるかというと…。

主に、ターンアウトで股関節を開くときに、外側の筋肉で開かないように足を寄せて、お尻の奥にある筋肉(深層外旋筋・しんそうがいせんきん)を使いやすくしています。(参照:ターンアウト徹底解説

また、ターンアウトしたときの内ももを前に押し出すのも内転筋たちの働きです。

それ以外にも、こんなところで内転筋が関係します。

・足を前に上げるときに使う
大内転筋以外の内転筋(恥骨筋、長・短内転筋、薄筋)は、ターンアウトした状態で足を前に上げるときに腸腰筋と一緒に使います

・足を後ろに上げるのに使う
じゃ、大内転筋はどうしてるかというと、ハムストリングスの一部として足を後ろに上げるときに使います。
しかも、ただ後ろに上げるんじゃなく、内転筋として足を引き寄せるので、アラベスクやアチチュードで足が外に開くのを防いでくれてるんです(ありがとう大内転筋!)。

 

 

内転筋が使えないデメリット

 

 

内転筋の働きは、足を引き寄せて、体の軸を作ることです。

なので、内転筋が使えないと、
・膝が外にいく
・体の軸が作れない

というバレエに限らず、踊りをする上で困った状態になります。


どう困るのか?
具体的には、次の5つの症状が起こりやすくなるってことです。

①片足バランスがやりづらい・軸足が弱い
②骨盤がズレる
③股関節を動かす感覚が鈍くなる(動きが硬くなる)
④O脚になる、膝が曲がる
⑤膝痛、腰痛

 

 

内転筋を使えるようにするには?

 

 

「内転筋が使えた方が踊りにプラスなんだな〜」とか、「だからやたらと内転筋を注意されるんだ」というのがなんとなくイメージできてきたかもしれません。

で、ここで、『内転筋の筋トレをしよう』でもいいんですが…

いわゆる縮めて使う感じだと、膝が曲がってターンアウトしづらいです。
内転筋を活かして、股関節を小さく回してターンアウトするにはどうすればいいでしょうか?

実は、バレエのレッスンのなかに、『内転筋を伸ばしながら使えるシーン』がちゃんと用意されているんですね。

例えば、
・2番ポジションから4番に移るとき(このときは、腸腰筋も一緒に使います)
・タンデュで伸ばした足を戻すとき(1番でもそうだし、特に5番で横から戻すときなんかまさに)
・ロンデを膝を曲げずに行うとき
・デガジェ

などなど、ことあるごとに内転筋を使うシーンがあります。

なので、まずはここを意識しながらやるのがオススメです。
筋トレは、必要なら先生が勧めてくれます。

もし内転筋を伸ばしたまま使う練習をするなら、レッスン前に
2番ポジションをきちんとやった後に、3番ポジション(かかとを軸足の土踏まずにつける)にするのがオススメです。

2番ポジションを先にやるのは骨盤を安定させるためです。(参照:ターンアウトをサポートするズレない骨盤

2番→3番は、内転筋を使う良い運動ですが、最近のレッスンでは省略することが多いですから。

 

 

まとめ

 

 

さて、いかがだったでしょうか?

今まで、バレエで内ももの筋肉(内転筋)が大事だとは知っていても、なんとなくモヤっとした感じだったかもしれません。

特に、片足でバランス取るのが苦手なら、内転筋はマストなので、少しでもレッスンで活かせる形で伝われば何よりです^^

 

 

 

 
CTAウェビナー③

ターンアウトについて徹底解説

こんにちは。島田です。

バレエを踊っていてターンアウトってすべてにつながる重要な動きです。

でも、大事だとは知りつつも、なぜそんなに重要なのか、どんな種類があるのか、どこを使うのか、何が NGなのか、って気になることありませんか?

そこで、今回はターンアウトについて、意味や使う関節、筋肉などの解剖学的な話も含めて徹底解説します。

あ、けっこうボリュームあるので、興味のあるところから少しずつ消化していってください^^;

 

 

 

ターンアウトって?意味は?【バレエ用語】

 

 

バレエ教室では「ターンアウトもっと開いて!」とか「ターンアウトが足りない」とか、いろいろなアドバイスをされると思います。『股関節周りの動きで、足開いてることなんだろうな〜』と何となくイメージしているかもしれません。
 

一応本に書かれている定義をみると…

 

 

ターンアウト:足の付け根から両足を外側に開くこと
どのポジションでも、両足を開ける度合いは太ももが腰(足の付け根の部分)からどのくらい外側に開くかによって決まる。

引用元 『ステップ・バイ・ステップ バレエ・クラス』ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンシング編

 

 

つまり、ターンアウトってこんな状態です。
・両方の脚を外に開くこと
・開いたときに、膝の向きとつま先が同じ方向になってる

 

 

このときにNGなパターンは、
・足だけが真横に開かれている
・足先が膝より後ろある(つま先は横なのに、膝が前を向いてる)
状態です。

あとでお話しますが、無理してNGなパターンやると膝のケガにつながります。

 

 
 

ターンアウトするメリット

 

 

「そもそもなんでターンアウトなんてやるの?」と思うかもしれません。
これ見た目だけのことじゃなくて、ターンアウトすることでメリットがあるからなんです。

①可動域が増える
足がいろんな方向に高くできるのはターンアウトがあるからです。

②動ける範囲が増える
ターンアウトしておくことで、どの方向にもスムーズに移動できます。

③体がブレない(安定する)
お互いに引っ張り合う力が働くので、軸がブレません。

④ケガを防ぐ(安全性)
きちんとしたターンアウトができてるとケガや痛みを防げます(逆もしかり…)。

⑤長くてほっそりした筋肉にしていく
ターンアウトしていくと、筋肉が変わってプロポーションが変わってきます(縦に伸びるようになる)。うまくいかないと下半身が太くなります^^;

 

 

アンディオールとの違い

 

 

先生によって『アンディオール』と言ったり『ターンアウト』と言ったり、表現が違うことがあります。

「え?どっち?^^;」って思ったことありませんか?

細かい話ですが、一応違いをいうと
ターンアウト:足を開いた状態そのものをいう
アンディオール:足を開いてる最中の動きをいう(←開いてるように見えなくても)

『足を開いてる最中』ってイメージしづらいかもしれません。
例えば、足がパラレル(つま先がまっすぐ)だったとしても、股関節を外に開く力がはいっていればアンディオールしてるってことになります。

バレエ教室で注意されるときは、どちらも同じことを言ってることが多いです(多くの場合はアンディオールのこと)。

 

 

ターンアウトの種類(足のポジション)

 

 

バレエには足のポジションに番号があります。(1番〜5番、ポアント履くときは6番も)

ターンアウト ポジション

足のポジションによってターンアウトの開き方が変わる

1番:かかとを合わせて外側に向けた左右のつま先をできるだけ遠くにする

 

 

2番:左右に開いた両足の間隔は、足の大きさ(※)の1.5倍くらい。

 

 

3番:片方のかかとが、もう一方の足の甲にくる

 

 

4番:前に出したかかとと後ろの甲が向かい合う(前後に開いた3番・オープントー)
前に出したかかとと、後ろの足のつま先が向かい合う(前後に開いた5番・クローズトー)
どちらも体重を両足平等にかける前後に開いた両足の間隔は足の大きさ(※)くらい

 

 

5番:片方の足のかかとが、もう一方の足のつま先の横にくる

※足の大きさ:靴のサイズくらい。あなたの足が23cmならそのくらいが目安です。

 

 

ターンアウトの難易度は、番号が上がるほど難しくなります。
番号順で開いていくことで、股関節に無理をかけずに踊りに必要な体の状態にできるんですね。

この順番を、省略したり無理に開こうとすると…、膝が曲がったり、膝の痛みを起こすことに^^;

 

 

ターンアウトで使う関節は?

 

 

足の付け根(股関節)を回す印象が強いですよね。
もちろん、股関節は使います。

でも、いきなり開こうとすると、お尻の大きい筋肉が先に動いてしまいます。小さい筋肉や奥の筋肉を使って股関節を開くことができません。
ターンアウトで使う関節1股関節
なので、股関節をイメージ通りに開くために、他の関節のサポートも使いながら行います。
ターンアウトするときに使う関節は、大きく2つに分けることができます。

①付け根から回すための関節
②①をやりやすくするための関節

 

 

①付け根から回すための関節

 

 

(1)股関節(こかんせつ)
骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)と、大腿骨頭(だいたいこっとう)でできる関節です。

寛骨は骨盤の横にある部分で腸骨(ちょうこつ)・坐骨(ざこつ)・恥骨(ちこつ)でできてます。大腿骨頭がおさまるソケットの役割をします。

もしかしたら、バレエ教室で「ソケットが…」と聞いたことがあるかもしれません。
ターンアウトでメインで回るのはこの股関節です。
バレエで骨盤を立てるってどこのこと?.006

 

 

(2)膝関節(ひざかんせつ)

曲げ伸ばしはできますが、ねじれはあまりできません。

なので足先だけターンアウトして、膝がねじれるような状態を続けていると靭帯をケガしやすいです。

最悪、ちょっと踊るだけで膝が腫れるようになります。

 

 

(3)足関節(そっかんせつ)

足首の関節は、ターンアウトで股関節を開く分をサポートするために使います。(特に5番で)

あくまで補助なので、こっちを先に横に向けると、見た目は足が横に向いてるけど股関節は回っていないなんちゃってターンアウトになりがちです。

ちなみに、足首をフレックスしながら回すと、股関節が回りやすいです。

 

 

②①をやりやすくするための関節

 

 

足を付け根から回しす(股関節を開く)ためには、体のバランスを支えるところがしっかりしてないとお尻に力が入ったり、膝がねじれて開けません。

股関節を開きやすくするためにも、この3つは押さえていきたいです。

(1)仙腸関節(せんちょうかんせつ)
骨盤にある関節。
骨盤の後ろにある仙骨(せんこつ)と骨盤の横にある腸骨(ちょうこつ)をつないでいます。
股関節は骨盤につくので、ここがズレてたりすると股関節の開きに左右差がでてきます。
逆に、骨盤を水平にキープすることでターンアウトをサポートしてくれます。(参照:ターンアウトを助けるズレない骨盤

 

 

(2)肩甲胸郭関節(けんこうきょうかくかんせつ)
肋骨と肩甲骨をつなぐ部分。
肩のイメージがありますが、体幹と腕をつないでバランスを取りやすくしてくれています。
ここが働かないと、引き上げがしづらくなります。
引き上げできないと、ターンアウトするときにお尻が後ろにいっちゃうので開きづらくなります。

 

 

(3)椎間関節(ついかんかんせつ)
首〜お尻まで背骨をつなぐ関節。
反り腰だったり、猫背や首を丸めたりすると、股関節開きづらくなります。

 

 

ターンアウトでよくある悩み

 

 

けっこう多いのが『足先が外に向いてればOKじゃない?』的な感じでターンアウトしちゃうケース^^;

でもそうすると、ターンアウトするときに使う関節でお話した通り、股関節を開くのに使う筋肉に力が入らなかったり、膝に無理な負担がかかります。

ターンアウトでよくある悩みベスト3はこんな感じです。

 

 

悩み1:股関節が硬い

 

 

「股関節が硬くて開かない」という悩みは多いです。
でも、あなたが階段の上り下りを普通にできるレベルなら…、ご安心ください。
骨の問題であるケースはほぼありません。

これは骨格の問題ではなく、力の入れかたの問題です。

これは股関節を開こうと表にある大きい筋肉を一生懸命つかっていることで、ブレーキをかけながら開こうとしている結果です。

なので、使う位置さえ直していけば、開くようになります。

 

 

悩み2:膝が曲がる

ターンアウトするときに膝が曲がっちゃったり、ポーズで片足になると膝が曲がるってことありませんか?

これは足だけでターンアウトをしてるとなりやすいです。

実は、脚の力だけを使って膝を伸ばしたまま足を開けるのは片足45度くらい。これが普通です。硬いわけではありません。

それ以上開こうとすると、構造的に無理がかかるので膝が曲がってきます。

膝を伸ばしたまま股関節を回そうと思ったら、背中も伸ばさないとできません。
なので、ターンアウトするときには、引き上げという、体を伸ばしたまま股関節を開く技があるんですね。

それをせずに、無理して膝を押し込んで伸ばすと、膝の靭帯(じんたい)を痛めます。

 

 

悩み3:膝が痛い

ターンアウトで使う関節でお話した通り、ひざの関節って曲げ伸ばしはできるんですけど、ねじりはできません。

膝のお皿の向きとつま先の向いてる方向がズレてるときは要注意です。

 

 

ターンアウトの正しいやり方・方法

 

 

「じゃ、正しいターンアウトのやり方は?」って気になりますよね。

開いたときに、骨盤のすぐ下の大腿骨と膝と足首とつま先が外向きになるように、脚全体(骨盤〜つま先)を一まとまりに回旋する。

引用元:インサイド・バレエテクニック

 

 

このとき、太もも裏(お尻の下で内側あたり)が前に出るように股関節を開くと、きれいに回りやすいです。

注意ポイント①お尻や腰が後ろや前に行かない
お尻が後ろにいくと、ターンアウトしたときに、膝やかかとがつきません。
横からみたときにまっすぐになっていると、体全体が縦に伸びて股関節が開きやすいです。

 

 

注意ポイント②足だけで開くと膝が危険
足を先に回してしまうと、肝心の股関節が開かず、インに入ります。
こうすると、O脚や膝を痛める原因になります。
こうなってるときは、膝の向きとつま先がズレてる(足は横に向いてるのに膝はまっすぐ)ので、鏡でチェックしてください。

 

 

ターンアウトするときのコツ

 

 

■太ももを先に回す
太ももを先に回す意識をすることで、足先のなんちゃってターンアウトを防ぐことができます。太ももに力を入れろってことじゃありませんよ^^;

 

 

太ももを回す→回ってない分を足首でカバー

 

 

どのくらい開くかは片脚60度(両モモで120度)くらいを目標にするのがいいです。(←最初は両モモ90度で十分。レッスンを重ねていくうちに開いていきます。)

この60度って、別に私が作った数字じゃありません。論文にあるんですね。
180度のターンアウトを目指すなら、1つ目安になるかと。

 

 

180度のターンアウトを達成するには、両フトモモを60度から70度ずつ外旋し、残りを脚の下部、おもに足関節で補うのが理想的。
(プロのダンサーでも片脚70度ターンアウトできる人は少ない)

引用元:THE DANCER AS ATHLETE

 

 

■先に内側に回してからターンアウト

これは、内旋筋をストレッチして股関節を外旋しやすくする方法です。
股関節で回す感覚がいまいちつかみづらい…と思ったら試してみてください。

①肩幅に足を開く
足をパラレル(つま先を前に向けた状態)で肩幅にします。

②つま先を内側に向ける
つま先を内側に向けます。ここで行なっているのは、股関節を外旋する筋肉をストレッチして回しやすくする前フリです。

③そこからターンアウト
そこからターンアウトで足を外に回して股関節を開いていきます。
このとき、両方のかかとがつくように回すとターンアウトがきれいに入りやすいです。
スクリーンショット 2017-09-27 9.37.36

 

 

ターンアウトで使う筋肉

 

 


ターンアウトするときは、股関節を開きます。
解剖学でいうと、外旋(がいせん)という股関節を外回しする動きです。
実際は、内転筋など他の筋肉との共同作業で開きます。(参照:ターンアウトするときの内転筋の役割は?

ここでは、股関節を外旋する筋肉についてお話します。
股関節を開く筋肉は、表にある大きい筋肉奥にある小さい筋肉に分かれます。

股関節を開く(外旋する)筋肉.010

 

 

股関節を開く大きい筋肉

 

 

股関節を開く筋肉で大きいものは、3つのカテゴリーがあります。

①お尻 :大殿筋(だいでんきん)・中殿筋(ちゅうでんきん)
②腰  :腸腰筋(ちょうようきん)
③前もも:縫工筋(ほうこうきん)

体を支える筋肉が多いので、ここをメインに股関節を開こうとすると可動域は減ります。
なので、ターンアウトするために股関節を開くなら、後でお話する深層外旋六筋を使わせることが多いです。

 

 

では、この大きい筋肉はターンアウトに関係ないのか、というとそうでもありません。
それぞれがターンアウトとどう関係するのか、特徴を簡単に説明すると…、

 

 

・大殿筋(大臀筋)
脊柱起立筋などの体幹を支える筋肉とつながる。股関節を伸ばして骨盤と太ももを一直線にする。
⇒1番〜5番までポジションを上げて股関節を回すときに、股関節が回しやすくなる。

・中殿筋(中臀筋)
2番ポジションで骨盤を支えるときに使う。
⇒骨盤のズレを防ぐ。

・腸腰筋
体勢・姿勢をキープする。
筋連結で、深層外旋六筋(後述)とつながる。

 

・縫工筋
膝を持ち上げて股関節を開くときに使う(パッセなど)。


この大きい筋肉たちは、体を支えてバランスをとるのに大切な筋肉です。

でも、これらをメインに使ってターンアウトしようとすると、お尻がガチッと固まってしまいます。パワーは欲しいんだけど、あまり縮めずに使わないと可動域が狭くなっちゃうんですね

そのままだと動くときに体を支えられないので、足を上げるとターンアウトできなくなってしまいます。あと、お尻が疲れてこったり、腰痛になったり、下半身太くなったりします^^;

 

 

なので、バレエ教室だと「お尻の奥の筋肉使ってターンアウトして!」というアドバイスをされた経験ありませんか?

それは、股関節を回すときに奥にある小さい方の筋肉を使いたいからです。

 

 

股関節を開く小さい筋肉

 

 

股関節を開く筋肉で、奥にある小さいものは6つあります。

上から順に
①梨状筋(りじょうきん)
②上双子筋(じょうそうしきん)
③内閉鎖筋(ないへいさきん)
④下双子筋(かそうしきん)
⑤外閉鎖筋(がいへいさきん)
⑥大腿方形筋(だいたいほうけいきん)
という筋肉があります。

6つまとめて深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)ということが多いので、バレエ教室で解剖学に詳しい先生がいる場合は、「外旋六筋」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

名前は踊る上ではあまり関係ありません^^;
…が、場所を覚えておくと、先生のアドバイスがどの辺の話をしているかのヒントになります
例えば、「お尻を締める」「大転子(だいてんし・お尻の外にある出っ張り)をしまう」「お尻の下(坐骨)を内側に回す」…など、ターンアウトをするときに、こんなアドバイス聞いたことありませんか?

 

 

これは、ターンアウトするときに深層外旋六筋を使うとできることです。

 

 

自分で使えてるかチェックするときのポイントは、『どこに力が入っているか』です。

大腿方形筋は一番下を回す筋肉なので、お尻の下を回すときに使います。ここが使われているならお尻を締めるときにお尻に力は入らないはず。

もし、ターンアウトするときに、お尻の筋肉がガチガチに固まる、お尻がこる…なら、大きい筋肉に力が入って深層外旋六筋を使えていないケースが多いです。

股関節を開く(外旋する)筋肉.008

ちなみに…

ターンアウトをしやすくする筋肉は股関節を開くものだけじゃありません。

特に2番以降(3番、4番、5番)は、内転筋、背中の筋肉や、腹筋(横)、肩甲骨周りの筋肉など、体幹がブレないようにサポートすることで股関節を開きやすくしてポーズを取りやすくしています。

 

 

まとめ

 

 

さていかがだったでしょうか?

バレエを踊っていてターンアウトは欠かせません。
でも、それは『見た目』や『ただ足が開いてるのがいい』というわけではなく、それが踊りに活かされるからなんです。

また、先生からいろいろアドバイスをいただいたときに、どこのことだかイメージしやすいように関節や筋肉についても少し触れておきました。

ぜひ、ターンアウトを使いこなして、バレエ上達に活かしてください^^

 

 

 

 

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