作成者: 島田智史

東京港区三田にある鍼灸院「専心良治」院長。 現在、年間2,600人以上に対して施術を行ってる。整形外科で3年勤務後、治療院開院。 開院後に施術した人数はのべ20,285人(2010年〜2018年)。 バレエに有効な体の使い方、調整に定評がある。 訪れるクライアントは、地域のみならず海外に及ぶ。 コメント: 犬とコーヒー好きのB型です。 【体を良くするためのボディメイクアーティスト】 中医学鍼灸、整体、ジャイロトニック、アレクサンダーテクニークなど、色々な視点からアプローチしています。

プリエするとき膝を曲げるのがNGな3つの理由

こんにちは。島田です。

あなたはバレエでプリエをするとき、先生から
「膝をもっと外に向けて」「膝張って!」 ってアドバイスされた経験ありませんか?

でも、いざプリエで膝を外に向けようとすると、
・股関節が開かなくて膝がねじれたり
・膝が内側に閉じちゃったり

なんてことありません?

これは、プリエするとき『膝を曲げてる』のが原因です。

「どういうこと?」って思いますよね?
そこで今回は、「プリエで膝を曲げて起こるNGと対策」についてお話していきます。


プリエで膝を曲げると起こる3つのNGポイント

プリエをするとき膝を曲げてしまうとどうなるか?大きく分けると次の3つの問題が起きます。

①前ももが固まる

膝を曲げる動きは、ふくらはぎを太ももに近づける動きです。なので、しゃがむ時にふくらはぎを太ももに近づけるような使い方をすると、体重を膝で支えるので膝が壊れないように、本来はストレッチしたい前ももの筋肉が、防御反応でカチッと固くなります。

②股関節がインになる

このとき、ふくらはぎが縮むので、かかとが浮きやすくなります。つまり、床がうまく踏めなくなります。

床を踏めなくなるので、股関節を開く深層外旋六筋(しんそうがいせろっきん)という、股関節の奥にある筋肉が使えなくなります。

股関節は体重をかけると内側に向く性質があるので、そのまましゃがんでいくと股関節も内側に入ってきてしまいます。

③足首が固まる

さらに、床に足をついたまま膝を曲げると、もも裏の筋肉(ハムストリングス)が使えず、ふくらはぎの筋肉を縮めることになります。

ふくらはぎの筋肉はかかとを引っ張るので、かかとが浮いて足首周りやアキレス腱も固まって、足首の動きを制限してしまうんですね。


これらが、プリエするとき膝を曲げちゃダメな理由です。

プリエで使うのは股関節


ここまで読んで、「でも、しゃがむときは膝曲がってるし、膝使わないならプリエするときどこを使ってしゃがんだらいいの?」と思いますよね?

プリエで曲げるのは、股関節です。もう少し詳しくいうと、股関節を使って脚を前に上げる動きをします。こうすると、膝は、股関節の動きにつられて勝手に外へ向きます。

しゃがむときは脚を上げる動き


しゃがむ時は、脚を上げる動きと同じ部分を使います。ドゥバン(前)に脚を上げ動きですね。この動きを足を開いて、床に足がついたままやると、股関節を使って無理なくしゃがめるんですね。

「脚を上げる」という日本語を使うと、混乱する方もいると思いますので、図を見ながらお話します。



先ほどお話した、脚を前に上げる動きを、
・つま先を横に開いたまま
・足が床についたまま
やるとどうなるのか、と言うと、このまま足を上げていくと、股関節は動いて太ももは横になっていくけど、足は床についたままですよね。

そうすると、股関節が動いた分だけ、体が沈んでくいきます(しゃがむ)。

この状態で使っていると、ふくらはぎの筋肉を縮めないので、かかとは浮かずにアキレス腱をストレッチできます。さらに、体が沈んだ(しゃがめた)分だけ、床を踏めます。

床が踏める(押せる)分だけ、股関節が回って回って開きやすくなります。また股関節が外に回っていくので、太ももは外へ向きます。

太ももの先についてる膝(お皿)は、股関節の動きにつられて結果的に自動で外へ向きます。

プリエをする時に、「膝を外に張って」ってアドバイスをされることがありますが、それはこのことです。膝を曲げたプリエで、膝を外に張ろうとすると、先ほどのNGパターンの罠にはまって股関節が内側に入る分かえって外に向かなくなります。股関節を使うと、股関節の動きにつられて勝手に外に向くんですよね。

この時のポイントは、指が浮かないことです。しゃがむ角度がきつくなってくると、足の指を床につけていられず浮きやすくなるので、そこだけ注意が必要です。指が浮くと、足首と前ももが緊張して固くなります。


まとめ


今回の話をまとめると…

プリエで膝を曲げると起こる3つのNG
1)前もも固まる
2)股関節が内側になる=膝が外に向かない
3)かかと浮く=足首固まる

プリエでしゃがむときは
股関節を使う(脚を上げる動きを、『足が床についたまま』行う)

まとめるとサラッとした感じですが、言うほど簡単じゃありません^^;でも、プリエができるかどうかで、5番やジャンプ、アダージョ、アレグロなど色々な動きにつながります。

ぜひちょっとずつでいいので、マスターしてください。


踊ってる時に目線下がるのがNGな理由


こんにちは。島田です。

あなたは、バレエ教室で踊ってる時に、こんなアドバイスを聞いたことありませんか?

「目線を下げない!」
「足元を見ない!下を向いちゃダメ」

とか、先生によって色々表現はあると思いますけど、共通して『下を向いちゃダメ』と言われることが多いです。

そこで、今回は「バレエを踊っている時に目線が下がるのがなぜ NG なのか?」についてお話していきます。



踊りで目線が大事な理由

踊りで目線に関するアドバイスは、他にも色々あります。

例えば、

「遠くをぼんやり見るようにしたほうがいい」
「舞台から客席の一番奥が見えるように」
「もっと一点を見つめるようにしましょう」

などなど、目線に関してかなり細かいアドバイスがあります。

なぜかと言うと、目線が体を動かす時に重要だから。どう大事か?

それは、『目線や目の距離感によって使われる筋肉の場所や数』が変わってしまうからなんです。

『目線や距離感で、使う筋肉の数や場所が違う』って言われても、ちょっとイメージ出来ないかもしれません。そこでイメージを交えてお伝えします。


距離感で自動で使う筋肉を切り替えてる

歩いたり、立ってるだけでも、たくさんの筋肉の数を同時に使っています。

なので、いちいち考えて処理してたら間に合わないので、頭の方で自動でそれを調整してくれています。

距離感で使うところが違う

例えば、

1)近くを見ながら動く場合

「まぁ脚だけでいいかな」と判断して、脳の方で『動きを小さくできる』ようにしています。

実際、狭いところで大きな動き(4畳半で50m走の動きとか)をされたら、物にぶつかりますからね。それを自動で防ぐために、動きも小さくなります。

2)遠くを見ながら動く場合

広い場所で動く場合は、あまり小さいと効率が悪いです(100mプールを犬かき進むみたいな)。

なので、『脚だけではなく、体幹も必要かな』っていう風に、『大きな動きをできる』ように調整してくれてるんですね。

つまり、

・狭い場所やぶつかったら危ないようなところでは、小さく動くように手足だけ

・広い場所で動いていい場合とか全力で動く場合は、大きく動けるように体幹も含める

みたいな切り替えを自動でやってます。



目線は姿勢のコントロールにも影響する

姿勢を保つときにも、目線は影響します。

例えば、頸反射(けいはんしゃ)といって、後頭部と首の上の筋肉の緊張度合いで、足の伸びや力の入れ具合を調整しています。

これは姿勢反射(しせいはんしゃ)の1つで、姿勢のバランスを保つために自動でなります。

バレエで『下を向いたり』『アゴが上がる』と、このバランスをとるための反射が使えないので、固めて踊る原因になるんですよね。

この後頭部と首の上の間にある筋肉は、目線を固定するために使います。眼精疲労などで、後頭部が硬くなったり頭痛がしたりするときもこの辺固くなってくることが多いです。

ここ固くなると、目線もブレやすくなって、バランス取りづらくなるんですね。

つまり目線が下がると、

1)距離感が縮まってしまうので、小さく動くための筋肉が使われる(可動域狭まる)

2)首が引っ張られて、姿勢反射が使いづらく、体のコントロールもしづらくなる


という困った状況になります。その代表が『前もも使う』『ふくらはぎパンパン』『アキレス腱痛い』『肩上がる』などです。


遠くを見るイメージだけでも効果的

ここまでの話で、「なんとなく下を向くと可動域が狭くなったり、踊りづらくなるんだな」っていうのはイメージできたと思います。

でも、『実際にどのくらいの距離感でやったらいいの?』って思うかもしれません。

慣れてる方であれば、「舞台から客席の一番奥を見る」ぐらいの感じっていうのはイメージしやすいです。でも、「私ちょっと舞台に乗ったことないし、よくわかんない」っていう場合は、イメージしやすい距離感でやるといいですね。

まず目安になるのは、10mぐらいの感覚です。


私がクライアントによく使ってる例で言うと、「ショッピングモールにいて3件先のお店をみるぐらいの距離感」という風に言っています。

買い物されてる方が多いので、『3件先のお店』って言うと瞬時に距離感イメージできて、動かすところ変わるんですよね。急に内側の筋肉に切り替わります。


なので、まずは遠くを見るイメージの練習で『ショッピングモールの3件先ぐらいの距離感で体を動かしてみる』という風にするのがオススメです。

今回の例では、ショッピングモールっていう風に言いましたけど、自分がイメージできる『広い場所の距離感』なら何でも OK です。

10 mぐらいでできるようになったら、今度は15mとか距離を増やしていくと、だんだん動かせる範囲ってのが増えていきますよ。

まとめ


今回の話をまとめると…

目線を下に向けてはいけない理由
可動域が狭まるので踊っていて損をするから

脳は動かす範囲を自動で調整
近く:小さい、細かい動き(手足)
遠く:大きい動き(体幹も含める)

ファーストステップ
10mくらいの距離感から




目線の重要性については、この本の113~114ページにも載せてるので本をお持ちの方はそちらをご参照ください。

バレエで骨盤底筋が働く3つのメリット

こんにちは。島田です。

骨盤底筋(こつばんていきん)って、聞いたことありますか?

内臓や骨盤の位置を保つのに必要な筋肉です。病院やリハビリの現場だと尿漏れの防止だったり、近年は美容でもクローズアップされています。

今回は、骨盤底筋が踊るときにどう関係するか、メリットを3つまとめましたのでお話していきます。



骨盤底筋(こつばんていきん)って?

骨盤底筋は、骨盤を下から支える筋肉のことです。イメージは、ハンモック。

内臓が落ちないようにキープしてくれたり、姿勢のキープに関係しています。どのように関係するかというと…、


・腹筋と一緒に働いて、動いてる時の体幹を安定させる
・腕(肩)の速い動きをする前に骨盤底筋が働いて、姿勢が崩れないようにする

骨盤底筋の役割

この骨盤底筋が働くことで、踊るときにどんなメリットがあるか?次の3つがあります。 

骨盤底筋が働くメリット①引き上げしやすい

1つ目のメリットは、引き上げがしやすいということです。

IAPを上げる(お腹の力を入れる)ときに骨盤底筋がきちんと働いていると、力が下に逃げないので、重心が引き上がるんですね。

逆に、骨盤底筋が働いていないと、お腹に力を入れた時に、力が下に漏れてってしまうので、重心が下がってしまいます。タックインでお尻が下がっちゃったりとか、出っ尻になってお尻を後ろに出したりと反り腰になったり…いったような状態になりやすいです。

骨盤底筋が働くメリット『引き上げしやすい』

骨盤底筋が働くメリット②ポールドブラしやすい

2つ目のメリットは、ボールドブラがやりやすいってことです。


肩の速い動きの前に骨盤底筋が働くことによって、姿勢が崩れないようにしてくれているんです。腕を横に広げたり、上に挙げたりするときも体幹がちゃんと決まっていないと体を支えきれないので、ぎこちない動きだったり、腕や脚が重たくなるんですね。


骨盤底筋が働いて、姿勢を保つ筋肉をちゃんと使いやすくしてくれることによって、姿勢が崩れないので、腕の速い動きだったり滑らかな動きをやりやすくしてくれています 。

骨盤底筋が働くメリット『ポールドブラがやりやすい』

骨盤底筋が働くメリット③股関節が開きやすい

3つ目のメリットは、股関節が開きやすいってことです。


『骨盤底筋』と『股関節の開き』って、すぐにはイメージつかないかもしれません。骨盤底筋の1つの腸骨尾骨筋(ちょうこつびこつきん)と言われる筋肉は、股関節を開く深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)の1つの内閉鎖筋(ないへいさきん)という筋肉とつながってます。


イラストでいうと、青く囲った部分ですね。内閉鎖筋は、股関節開く筋肉でも3番目に強い筋肉です。つまり、骨盤底筋がうまく働いて内閉鎖筋がきちんと機能すると、股関節開きやすいんですね

逆に言うと骨盤底筋(腸骨尾骨筋)が働かないと、内閉鎖筋も使いづらくなってしまうので、股関節の可動域に制限が出てしまいます。


まとめ


今回の話をまとめると、

骨盤底筋は…
骨盤を下から支える筋肉で、
・内臓の位置をキープしたり
・姿勢のキープをする

踊りで骨盤底筋が働く3つのメリット
1)引き上げしやすい
2)ポールドブラがやりやすい
3)股関節が開きやすい

この骨盤底筋というのは、普段なかなか意識しない部分でかもしれません。また、今まで骨盤底筋が大事だって知ってた方も、「実は踊りにもこのようなメリットがあるんだ」っていうのがわかるだけでも使いやすいと思いますので、ぜひ明日からのレッスンで活かしてもらえば嬉しいです。


今回お話したように、バレエを踊るとき、骨盤をいい位置に保つのはパフォーマンスを上げる上で大切です。特に子供から踊っている方と大人から始めた方で決定的に違うのも、その骨盤の使い方なんですよね。