知るだけでレッスンの効果が上がる3つの秘訣

バレエで足の付け根が痛いときのタイプ別・傾向と対策

こんにちは。島田です。

バレエが好きすぎて、一生懸命練習しすぎて、足の付け根に痛みが出たことありませんか?

そのせいで、
「パッセすると足の付け根が痛い…」
「足をアラスゴンド(横)に上げると足の付け根に痛みが出る…」
「アラベスクするときに、お尻がつまる…」
なんて経験があるかもしれません。


足の付け根の痛みが出る原因を知ることで、踊っているときに間違って使っているクセに気づいたり、痛みを解消するためにどこからやっていけばいいかヒントになります。そこから体を丁寧に使って、痛みが出ないような使い方にシフトしていけば足の付け根の痛みから解放されます。


ぜひ、足の付け根の痛みを解消するためのヒントにしてみてください。


1.足の付け根の痛みがでるエリア(範囲)は?

足の付け根が痛いなと思うとき、大きく分けて3つのエリアに分けられます。

バレエ 足の付け根 痛み

①内側・ソ径部
②外側・前
③後ろ・お尻

これらは、体の使い方のクセや、普段の姿勢などで、筋肉のバランスが崩れて一部に負担が増えた結果です。

具体的にどんな原因があるんでしょうか?


2.付け根の痛み・エリア別の原因とよくある傾向

①内側・ソ径部の痛みタイプ

内側の痛みの原因

内側に痛みが出る場合、原因になるのは次の3つが多いです。

(1)内転筋が弱い
(2)腸腰筋・腹斜筋が弱い
(3)股関節の靭帯の炎症

内側が痛い場合、恥骨(ちこつ)から太ももの骨につく筋肉の間に炎症があったり、筋肉が弱って動きに耐えられないことが多いです。この(1)〜(3)はつながって起こります。

腸腰筋や腹斜筋が弱くて足を寄せるときに、内転筋が使いづらくなって、前ももの外側に力が入ってしまうことも。

内側の痛みタイプの傾向

バレエ 足の付け根 痛い

・パッセをしたり、足をアラスゴンドで上げていく時に、内転筋が痛い
これは、途中でターンアウトが足りなくなって、股関節が内旋(内側に回る)しているためです(参照:股関節がつまる3つの原因と対策)。

・5番ポジションが入りづらい
内転筋や腹筋が使いづらいので、5番に入れようとしても脚にスキ間ができます。 また、5番ポジションが入りづらくなる原因の一つは、親指が使えないことです。 外反母趾で痛かったり、体重の掛け方でどうしても親指がきちんと踏めずに外側…小指に体重がかかってしまい段々親指が使えなくなり、付け根の内側が痛いという事が多いです。

・首が前に出やすい
5番ポジションで股関節を開きやすい軸は、首の付け根辺りにあります(参照:ターンアウトで5番が入らないときに意識したいポイント)。ここがブレるので、首が前に出やすいというのもこのタイプの傾向にあります。


②外側・前の痛みタイプ

外側や前側が痛むときの原因

(1)前ももの筋肉の使いすぎ
(2)中殿筋や大腿筋膜張筋の使いすぎ

このタイプの痛みがでるときの傾向

バレエ 足の付け根 痛い


・パッセをした時に足の付け根の前側がつっぱる

・バットマンをしようとした時に足の前側が引っかかって中々上がらない

・4番ポジションが苦手
4番が入らないので4番でプリエをする時、どうしても膝の外側だったり太ももの外側を張ってしまう事が多い為、太ももの外側が硬い人が多いです。

・ピルエットで顔をつけるのが苦手
4番ポジションの股関節を開く軸のポイントは背中の肩甲骨周りの高さにあります。4番ポジションが苦手なので、この辺の背中が硬かったり、ピルエットで顔をつけるのが苦手だったり、猫背になったりします。


③後ろ・お尻の痛みタイプ


(1)大殿筋や中殿筋の使いすぎ
(2)ハムストリングスの負担が大きい

このタイプの痛みがでるときの傾向

バレエ 足の付け根 痛い

・アラベスクをする時に腰がつまる

・2番プリエが苦手


・膝が伸ばしづらい
ハムストリングスが短く使われるので、ひざ裏が伸びにくかったりします。

・後ろに反る(カンブレ)が苦手
後ろに反るときに腰を使ってしまうクセがあります。


すべてのエリアの痛みに共通するクセ

この足の付け根の痛みについて、すべてに共通するクセがあります。 それは、普段座ってるときに、『足裏のどこかが床から浮いている』ということです。

・つま先(足の指)が浮く
・かかとが浮いてつま先立ちのようになる


など。これらは、普段気づかずになっていることが多いです。 このクセがあると、足で床を感じにくくなり、床が押せず股関節が内側に入りやすくなります。

また、膝が持ち上がるので、前ももの筋肉(足の付け根あたり)をずっと使ってる感じになって縮まります。そのせいで、足を後ろに上げようとしたときに引っかかったりするんですね。


3.まずやっておきたい3つのポイント

足の付け根をとる方法はいろいろあります。そのなかで、簡単にできて割と効果的なポイントを3つに絞ると…

①座る時間を減らす

意外に思うかもしれませんが、普段座る時間が長い人の場合、座り続ける時間を減らすだけでも、足の付け根の痛みを減らすことができます。特に、『足の付け根の前側が痛いとき』に有効です。

理想は30分で立つ(Maxで60分)くらいを目安にするといいです。それ以上は、姿勢で頑張っても、股関節への負担を減らせません。


②タンデュで床を擦る

これは、レッスン中でなくても構いません。 さらにいうと、これで床を擦るとき、足はターンアウトしなくても大丈夫です。

床を擦りながら足を動かすこと自体、ターンアウトしやすくする効果があります。なので、股関節の内旋(内側に回る)を防いで付け根の負担を減らすことができます。


③後頭部を押さえて、後ろのタンデュをする

後ろのタンデュは体の後ろ側(背中〜お尻〜脚)を伸ばしながら使います。このとき、頭が動くと背中が固まって、脚(股関節〜つま先)で頑張る感じになります。

後頭部を押さえて、体幹がブレないようにすることで、背中〜足までまとめてストレッチできます。 腰痛対策も兼ねているので、座っていてなんとなく腰がだるい人にもお勧め。

ポイントは、足が床からなるべく離れないように擦ること。(後ろのタンデュは特に足が浮きやすいので)

バレエ 足の付け根痛い 対策

まとめ

足の付け根に痛みが出るなら、まずどのタイプかチェックしてみましょう。

タイプ1:内側、ソ径部に痛みが出るタイプ(内転筋、腸腰筋、腹斜筋が弱い) タイプ2:前側、外側に痛みが出るタイプ(前ももの筋肉、骨盤の外が固まる) タイプ3:後ろ・お尻に痛みが出るタイプ(お尻の筋肉使いすぎ、ハムストリングスの負担大)

まずは原因をみて、「コレかな?」と思うクセから直していく、という感じでいいです。 ぜひトライしてみてください^^



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