柔軟バレエ・ストレッチとは
本書(柔軟バレエ・ストレッチ|山と渓谷社)では、
背中で合掌や前屈、開脚、後屈といった4つのテーマについて、無理なく整えるためのセルフ整体を解説しています。
この一冊が、あなたが身体と向きあうための助けになりましたら幸いです。
【Amazon限定】特典動画プレゼント
おかげさまで5冊目となる本書ですが、Amazonでお申し込みいただくと特典動画がプレゼントされます。
【特典動画の内容】
特典動画では、本書で紹介している
・背中で合掌
・前屈
・開脚
・後屈
この4つの動きについて、それぞれのポイントを解説しています。
ポイントそのものは本でも紹介されていると思いますが、紙面の都合上カットされている部分もありますので、原稿を作った時のノーカット版を特典動画でお届けしています。
②のおまけは、体のねじりを活かして股関節を開くときに使うお尻の奥にある筋肉を使いやすくする方法です。バレエをやられる方も、股関節やもも裏の硬さが気になる方にも使えるセルフ整体になっています。
【特典の入手方法】
ご購入された方へ、『商品出荷時』に『アマゾンから動画を見られる案内』が送られます。特典は紙書籍のみで、電子版にはつきませんのでご注意ください。
・毎日ストレッチしてるのに体が柔らかくならない…
・苦手なポーズがある…
・体を使いやすくする方法をとりあえず一通り揃えておきたい
という方にはお勧めです。
詳しくは動画でも解説していますので、こちらもご参照ください。
体験版動画
本書の目次
はじめに
体験談「私たちバレエ・ストレッチでこんなに変わりました!」
chapter 1 さっそく実践!柔軟バレエ・ストレッチ
「ねじる」「伸ばす」「呼吸」
chapter 2 柔軟バレエ・ストレッチで起こるからだの変化
「骨盤が整う」「関節がスムーズになる」「自然に柔らかくなる」「姿勢が美しくなる」
chapter 3 柔軟バレエ・ストレッチであこがれのポーズにチャレンジ!
「肩の後ろでピタッと合掌」「腰からパタンと前屈」「腹からベターっと開脚」「背中からスーッと後屈」
付録
お悩み別バレエ・ストレッチ処方箋
どんな人向けの本?
「ストレッチを頑張ってるのになかなか柔らかくならない」と思ったことがある人
ストレッチがうまくいかない原因の8割は『そもそもその筋肉が伸ばせるところにいない』ことです。
なので、そこにアプローチできる話をしたいということで、無理なく動かせる範囲で骨や関節をいい位置に整える方法についてまとめようと企画されました。
バレエを整体として使う理由
さて、本書をお読みいただくにあたって、「柔軟性をアップする方法として、なぜバレエを整体として使うの?」と思われる方もいるかもしれません。
骨格的に整えることで、関節を動かせる範囲が増えてストレッチの効果もアップするからなんですが…、
バレエ=踊りのイメージがあると思うので、そこがちょっとつながりにくいですよね?
そこで、私がなぜバレエを整体として使っているのか、その理由についてお話していきます。
これはバレエと整体の共通点が関係しています。
バレエのレッスンは、正しい位置をキープして行うことで、筋肉や関節の位置が良いところにくるようになっています。
つまり、バレエを正しく行うと、筋肉や関節が、本来あるべき所にそろうんですね。
バレリーナが美しかったり、可動域が尋常じゃなかったり、「ウソだろ?」みたいな動きができるのは、『関節や筋肉を正しい位置で使い続けた究極の姿』だと思っています。
一方、鍼や整体などの治療法も、色々な流派や意見はあるんですが、ざっくりいうと『体を、本来あるべききちんとした状態にする 』ことです。
なので…、動かすか、施術を受けるかの違いはあっても、どちらも『筋肉や関節が使いやすい位置にそろっていく』のは共通してるんですよね。
とはいえ、バレエって踊るイメージが強いので、バレエを整体として使うって聞くと「踊って体を整えるの?難しくない?」って思う方もいるかもしれません。
ご安心ください。
私が体を整えるのに使っているのは踊りの方ではなく、『バーレッスン』という『体を作り替える』方です。
バレエには、踊る前に『踊りで必要な筋肉や関節を一通り動かしやすくする』バーレッスンというのがあります。
大まかに分けると…
①まず片足で立って動くための土台をつくってから、
②足を色々な方向に動かして股関節の通り道を作ります。
③それから難しい動きをするときの前フリをして、スピードのある動きで軸がブレないように強化します。
④そこで作った体を元に、姿勢を綺麗に保ったまま関節の可動域を広げていく
という順番です。
前半の動きは後半で足を大きく動かしたり、素早く動かしたりするときの前フリになります。
つまり、ルールを守って順番に合わせて動かしていくことで、自然と可動域が広がるように設定されているんですね。
そこで、踊りではなく、体を整えるためにバレエの動きをセルフケアとして自分で使ったり、人に伝えるようになりました。
その結果…この写真のように姿勢もよくなって体型にも変化が起きたんですね。
治療だけやっていてセルフケアとしてのバレエを使っていなかった時期と、今では、だいぶ違います。
さらに、バレエの動きってシステマチックなので、動かす時のルールが決まってるんですね。
そのルールを押さえておくことで、効率よく自分の体を変えていけることも身をもって体感しています。
バレエの素人である私がここまで変化するんだから、バレエのレッスンを受けている人はもちろん、スポーツをされていたり、ストレッチやセルフケアをしている人であれば、きっと私以上にこの効果を活かすことができると思います。
バレエで使う動きを活かして体を整える『3つの要素』
とはいえ、バレエはいろいろな動きを同時にコントロールする複雑なものです。
そこで、たくさんあるバレエの動きのなかから、体を整えるのに使える要素を抜き出して、大きく3つに分けました。
まず1つ目は『ねじる力』です。バレエにはアンドゥオールといって、体にねじりを起こして可動域をアップさせたり体の強度を上げる動きがあります。
ポーズをキープする形状記憶力みたいなものです。
2つ目は『伸ばす力』です。手足や体を前に伸ばしたり、後ろに伸ばしたり、横に伸ばしたりする動きのことで、関節が引っかからずに動かせる量を決めます。
3つ目は『呼吸力』です。呼吸の仕方というよりは、苦しい姿勢でも普通に深い呼吸ができるように呼吸筋を鍛えていく感じですね。
呼吸力は、動きの解像度を決めます。
呼吸を止めてしまうと、体が固まりやすくインナーマッスルなどの小さい筋肉が使いづらくなってしまいます。
ねじる力、伸ばす力、呼吸力、この3つを組み合わせることで、柔軟性やパフォーマンスをアップしたり、続けることできれいな姿勢やスタイルになっていったりするんですね。
これを聞いて「これが体の柔軟性とどう関係するの?」って思った方もいるかもしれません。
そこで、開脚のポーズを例にして、それぞれの要素がどう関係するのかお話します。
一般的に「開脚で足が開かない理由ってやっぱり股関節が硬いからなんじゃない?」って方、多いと思います。
でもこれは、無理な姿勢をかばっているせいで、結果として股関節が硬くなっているんですね。
股関節を硬くしている原因があるんです。
当たり前すぎて意識されませんが、股関節は動かす以外にも『上半身の体重を支える仕事』があります。
股関節の可動域を増やすなら、この仕事から解放してあげないと十分動かせません。
開脚の姿勢で体幹が体重を支えきれない分だけ、股関節は体重を支える仕事が増えます。
体重を支える仕事が残っている分だけ、動きに使えないので硬くなるというわけです。
では、これを先ほどの要素でみていきましょう。
まず、伸ばす力が足りないと、体は中心に向かって縮みます。
具体的には
首や脇腹が縮む、背中が丸まる→肘やひざも曲がってくるので、ひざ裏が床から浮いてきたり、太ももは軽いもも上げ状態になります。
この状態だとバランスが取れないので、骨盤は後傾してお尻が後ろに下がってきます。
そして、ねじる力が足りないと、ポーズを保てず腕や脚は中心に向かって閉じて、お腹は外に広がります。
肩甲骨は前に覆いかぶさってきて肩は内側に巻いてきます。いわゆる巻き肩ですね。
みぞおちのあたりは開いて腹筋が使いづらくなり、太ももは内側にねじれてきます。
お尻が浮いてバランスが取れないので足を閉じて姿勢を安定させようとします。
全部閉じると後ろに転ぶので、多くの場合90度前後まで閉じてくる感じですね。
つまり、こんな感じになるわけですね。
この状態でストレッチをしても、本来伸ばしたいところがストレッチできないため、ほとんど効果がありません。
「開脚のストレッチ一生懸命やってるんだけど全然足が広がらなくて…」という方は、そもそもストレッチできる状態にないところで頑張っているのが原因です。
動きの自由度を上げる『呼吸力』
じゃぁ『呼吸力』はどう関係するのか?
呼吸力は動きの滑らかさ・スムーズさを決めます。
呼吸でコアマッスルがきちんと働くことで、体幹と手足の連動性もアップしますし…、呼吸補助筋の過度な緊張を抑えることで、インナーマッスルが使いやすくなるので関節を細かく動かせるので、柔軟性が上がります。
呼吸補助筋は、激しい運動になって呼吸筋だけではまかなえなくなったときに、呼吸をサポートしています。
多くは体幹の筋肉なので、呼吸力が足りなかったり息を止めて動かそうとすると、呼吸補助筋に余計な緊張が起きて、動きを固めてしまうんですね。
結果として、体幹が縮こまって、腕や脚のストレッチに対してブレーキがかかります。
呼吸力が強ければ、内側や小さい筋肉で関節の角度を細かく調整しながら動かすことができるので、連動もしやすく可動域も広がります。
呼吸力が弱ければ、体幹から手足の連動は起きにくいので、動きがバラバラになりやすいですし、関節の位置をいいところに持ってくる前に大きな筋肉が動いてロックされるので、可動域が狭くなります。
つまり、伸ばす力、ねじる力、呼吸力、これらがそろうことで可動域を上げたりストレッチの効果を上げやすくなります。
これらの要素をバレエを知らない方でもできるように、目的別にアレンジしたのが、本書でお伝えしているセルフ整体です。
ストレッチが苦手な私でも可動域を育てていけるように、1つ1つの動作はなるべくシンプルにしています。
でも、それぞれの工程を積み重ねていくことで、ストレッチするときに骨や関節がいい位置くるようになっているので、可動域を上げたい方はもちろん、これらの後で今までのストレッチをやっていただいても効率がよくなるはずです。
あなたの身体を知ることで
自信を持てる自分に
自分の体を知って整え方を身に付けることで、自分がやりたいことに近づけるように変わり続けられるように。
本書がその助けとなれば、これ以上の喜びはありません。