こんにちは。島田です。
今回は、『反り腰などを解消して姿勢をまっすぐにしやすくする方法』についてお話していきます。
目次
反り腰について
反り腰っていうのは、背骨の並びの中で腰の部分(腰椎)が過度に前に出てきてしまって腰が反っている状態のことですね。
お尻が出て見えるので「出っ尻」って言われることもあります。
どのぐらいで反り腰なのかというと…壁に背中をつけて立った時に、腰と壁の間の隙間が手のひらを広げて1枚挟むぐらいよりも大きいかどうかが基準です。
人によっては、握りこぶしぐらい入ることもあります。
反り腰だと、腹筋が弱くなってしまってお腹がぽっこり出るような形になってしまいますし…。
お腹が弱いことによって、逆に背中とか腰・お尻の筋肉が緊張して、姿勢を良くしようとするとお尻が出っ張ってきたりとか腰が前に反ってしまうといったような状態になるんですね。
自分では姿勢よく立ってるつもりなのに、『横から見ると腰を反っていたりお尻が突き出た感じ』になってしまいます。
では、こういった問題を解消するためにどうすればいいのか?
ヒントになるのが、バレエの体の使い方にある姿勢をまっすぐにしやすくするスキル『引き上げ』です。
この引き上げができると何がいいのかというと…反り腰だけじゃなくて、猫背なども含めた姿勢改善に使えるんですね。
もし引き上げが習慣化できれば、猫背や反り腰の改善にとどまらず、バレエをやる人みたいな綺麗な姿勢も目指せるかもしれません。
では早速本編いきましょう。
姿勢をまっすぐにするスキル『引き上げ』
引き上げというのは、体幹の筋肉をコントロールすることによって、背骨をまっすぐに近づけるスキルのことです。
引き上げができることによって、例えば
①体幹が強化されたり
②腹筋や内ももなど体の内側にある筋肉が使いやすくなったり
③それらによって足の負担が減るので足がラクになったりします。
要するに、引き上げができることによって横から見たときに背筋がピンと伸びて横幅が薄く見えたりとか、片足で立つときのように体重を支える範囲が狭くてもバランスが取りやすくなるんですね。
今回の反り腰との関係で言うと…、体幹が前後にずれてしまうのが問題でしたよね?
なので、体幹の筋肉で背骨が中心によって(前後のズレが)減ってくることによって、結果的に反り腰が解消されたり反り腰が起こりにくい状態を作っていくことができるというわけなんです。
引き上げ(背中をまっすぐにする)ために意識したいポイント
では、どこを意識すれば体が引き上げしやすくなるのか?意識したいポイントがあります。
それは『首全体を後ろにスライドする』ということです。
反り腰にしても猫背にしても、体の真横を通る線よりも顔・首が前にきています。
なので、首全体(高さでいうと喉のあたり)を後ろにスライドすることによって…軸が縦に揃って姿勢を正しやすくなるんですね。
で、こう聞くと…「なんだ簡単じゃないか」って思うかもしれませんが、実は意外と難しいんですね。
例えば…
顔が前に来てる分、首を後ろにスライドしようと思っても
・首(の動き)につられて頭も後ろに行ってしまったりすることもありますし
・顎を引こうとしすぎて喉を潰してしまったりする
ケースもあるんですね。
さらに…首を後ろにするときにお尻も一緒にスライドしてしまって、出っ尻(orタックイン)になってしまうといったような問題も起きてきます。
引き上げしやすくする方法①上半身を前に伸ばす
じゃあどうすれば良いのか?
『喉の高さ』がうまく後ろにスライドできると、項(うなじ)も持ち上がって首が長くなるので、姿勢がまっすぐ正しやすくなります。
でも、これがうまくいかずに、
・頭が後ろにくっついてきてしまうとか
・お尻がズレちゃう
っていった問題が起きるのは、上半身の筋肉が縮んでいてうまく伸ばせないからなんですね。
なので、『上半身を縦に伸ばす』ようにすると、この前後のズレがなくなって背中がまっすぐにしやすくなります。
じゃあ、『上半身を縦に伸ばす』ってどうやればいいの?ってことなんですが…
背伸びしようとしても、人によっては腰の筋肉を緊張させてしまって背中縮めてしまってる人もいるんですね。
なので、そういった問題を防ぎながら上半身を伸ばす方法をお伝えします。
それが、『上半身を前に伸ばす』というやり方です。
これを聞いて「前に伸ばそうとすると腰が前に反ってきちゃうんじゃないか?」って心配される方いるかもしれません。
でも、このイラストのように、お尻の部分から顔の方(骨盤→頭)までまっすぐ前に伸ばせるようになってくると、立った時には下から持ち上げられるような感じになって結果的に姿勢が正しやすくなります。
ステップ0:準備
なので、ここから『上半身を前に伸ばすためにどうしらいいのか、具体的なやり方』を解説していきます。
まず、やる前の準備からお話をしていきます。
この方法では、上半身をどんどん前に伸ばしていきます。
なので、自分の上半身をあずけられるような台を体の前に置いておこなっていきます。
台になるものは何でも構いません。
テーブルでも机でもベッドでも椅子でも…なんでも構いませんので、『(前に伸ばしたときに)自分の体が置ける場所』を体の前に用意してください。
これができたら、足を腰幅に開いて、つま先はやや横に向けてしゃがんでいきます。
この時に、膝とつま先の方向がズレていると膝を痛める危険性がありますので、膝とつま先の方向が同じになってるか確認してからしゃがむようにしていきます。
また、このときに腕を横に広げながらやると、股関節が使いやすくなるのでしゃがんだ時に太ももの前側の筋肉が緊張しなくてラクにしゃがむことができます。
ステップ1:しゃがんで前腕を台に乗せる
体がまっすぐのまましゃがんだら、肘から手首を台に乗せます。目線は前orやや上に向けてください。
もしこの時に
「しゃがむのがちょっときついな」とか
「しゃがんだ状態で、肘とか手首を台に乗せるのがもうすでにつらい」
っていう方は、椅子に座って行ってください。
ステップ2:前腕を交互に前に進めていく
肘から手首を台に乗せたら、肘から手首のパーツ(前腕)を片手ずつ交互にトントントンと前に出して進んでいきます。
右・左、右・左と足で行進するみたいに、手首から肘(前腕)でどんどん前に進んでいく感じですね。
ステップ3:腕の動きにつられて上半身が伸びる
片手ずつ交互に前に出していくと、この腕の動きにつられて上半身が前に伸びてきます。
これで、上半身をストレッチしていくことができます。
こうやってだんだん体を前に伸ばしていくと、肘が伸びきってきたり背中が丸まってしまったり顔が下に向いたり、下がってきたりします。
そうなってきたら、体幹が伸ばせなくなってきて腕だけの運動になっているか、体勢がつらいっていうサインです。
ステップ4:今までのステップ逆戻りして振り出しへ
このタイミングで、今までのステップを逆戻りしながら振り出しまで戻ってください。
そして、もう一度最初から行っていきます。
そうすると、最初にやった時よりも深くしゃがみやすくなって、同じ動きしてても上半身がより前に伸びやすくなっていきます。
この動きを3回繰り返していくことで上半身をどんどん前に伸ばしていきます。
(その結果、姿勢を正すコスパがよくなります)
引き上げしやすくする方法②肘とひざの伸びを活かして体幹を伸ばす
もしこの時、
「自分の周りには手や上半身をあずける台がない」という方や
「上半身を前に伸ばしていくと腰が緊張してしまってちょっと私には難しいな」
という場合には、
『腕と肘の曲げ伸ばしで上半身を伸ばす方法』もありますので、併せて解説しておきます。
ステップ1:手を組んでねじる
手を体の前で伸ばして組みます。
そして手を組んだらグルっとねじってください。
ステップ2:肘を上げて背中を伸ばす
そこから肘を上に持ち上げます。
もしこの時に、
「肘が上がらない」とか「肩が緊張する」
という場合には、胸を張るか、背中を反るようにしてから肘を持ち上げてあげると前腕が上がりやすくなります。
この①②で狙っているのは、
背骨のなかで胸椎(きょうつい)とよばれる部分(イラストのピンク)を伸ばしやすくするための前フリです。
ステップ3:ポーズをキープしながらしゃがむ
ここから体を縦に伸ばしていきます。
足を腰幅に開いて、体勢をキープしたまましゃがみます。
ステップ4:手を上に伸ばす+膝を伸ばす
そこから膝を伸ばして、手も上に伸ばしてください。
そうすると、腕の伸びと膝の伸びで間に挟まれた上半身が伸びてくるんですね。
コレを3回から5回ぐらい繰り返していくと肘と手が上に伸ばしやすくなって、それにつられて上半身が縦に伸びやすくなります。
まとめ
では、まとめいきましょう。
「上半身を伸ばして反り腰を解消しよう」
ということで…
今回は、反り腰のせいで「姿勢を良くしようとしているのに腰が緊張してしまったり、お尻が出っ張ってくる」といった問題に対して、バレエの引き上げという『姿勢をまっすぐにするスキル』で解決するためのやり方をお話ししてきました。
意識するポイントとしては、首全体を後ろにスライドする。
もしくは喉の高さを後ろにスライドすることによって、首から骨盤まで縦に揃いやすくなります。
なので、これができればその意識を続けていただくと姿勢が正しやすくなります。
でも、
「これちょっと難しいな…」とか、
「頭とかお尻も一緒にズレちゃうよ」
っていうケースでは、上半身が縮んでしまっていてうまく伸びないことが多いので…
・体を前に伸ばす方法
・腕とか肘の曲げ伸ばしを使って上半身を伸ばしていくやり方
についても補足でお話ししていきました。
この引き上げができると何がいいのかというと…反り腰だけじゃなくて、猫背なども含めた姿勢改善に使えるんですね。
もし引き上げが習慣化できれば、猫背や反り腰の改善にとどまらず、バレエをやる人みたいな綺麗な姿勢も目指せるかもしれません。ぜひ試してみてください。
おまけ
プラスアルファで「この辺の整え方はどうすればいいの」って知りたい方は…
柔軟バレエ・ストレッチのp70~71やp107に体を前に伸ばして柔軟性のベースを上げるやり方について解説していますので、本をお持ちの方はそちらもご参照ください。
また
・専心良治・ラボ
・YouTubeメンバーシップ
では実技動画でやり方を解説していますので「詳しいやり方をちょっと見てみたいよ」っていう方は、お好きな方をチェックして続きをご覧ください。
以上参考になれば嬉しいです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。