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バレエの5番ポジションがやりづらい原因と内ももを使いやすくするコツ

こんにちは。島田です。

今回は『バレエの5番ポジションがやりづらい理由と、内ももを使って5番のターンアウトをしやすくするちょっとしたコツやイメージ』についてお話します。

股関節が硬いせいで5番に入りづらい、内ももが使いづらいという方には、5番に入りやすくするヒントになるはずです。

バレエの5番ポジションでよくある問題

骨盤がズレて、お尻をふらないとポーズが取れなかったり
足が開けず縦になったり
足を寄せる時に内ももが使いづらくて、膝が曲がったり

することが多いです。

実際、お会いした方からそういうお話をよく聞きますし、膝や足の開きづらさについては経験がある方もいるかもしれません。

でも、ほとんどのケースで股関節自体に問題があるわけではありません。ほぼほぼ正常な可動域で動いています。

実は、5番ポジションにするとき、股関節が硬くて動かしづらいのには、原因があるんですね。

やりづらい原因の1つは足の寄せ方


その1つが、足の寄せ方。
バレエの5番がやりづらい人の多くは、足を寄せる時、足の付け根から頑張って寄せてるんですね。

こう聞くと、
「え?どういうこと?足は付け根から寄せるんじゃないの」って思うかもしれません。

なぜ、この寄せ方だと5番に入りづらいのか?

太ももの骨が動くメカニズム

太ももの骨がどう動くのかイメージを見ながらメカニズムを解説します。

真ん中の図は、太ももの骨を棒としてイメージしたもの。上は股関節、下は膝になります。
右のイラストは、内転筋ですね。内転筋は、1つの筋肉ではなく着く場所によって引っ張り方が違います。

付け根から足を寄せようすると、

①足を寄せた分だけ、お尻が開きやすくなります。
この状態だと、お尻や骨盤が広がるし、腹筋も使いづらいんですね。

②そして膝は寄るけど、内転筋の上の方は力が入らず寄らないので、
股関節を内側に回して内ももを寄せようとします。

その結果、ターンアウトする筋肉が使いづらいので、大転子(だいてんし)という太ももの外側のでっぱりが目立つようになります。

要するに、足の付け根から足を寄せようとすると、

・同じ分だけ骨盤や股関節が外に行って腹筋使いづらい
・股関節が内側に回りやすくなるのでターンアウトしづらい
・膝はよるけど、内転筋の上は使いづらい

といった状態になるんですね。

バレエのレッスンではその仕組みを使ってる

なので、バレエのレッスンでは、4番や5番など、内転筋を使って足を寄せる動きがある前に2番ポジションをすることで、骨盤周りを安定させているんですね。

バレエの2番ポジションでは、足を横に開きます。
ここで足を横に開くと、股関節や骨盤が、体の中心に近くなるので、外にズレにくくなります。

こうすることで、足を寄せる時に、お腹や内転筋の上も使って太ももを寄せやすくなるんですね。

レッスンの最初で1番〜5番までのプリエやポールドブラをやるのは、この順番で動かすことで、自然と体幹を使って足が寄せやすくなるようにするためです。

内ももを使って5番にいれるコツ

でも、ここまでの話を聞いて、
「それはわかったけど、振り付けで足を開けない場合はどうすればいいの?」
って思う人もいるかもしれません。

そこで、ここからは、足を寄せやすくするイメージとコツについてお話します。

コツ①黒目の縦のラインを中心に寄せる

まず1つ目は、足を寄せるイメージを変える方法です。
具体的には、目の黒目を通る縦のラインを中心に寄せることで、軸をブラさずに足を寄せます。

順番にお話しますね。

正面を向いてるとき、目の黒目を通る縦の線は、
1番のターンアウトをしたときは、股関節やかかとを通ります。

この縦線を右左とイメージしたら、それを、体の中心線(鼻やヘソを通る線)に寄せ合うようにします。

さらに、前後にも寄せるようにしたら完成です。

そうすることで、軸をブラさず足を寄せやすくなります。

「そんなにゆっくり分けてできない」って思うかもしれませんが、これは5番ポジションで足を寄せるときのイメージを修正するものなので、毎回この寄せ方でやる必要はありません。

何度かこの寄せ方をすると、脳の方でインプットしてくれるので、意識しなくても自然と足を寄せやすくできます。少しずつ軸がぶれない寄せ方を体に染み込ませてください。

コツ②ポイントを固定してテコの要領で寄せる

また、イメージがちょっと難しいなと思う方は、ポイントを固定することで、足の寄せ方を意識しやすくするコツがオススメです。

固定するポイントは
首の付け根と軸足の骨盤です。

この図は右足前の5番の場合です。左足前で行うときは右の骨盤を押さえて行います。

それで、
「首の付け根ってどの辺りを押さえればいいの?」ってことなんですが…

下を向いた時に、一番でっぱる部分を目印にするといいですね。

このポイントと、軸足側の骨盤を固定して、足を寄せることで…
テコの要領を使って、体がブレずに足を寄せやすくなるので、内ももの筋肉も使いやすいし股関節も開きやすくなります。

まとめ

まとめると、

バレエの5番がやりづらい人は、
足を寄せる時、足の付け根から頑張って寄せてることが多いです。

そのせいで、

・お尻が開いて腹筋使いづらかったり
・外腿がでしゃばってターンアウトしづらかったり
・内転筋の上側が使いづらくて膝が曲がりやすかったり

と無理が重なって5番ポジションがやりづらくなっちゃいます。

それを防ぐためのコツとして、

①目の黒目を通る縦の線を中心に揃えるイメージで足を寄せ合うことで5番ポジションにしやすくする方法

②ポイントを押さえることで無理せず足を寄せやすくする方法

をお話しました。
試してみてご自身に合う方から取り入れてみてください。

PS.
ちなみに、ターンアウトの番手ごとにどこを押さえるとやりやすくなるかについては、バレエ整体ハンドブックのP26、27に載せてありますので、本をお持ちの方はそちらもご覧ください。

こんなふうに、バレエの動きには体を使いやすくするヒントが隠れています。
これを応用することで、体の硬さをとったり、可動域を上げて踊りやすくすることができるんですね。