こんにちは。島田です。
今回は「股関節が硬い、骨盤がゆがむ意外な原因とその対策」についてお話します。
先日、お会いした方から
・深くあぐらをしようとするとひざが上がる
・横座りすると左右差がある(片方は上半身が斜めになる)
というご相談がありました。
こんな感じですね。
反対側の太ももに足首を乗せてあぐらしようとすると、ひざが縦になってしまう…
横座りも、片方は上半身まっすぐを保てるんだけど、苦手な側は上半身が斜めになってしまう…
「似たような経験あるよ」って方もいると思います。
一見すると、これって骨盤のゆがみや股関節の硬さが原因な感じしますよね?
この方も、「どうやって股関節の硬さをゆるめたり仙腸関節(骨盤の関節)を整えればいいですか?」とご相談されていました。
股関節が硬い、骨盤がゆがむ意外な原因
でも、実はこれらの問題の裏には、共通する原因が隠れていることがあります。
それは、「体幹バランスの崩れ」です。
具体的には、胸の高さや腰の高さが横に移動する際の距離の左右差ですね。
ラテン系のダンスでは、「アイソレートとかセパレート(胸の高さと腰の高さを分けて使う)できてない」とも言われます。
この左右差が原因で、あぐらや横座りなどの体勢を保つときに体が一方の弱い側に回転しやすくなります。
たとえば、深くあぐらをするときは股関節の動きが固まってひざが下げられなくなりますし…、横座りの場合は上半身が起こせなくて体が斜めに倒れやすくなります。
これらは、体が転ばないように食い止めようとして固まってしまっているというサインです。
なので、こういったケースでは、ストレッチしたり股関節をゆるめる前に体幹バランスを整えることで、股関節を動かしやすくしたり骨盤のズレを抑えることができます。
そこで、ここから体幹バランスを整えて骨盤矯正するやり方をお話します。
体幹バランスを整えて骨盤矯正するやり方
(※)詳しくは動画でご覧ください
では具体的なやり方をお話します。
①四つん這いの姿勢になる
まずは、手と膝を地面につけて四つん這いの姿勢を取ります。この基本姿勢から始めることで、体のバランスを取りやすくするんですね。
②手足の交互に伸ばす
次に、上半身がズレない範囲で、手足を互い違いに伸ばす。
このとき、手足は床についたまま伸ばしてください。
バランスが崩れる手前までくると、上半身が斜めになってくると思います。その手前まで手足を伸ばします。
③手足を伸ばしたところで深呼吸をする
手足を伸ばしたところで深呼吸をします。口から息を吐いて、鼻から吸います。
深呼吸が苦手でのどの筋肉が緊張する方は、一度にたくさん息を吐くよりも3回に分けて息を吐いていくと腹筋が使いやすいです。
④元の位置に戻る
深呼吸をしたら、もとの体勢に戻ります。
ここまでが1セットです。
⑤②→④を繰り返す。
ここからもう1度手足を伸ばすと、前より遠くに手足を伸ばしても体勢が崩れなくなります。
徐々に手足をより遠くに伸ばせるようになり、体勢を崩さずに保てるようになります。繰り返すことで、伸ばした手足が上半身と平行になる程度まで到達することが目標です。
⑥反対側も同じように行います。
体幹バランスが整うと…
このエクササイズを行うと、体幹のバランスが改善されるので、
・深くあぐらをかく際の股関節の動きがスムーズになり、膝を下げやすくなります。
・また、横座りの際の左右差も減少して、上半身をまっすぐ保ちやすくなります。
注意点とよくある質問
続いて、このエクササイズを行う際の注意点や、よくいただく質問にお答えします。
まずは注意点について。
この方法の最終的な形って、よくやる体幹トレーニング(四つん這いから手足を上げてキープする)と同じ見た目ですよね。
なので…、「なるほど!この形をすればいいのね。できるできる!」って思うかもしれませんが、実はちょっと違います。
いきなり床から手足を高く上げるのはNGです。
写真だとわかりづらいので、動画の動きで比べてみましょう。
ちょっとした違いなんですが、効いてるところが違ってきます。
いきなり手足を持ち上げようとすると、意図した体幹バランスの調整ではなく、背筋やお尻、太ももの筋トレが強くなってしまうんですね。
床に手足がついたまま伸ばせる範囲を徐々に増やしていった結果、手足を床から浮かせられると、効いてるところが腹筋や背筋などの体幹に効きやすくなります。
これは、体幹の形をズラさずに肩や股関節をコントロールできる範囲が増えるからです。
バレエでは、つま先を床に滑らせながら足を上げることで、足を高く上げる時に付け根がつまらないようにしています。そのスキルを応用しているんですね。
最終的な形は似ていても、使っている場所が変わるので注意してください。
また、この方法をやるときに
・手首が痛い
・腕の付け根がつらい
・腰やお尻に緊張を感じる
という場合は、手足を別々に行うのがおすすめです。
例えば、
①片手だけ伸ばして深呼吸をする
②次に片足だけを伸ばして深呼吸する
③それから手足を伸ばして深呼吸をする(今回のやり方)
と進めていくと、体幹バランスが安定することで手首や腕の付け根、お尻の負担が減って、より楽にエクササイズを行うことができます。
これは四つん這いの姿勢で行う体幹トレーニング全般に言えることなので、腕がつらくなるから体幹トレーニングがうまくできないという方にはヒントになるはずです。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか?
・深くあぐらをしようとするとひざが上がる
・横座りすると左右差がある(片方は上半身が斜めになる)
みたいな問題って股関節や骨盤の問題に見えますけど、実は体幹バランスの影響もあるんですね。
「骨盤のゆがみや股関節の硬さが気になるけどなかなか改善しない…」ならもしかすると体幹のアンバランスが影響しているかもしれません。
こういったケースでは、ストレッチしたり股関節をゆるめる前に体幹バランスを整えて片足軸で立ちやすくすることで、股関節を動かしやすくしたり骨盤のズレを抑えることができます。
ぜひご活用ください。
ちなみに、体幹トレーニングや呼吸を使ってストレッチの効率を上げるやり方は、バレエ体幹ハンドブックのp34〜48に掲載されています_φ(・_・
本では、他にもたくさんのチューニング法を載せているので、きっとあなたにピッタリの整え方が見つかるはずです。
さらに、先行予約特典で本をご予約いただいた方に動画講座『アラベスクで足を上げる感覚を育てる整え方』をプレゼントしてます。
今回お話した方法ともリンクするので
・足を後ろに上げるのが苦手
・骨盤がズレやすい
・レッスン後に腰やお尻がつらくなる
という方にはヒントになるはずです。
ぜひあなたのパフォーマンスアップに活かしてください。
また、後半では
・今回のやり方の仕組み
・応用編別についても解説しています。
具体的には、足を前に上げたり横に上げたりする時に骨盤がつられにくくするようにするやり方ですね。
続きが気になる方は
・専心良治ラボ
・YouTubeメンバーシップ
でご覧いただけますので、お好きなものをチェックして、ぜひ続きをご覧ください。
以上、参考になれば嬉しいです。