こんにちは。島田です。
今回は、拙著『体が思い通りに動くバレエ整体(かんき出版)』の補足で、「首が痛くて回らないとき、ストレッチする前にやりたいちょっとした対策というかストレッチの効果を上げるコツ」について解説します。
ストレッチしてるはずのに、「な〜んか首の上の方や肩甲骨のあたりが凝るな」って経験ありませんか?
特に、目が疲れやすいとか、後頭部のあたりがゴリゴリに凝ってますとか、振り向くと首が痛い、なんてタイプに多いと思います。
そこで、今回はその対策として、首のストレッチをやる前にやっておくとオススメな『首の動きがスムーズになるコツ』についてお話します。後半では、首の上の硬さを起こす筋肉とその原因や、踊りなどのパフォーマンスにどう活かされてるのかについてもお話しています。
目次
首が痛くて回らないときの整え方『目玉ストレッチ』
というわけで、早速ストレッチのやり方をご紹介します。
ステップ1:腕をねじる
まず腕をねじります。
先に二の腕を内側に回してから、小指から巻き込むように外側にねじり返します。
こうすることで、脇まで絞られて体幹が安定するんですね。
ステップ2:耳の後ろと肩を押さえる
そうしたらステップ1でねじった手で、耳の後ろと肩を押さえます。
耳の後ろに出っ張った部分がありますので、そこに親指を、肩甲骨の上の方に小指と薬指を当てて突っ張り棒のように押さえます。
ステップ3:二度見するように目を動かす
その状態で目玉を動かします。
動かし方のコツは、同じ方向を二度見することです。
右を見たら一度戻して、もう一度右を見る。左や上、下なども同じように行います。
これは、首の上の方の動きを良くするためのステップです。
次に、左側でも同じように行います。
腕をねじって脇までしぼったら、その手で耳の後ろと肩を押さえます。
そして、二度見する要領で目玉を右、左、上、下…といろいろな方向に動かします。
ステップ4:両肩を押さえてステップ3をする
ねじった手で肩甲骨を押さえます。押さえるポイントは肩甲骨の上で尖ってる辺りです。
ここを左右ともに押さえて、目玉を動かします。
これは首を動かすときに肩甲骨が持ち上がって動きを邪魔するのを防ぐためのステップです。
ステップ5:肩を押さえて首を回す
ここまでのステップで、首を動かすときに引っかかるところが減るので…あとは肩を押さえて首を回します。
腕をねじって、その手で肩甲骨の上で尖った部分を押さえながら首を回します。
肩を押さえて首回し自体は普段からやってる方いると思います。
ただ、デスクワークなどで首肩が凝ってるときって首の上の方が引っかかったり、肩甲骨が持ち上がって首がすくむので、動きが制限されてストレッチがうまく効かないこともあるんですね。
なので、先に固まりやすいところを押さえて目玉だけ動かすステップをいれておくと、スムーズにストレッチしやすくなります。
ポイントの固定をして目を動かす、それから首を回す、この一連の流れで首の動かせる範囲が増えます。
首が痛くて動かせない方でも、ポイントを押さえるのと目玉を動かすのはできると思いますので首が痛くて動かせないときのファーストエイドとして試してみてください。
特にデスクワークで目が疲れている方は、首の上の方が固まりやすいので、ぜひ、凝ってるポイントを押さえて目玉を動かしてみるのがおすすめです。
まとめ
さて、今回は、「首が痛くて回らないとき、ストレッチの効果を上げるためにやりたいコツ」についてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
頭の後ろを固定して目を二度見するように動かすようになるだけでも、首の上の方の硬さがとれて首の動きがスムーズになります。ぜひご活用ください。
新刊「バレエ整体」では、他にも、日常のセルフケアから応用編まで幅広く使えるやり方を動画と一緒に紹介しています。
今回の方法をさらに背中のコリや痛みに活かす方法も載っていますので、興味を持ってくれた方は、ぜひチェックしてください。
補足情報:目玉を動かす理由・メカニズム
ちなみに補足情報として、首を整えるのに目玉動かす理由についてお話します。
アプローチの狙いは後頭下筋群
首を動かす前に目を動かしていましたが、これで狙っているのは後頭下筋群(こうとうかきんぐん)です。
後頭下筋群(こうとうかきんぐん)というのは、後頭部と首の上をつなぐ筋肉のグループのことで、姿勢をキープしたり、頭がブレないように固定して目線を合わせやすくするのに使われます。
スクリーンタイムの増加で後頭下筋群の疲労→首の上が固まって負担が…
今は、仕事でもプライベートでも画面を見る時間が増えました。
20代〜30代のスマホを見る時間は平均5時間以上と言われますし、仕事でパソコンを使ってる方なら、おそろしく長い時間画面を見続けることになるんですね。
こんな感じにデスクワークやスマホなど、長時間同じ画面を見続けたりすると、目線を合わせるために後頭下筋群が頑張りすぎて固まります。
結果として、後頭部と首の上が固まって動きづらくなるので、頭を支えるのに余計な負担がかかりますし、首の動かせる範囲も減ります。
なので、首の斜め後ろ凝ったり、後頭部や目の奥が痛い感じがする…頭痛なんだか首の痛みなんだかわからない感じになりやすくなるんですね。
後頭下筋群は奥の方にあって、手で直接触れてアプローチすることができないので、この状態で首のコリをほぐしても、なんか残ってる感じがしちゃいます。
頭と肩甲骨を固定して目を動かすことでストレッチ
そこで、頭と肩甲骨を固定した状態で、目玉を動かすことで、首の上の方を細かく動かして手の届かない範囲で固まってるところをリリースしています。
後頭下筋群は小さい筋肉なので、首の上が動いてる感覚ってわかりづらいと思いますが、耳の後ろとうなじのあたりを押さえて目玉を動かすと微妙に動く感じがわかりやすいです。
首の上がスムーズに動くようになることで、頭を支えやすくなるので、首の筋肉が硬くなるのを減って首の引っ掛かりがへるので痛みも減るという仕組みです。
なので、この目を動かす調整をしてからいつものストレッチをすれば、引っかかりが減った分、ストレッチの効果も上がるんですね。今回は頭と肩甲骨を押さえて行っていますが、動かしづらい方に向いて頭を固定してから目を動かすのもおすすめです。
踊りでの活かされ方
ちなみにバレエでは、この仕組みを使って、回転するときにブレないようにしたり、足上げでの可動域を広くしています。
バレエでは目線に対して注意をされることが多いですが、体を整える視点からみてもとても理にかなってるんですね。
では、ここまでご覧いただきありがとうございました!
また次回お会いしましょう。