こんにちは。島田です。
今回は『アラベスクなどで足が後ろに上がらない原因と、足を軽くして上げやすくするための使い方』についてお話していきます。
「アラベスクで足を後ろに上げたいけど、どうしても重く感じてしまう…」
「腰やお尻が詰まったような感覚で、動きがぎこちないんだよね。」
「股関節が硬いから仕方ないのかなって思ってたけど、改善できる方法があるなら知りたい!」
バレエなどの踊りでは、足を後ろに上げる振り付けがよくあります。
でも、これを股関節だけで行おうとすると、お尻や腰に負担が集中し、足が思うように上がらないと感じることが多いです。
この問題を放置していると、股関節に頼った無理な動きが習慣化し、腰やお尻への負担が増加。ケガやパフォーマンスの低下を招く恐れもあります。
この記事では、アラベスクで足が上がらない原因と、軽やかに足を上げるための具体的なコツを解説しています。特に、骨盤の動きや体幹を活かす方法、さらにその感覚を養うための3つの練習法を紹介します。
この記事を読むことで、アラベスク時に足を軽く上げる感覚を習得できます。腰やお尻に負担をかけず、体幹を活用することで、より美しく足を上げられるようになり、パフォーマンスの向上が期待できます。
では早速本編にいきましょう。
目次
アラベスクで足が上がらない原因と上げやすくするポイント
先日お会いした方から「アラベスクで足が後ろに上がらない」というご相談をいただきました。
アラベスクというのは、片足で立って足を後ろに上げる動きですね。
これをやる時に
・足が重くて上げづらい
・お尻や腰がつまる
・膝も伸びない
って感じた経験ないでしょうか?
「これって股関節が硬いせいで足が上がらないのかな?」って思うかもしれませんが…、
もともと股関節の解剖学的な可動域では、後ろに上げる分は15〜20度くらいしかありません。
つまり、股関節だけで上げようとすることに無理があるんですね。
ポイントは骨盤を持ち上げた状態で足を上げること
じゃぁ、足の高さの違いは何で出るのか?
それは…骨盤の角度です。
例えば、足の上がってる時と、そうでない時の骨盤の角度を見てみると、位置が少し違いますよね。
例え、足が後ろに上げられる量が同じでも…骨盤の角度が変わると、その分足の位置も高くなるんです。
実際、足を後ろに90度まで上げるだけなら、上半身を前に伸ばしていけば、バランスを取るために足は自然と上がっていきます。
アラベスクと比べてみると…両者の違いは足の高さよりもむしろ上半身が寝てるか起こせてるかにあります。
つまり、ポイントは骨盤を持ち上げた状態で足を上げることなんです。
腕〜体幹の連動を活かすと骨盤の角度が変わって足が上げやすい
じゃぁ、どうやって骨盤を持ち上げて角度を変えているのか?
実際のレッスンでは、腕を使って腹筋や背筋など体幹の筋肉を引き上げることで骨盤の角度を変えてます。
骨盤が持ち上がることで、股関節もスムーズに動いて足を上げやすくしています。
腕の役割の違いを簡単にいうと…
肘は、腹筋を使って骨盤を持ち上げやすくしたり、床を押しやすくしますし、
肘から先(前腕)は、脇を持ち上げて背中を使いやすくすることで足を上げやすくしています。
同じ仕組みで体幹を持ち上げると…
これを聞いて「教室で『背中から腕』とか『脇を立てて』って教室で言われることあるけど、腕って飾りじゃないの?」って思ったかもしれません。
確かに、腕が体幹にどう影響してるのか、見た目でわかりづらいのでどんな効果があるのか分かりづらいですよね^^;
なので、同じ仕組みを利用して両足を持ち上げるとこんな感じになります。
肘は脇に引き寄せる感じで引いて、前腕(手首と肘の間)はその反対側に動かすようにすると、張力が働いて少ない力で骨が動かせます。
骨盤が持ち上がるので、足はまっすぐ伸ばしてるだけで90度までいきます。ここまでは足を上げてません。
そこから重心を前に移動していくと、体重が足から体幹に移っていくので足も高くなります。
いわゆる足を後ろに上げる使い方をしてるのはこの辺からですね。
アラベスクと見た目は全然違いますけど、実は似たような使い方で足を上げてるんですね。
腕で体を支えてる方のが重いんですけど、押すものがある分だけ反力を使いやすいので、体幹を使って足を上げる感じはわかりやすいです。
アラベスクの場合は、空気を手で押す感じでやらないといけないので、体幹を使って足を上げる感覚をつかむのはこっちのが難しいです。
足を上げる感覚をつかむ3つの練習法
ここまでの話を聞いて「腕の使い方が大事なのはなんとなくわかったんだけど、腕で体幹を使いやすくする感覚がわからない時はどうすればいいの?」って感じた方もいるかもしれません。
ポイントになるのは肘の使い方です。
肘を脇に向かって引き寄せるのに対して抵抗をかけることで、骨盤を持ち上げる感覚が分かりやすくなります。
じゃぁ、その感覚をつかむのは何をすればいいのか?
練習方法としては、肘を脇に近づけて骨盤を持ち上げるようにすると効果的です。
シンプルな方法を3つ紹介します。
骨盤を持ち上げる①ベッドが使える場合
まずは、ベッドやベンチなどを使える場合ですね。
①テーブルやベンチに上半身を引っ掛けるようにぶら下がります。膝は曲げてください。
②肘を脇に引き寄せていくと背中や脇腹に力が入るので…
③背中や脇腹に力が入ったら、お尻を持ち上げます。
この時、膝や足首は90度に曲げてた方がやりやすいです
これによって、足を後ろに上げるときの骨盤の動きを助けることができます。
骨盤を持ち上げる②床で行う場合
ぶら下がれるものがない場合は、うつ伏せになって肘を脇に近づけるだけでも背中が持ち上がりますので、この状態で膝を折り曲げる練習から始めのがお勧めです。
①床に腹ばいになる
②肘を脇に引き寄せていくと背中や脇腹に力が入るので…
③膝を曲げて踵をお尻に近づけます。
骨盤を持ち上げる③プランクを活かす
もし教室でプランクをすることがある場合は、それも活かせます。
肘を支えにした腕立ての形で、体をなるべくまっすぐに保ちます。
この時、
・肘は脇に引き寄せる
・肘から先は前に伸ばす
ようにすると、肩ではなく体幹に効きやすくなります。
慣れたらここから足を上げてみてください。
肘と前腕の引っ張り合いを活かして体幹に効いた状態で足を上げると、足だけで頑張るよりも足が上がりやすくなります。
まとめ
ではここまでの話をまとめます。
今回は『アラベスクなどで足が後ろに上がらない原因と、足を軽くして上げやすくするための使い方』ということで、次の2点についてお話しました。
①アラベスクで足が上がらない原因と上げやすくするポイント
②足を上げる感覚をつかむ3つの練習法
この2点ですね。
バレエなどの踊りでは、足を後ろに上げる振り付けがよくあります。
でも、これを股関節だけで行おうとすると、お尻や腰に負担が集中し、足が思うように上がらないと感じることが多いです。
これを解消するポイントは背中で骨盤を持ち上げることです。
骨盤が正しい位置に上がると、無理に足を上げようとしなくても、90度くらいまで上げられるようになります。
その感覚をつかむために、肘を脇に近づけて骨盤を持ち上げるやり方を3つ紹介しました。
方法は簡単なので、ぜひ少しずつ感覚を身につけていってレッスンに臨んでいただければ、効果的に足を上げられるようになると思います。ぜひお試しください。
ちなみに、バレエ体幹ハンドブックのP30〜33では、肩甲骨と骨盤を連動させて『足を後ろに上げるときに体が開かないようにするための整え方』も解説しています。本をお持ちの方はそちらもご参照ください。
でも、ここまでの話を聞いて、こう思った方もいるかもしれません。
「足を後ろに上げるためには、体幹を使って骨盤を上げるっていうのが大事っていうのはわかったんだけれども、実際のアラベスクの手の位置でどのように力を入れるにはどうしたらいいの。」
こういう疑問ですね。
そこで、メンバー限定版では、
・アラベスクの手の位置の時にどのような力を入れたらいいのか、腕を使って足を持ち上げやすくする使い方のインプットのやり方
・足が上がるようになってきてから起こる制限をなくすため、背中の硬さをとって足を上げやすく整える胸椎調整
についても解説します。
続きが気になる方は、
▶︎専心良治・ラボ
でご覧いただけますので、ぜひチェックして続きをご覧ください。
以上参考になれば嬉しいです。