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腰痛改善に使うツボ|体が思い通りに動くバレエ整体(かんき出版)の補足②

こんにちは。島田です。

今回は、拙著『体が思い通りに動くバレエ整体(かんき出版)』の補足で、「セルフでできる腰痛改善のツボ」について解説します。
もともとギックリ腰で使うツボなので、「腰が痛くてあまり動かせない」とか、「体が固くて腰の痛いところに手が届かない」という人でも使える方法です。

日本人の80%以上が一生に一度腰痛になる

さて、腰痛は、日本人の80%以上が、一生に一度は経験すると言われます(※1)。

でも、一言で『腰痛』といっても色々ありますよね。座って立つときに痛いとか、同じ姿勢をしていると痛い、動かすと痛いとか…、タイプは人それぞれだと思います。

そして、慢性になってくると、「範囲が広過ぎて、もはや痛いところがどこだかわからない」「腰が固くて、自分でほぐすのは難しいな」ということもありますよね?

腰痛のセルフケアで使える手首のツボ

そこで、今回は、そんなときに使いたいツボを紹介します。
それが…手首にある養老(ようろう)というツボです。

ツボの場所は、手首と前腕の骨の溝のキワにあります。

もう少し具体的にいうと…、前腕は、手首〜肘の部分のことです。この前腕には、橈骨と尺骨という二本の骨があります。その2本の骨と手首の間のところにあります。

押さえ方にコツがあるので、あとでお話しますが、
このツボ、鍼治療では、首の痛みや、ぎっくり腰など痛くて動けない系の腰痛(※2)に使います。

日本での鍼治療のイメージって、なんとなく『痛いところ』うって安静にしてる(置鍼・ちしん)イメージかなと思うんですが、この手首のツボを使うときは、鍼をした後に腰を動かした方が効果的なんですね。

腰痛のツボの押さえ方とコツ

では、ここから、セルフで腰痛を改善していくために、ツボの押さえ方や使い方のコツをお話してきます。

ツボの押さえ方なんですが、このツボは前腕骨間膜(ぜんわんこっかんまく)という奥の方にあるので、手で押してツボを刺激するのは難しいです。

なのでちょっと工夫して押します。
まず、手の甲が見える位置でツボを押さえます。

この時に爪を立ててしまうと、後で手首を回した時に爪が食い込んで痛いので…なるべく爪は立てずにツボを押さえてください。

ツボを押さえたら、手首をくるっと返します。
手首を返して、手のひらがが胸を向くようにします。

先ほどツボを押さえていた位置が、手首返すことによって奥に入って、ツボを刺激することができるんですね。

この時、押さえられる方の手の指は伸ばした方が、効果的です。

また、ツボを押さえただけだと、あとで動かしたときにズレちゃうので、親指でこの赤い部分(豆状骨)を固定してあげると、ツボを押した状態をキープしやすくなります。


そして、ツボを押しながら、動かして腰が痛くなるところを減らしていきます。

このときの運動はどんな動きでも構いません。ただ、『どんな動きでも構いません』って言っても、腰の状態によって動かせる範囲は決まってくると思うんですね。

たとえば、ギックリ腰や腰の痛みが強い場合は、仰向けでの運動がオススメです。

ツボを押さえた状態で、両膝を立てて右に倒したり左に倒したりする…、左右に寝返りを打ってみる、みたいなところから始めてだんだん運動強度を上げていきます。

体をねじる動きで大丈夫になったら、お尻を持ち上げてみる。それが ok になってきたら…両足を浮かせて動かしてみる、片足ずつ股関節を回してみる。

立った状態でやるなら、例えば、身体を横に曲げて深呼吸をしたり、上半身をぐるっと大きく回したり、股関節を回したりとか、色々組み合わせていただくといいかなと思います。

この時の注意点ですが…、どの動きも
①腰が痛くならない手前ぐらいまで動かす
②深呼吸する

を組み合わせていくと、徐々に動かせる範囲が増えて治りが早まるのでオススメです。

養老のツボが腰痛に効く理由

でも、「なんで、手首にあるツボが腰に効くの?」って思う方もいるかもしれません。
2つの見方で理由を解説します。

腰痛に効く理由①胸郭の安定

1つはバレエ的な視点ですね。このツボを押さえて体を動かすことで、あばらが開いたりお腹が出るのを防いでくれるから(胸郭の安定)です。

バレエでは、お腹が出るのを注意されることが多いんですが、それは見た目の問題だけでなく、腹筋が弱くなったり腰の筋肉が縮んで腰に負担をかけるからでもあります。

このツボを押さえると、肘、肩甲骨〜脇が安定して、体幹の上の方がブレにくくなるので、腰の負担も減るんです。

腰痛に効く理由②東洋医学的な体のつながり

もう1つは、東洋医学的な視点で見た体のつながりですね。

養老は、手の太陽経という、この赤い線でつながるルートのツボです。
でも、コレ単体だと、「首や肩甲骨には効きそうだけど、腰は?」って思いますよね?

実は、太陽経は足にもあって、この紫の線でつながるルートも同じ仲間なんです。

東洋医学では、あるルートに問題があると、同じ名前(この場合、太陽ですね)がつくルートにもその異常が出るというルールがあります(※3)。

逆にいうと、問題の場所から離れていても、同じ名前のつくルートからもアプローチができるんですね。

さらに、養老のツボには、自分が所属するルートの痛みをとったり、深い部分にアプローチするときに使うツボという役職(郄穴・急性もしくは深い病に使う)があります。

こんな感じに、バレエの動きや、東洋医学的な見方をコラボしてみると、自分で押さえやすい手のツボを使って腰にアプローチできるんですね。

なので、これらの仕組みを活かして、腰痛のセルフケアで使えるように活かした方法を、今回の新刊『体が思い通りに動くバレエ整体』で紹介しています。

詳しいコツは、本編と本編についてる動画で解説で紹介しています。

まとめ

さて、今回は、『セルフでできる腰痛改善のツボ』ということで、「腰が痛くてあまり動かせない」とか、「体が固くて腰の痛いところに手が届かない」という人でもセルフでやるためのツボについてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?

詳しいコツについては、本編についてる動画で解説してます。本編では、他にも、日常のセルフケアから応用編まで幅広く使えるやり方を紹介しています。

12/20から先行予約がスタート(1/21発売)しましたので、興味を持ってくれた方は、ぜひチェックしてください。

では、ここまで読んでいただきありがとうございました!

また次回お会いしましょう。

《参考情報》

※1:Fujii T, Matsudaira K. Eur Spine J 22, 2013
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3555622/

「生涯腰痛有病率は83%、4週間有病率は36%」

※2:賀普仁(著)名越礼子(訳)、「針灸三通法」、2009

※3:霊枢〜衛気行〜
「陽経は、目から起こって下行し、形蔵を主る。陰経は、足底から起こり上行して神蔵を主る。通常、陽気は足の三陽経を下行するが、陽気が高まると、同名の手の三陽経にも溢れ出る。一方、陰経は、足底から少陰経を上行して体内に入り込み、五臓をめぐって最後に目に至る」