こんにちは。島田です。
バレエ教室で「前ももを使わない!」ってアドバイス聞いたことありませんか?
そして、そこを意識しすぎて、ちょっとでも前ももに力が入ったら「あ、前ももに力が入ったからもうダメだ」と思ったことありませんか?^^;
実は、この前ももを使わないには、裏の意味があります。
これを知ることで、バレエで「前ももを使わない」の意味を理解しやすくなるはずです。
どこを意識すれば前ももをうまく使えるか、参考にしてみてください。
前ももの筋肉ってどこ?
いわゆる前ももの筋肉とは、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のことです。
大腿直筋(だいたいちょっきん)
内側広筋(ないそくこうきん)
外側広筋(がいそくこうきん)
中間広筋(ちゅうかんこうきん)
の4つの筋肉をまとめたもの。
膝を伸ばす筋肉なんですが、単純に膝を伸ばすだけでないのが問題なんですね。
骨盤から始まる大腿直筋が、股関節の屈曲(足を前に上げる動き)も同時に行うため、四頭筋が縮んだままだと途中で膝が曲がってしまいます。
足を前に上げようとして、膝が曲がってしまった経験あるかもしれません。
…かといって、まったく前ももを使わずに膝を伸ばしたり、足を上げたりするのは難しいです。
前ももを使わないの誤解と本当の意味
「前ももを使わないで」というアドバイスですが、これには意味があります。
よくある誤解
大腿四頭筋をまったく使わない
と思っている人が多いですが、大腿四頭筋を使わないわけじゃないんですね。
本当の意味
大腿四頭筋の使い方がよくない、固めてる
言い換えると、 ハムストリングスと大腿四頭筋のバランスがとれていない ということです。
ハムストリングスを使えていれば、前ももを固めすぎないで使えます。
大腿四頭筋だけで頑張ると、ハムストリングスが弱くなるので、お尻が落ちやすくなってしまい、軸足の膝が曲がりやすくなります。
前ももの使い方を改善するために意識したい3つのポイント
前ももを固めず、ハムストリングスと一緒に使いたいですよね。
そんなときは、次の3つのポイントを意識しながらバーレッスンに臨むと、フロアに出てからの前ももの過度な緊張を抑えることができます。
【1】骨盤を正しい位置で使う
【2】腰椎を伸ばす
【3】股関節からのターンアウト
それぞれについて簡単に説明すると…
【1】骨盤を正しい位置で使う
「骨盤の『正しい』位置って…、何が正しいのか迷う(~_~;」と思うかもしれません。
ここで、骨盤を正しくしようとすると、腰を反ったり、お尻を下げようとしたりしたくなります。でも、これはいわゆる反り腰・出っ尻・タックインという状態で、あまりよろしくありません。
もし、イメージや意識をしたいなら、立っているときに
①腰椎の前側を上に持ち上げる
②仙骨を縦にする(お尻の穴を下向きにする)
を目指してください。
こうすることで、
・腰椎がストレッチされる。
・重心線が股関節の中央から太もも真ん中、膝へ通る。
・腹筋、お尻の下、ハムストリングスの上に軽く力が入る。(必要な分だけ力がはいります)
ので、大腿四頭筋とハムストリングスを同時に使いやすくなります。
【2】腰椎を伸ばす
おへその高さを基準に、背中を上下に伸ばします。
こうすることで、腸腰筋が使いやすくなるので、前ももの筋肉の大腿直筋の頑張りすぎを防げます。
【1】の骨盤のプレースメント(正しい位置どり)ができていれば、ここは、ほぼクリアされているはずです。 骨盤はまだ難しいと思った時は【2】から進めてみてください。
【3】股関節からのターンアウト
足先を外に向けて、膝から上が前を向いた「足だけターンアウト」ではなく、膝のお皿も外側に向けた股関節からのターンアウトをすることで、前ももの筋肉の緊張を防ぐことができます。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか?
今回もっとも伝えたいと思っていたことは、「前もも使わないで」が「まったく前ももに力を入れないで」ということではないということです。
よくクライアントを診ていたとき、この誤解のせいで、「前ももに力が入っちゃったから全部ダメだ」となるのがもったいなかったので^^;
意識したいポイントとして
・骨盤を正しい位置に保つ
・腰椎を伸ばす
・股関節からターンアウトする
について、お話しましたが、大事なのは、ハムストリングスと大腿四頭筋のバランスです。
もし前ももを固めて使うクセがあるなら、「ハムストリングスと一緒に使う」と思ってもらうだけでも変わってきますよ^^