知るだけでレッスンの効果が上がる3つの秘訣

バレエのレッスン後に腰痛になる原因

こんにちは。島田です。

バレエ教室で一生懸命レッスンに集中しているときは平気なんだけど、「レッスン終わったあとに、腰から骨盤周り・お尻にかけて痛いな」って思ったことないでしょうか?

「体が硬いせいかな…」
「骨格的に何か問題があるのかな…」
って思う方もいるかもしれません。

実は、こういった腰痛の7割くらいはレッスンの始めの段階のある部分に注意をはらうことで、かなり減らすことができます。(オーバーユース:週6日以上で1日3時間以上レッスンしている人は除きます)

そこで、今回はバレエのレッスン後に起こる腰痛について、よくある原因2つとその対策についてお話します。

バレエなどの踊りをされている方はもちろん、座り仕事が多くて腰が痛いという方にも原因1の対策はヒントになるはずです。

腰痛の原因①足を動かすときに骨盤がズレてる


レッスン後に腰痛になる原因でよくあるのは、『足を伸ばすときに、足と一緒にお尻も動かしている』ことです。

このタイプの方が痛くなるのはこの辺り(腰からお尻にかけて)が多いです。
人によっては、太ももの外側まで重だるい痛さが出ることもあります。

どんなメカニズムで痛みが起こるのかみてみましょう。

バレエのレッスン後に、腰〜お尻にかけて痛みが広がる方には、足を後ろに伸ばすとき『自分ではまっすぐ伸ばしてるつもりでも腰のひねりを先に入れてから足を出す癖』がけっこうあります。

これは、体の構造上、体を斜めに開く(骨盤やあばらを開く)方が足を後ろに伸ばしやすいからです。

でも、タンデュ(足を前・横・後ろに伸ばす)の段階で骨盤がズレていたら、レッスンが進むごとにその影響は大きくなります。

・足を上げるジュテや(グラン)バットマン
・アラベスク
・パッセ
…などなど、レッスンで負荷が上がるほど、お尻をズラして足を上げることになります。

その度に、足を上げるときに太ももの動きに骨盤がつられるので、
・脇腹と骨盤をつなぐ横の腹筋(腹斜筋など)
・骨盤周りの筋肉
に過度な負担がかかり続けます。

その結果、レッスン後に腰からお尻にかけて痛みが出やすくなるんですね。

ちなみに、横に上げるときにこの問題があると、同じメカニズムで腰の痛みと一緒にソ径部の痛みも出やすいです。

対策は骨盤が動かないようにして足を伸ばすこと

 

「じゃぁ、この問題を減らすのにどう直していくの?」って思った方もいるかもしれません。

これはレッスンの始めの方ですでに起きてるクセなので、足を伸ばすときにお尻も一緒に動いてしまうのを防げば減っていきます。

対策は2つあります。

①軸足で床をしっかり押す
②脇腹を固定して足を動かす

この2つです。

どちらも骨盤が動いてしまうのを防いで、股関節を使って足を伸ばしやすくなるので、腰の負担を減らしてくれます。

順番にみていきましょう。

対策①軸足で床をしっかり押す


まず1つ目の対策は、軸足で床をしっかりと押すことです。

教室だと、先生から「もっと軸足で床を押して」とか「もっと床を刺して」っていわれることが多いので、「聞いたことあるよ」って人もいるかもしれません。

これは動かす足にも体重がかかっていると、その分だけ股関節が動かず足とお尻が一緒に動きやすいからです。

足を動かす前に軸足でしっかりと床を押さえると、床を押した力に体が押し返されて上半身が持ち上がります。

そうすると、軸足側にしっかり立つことができるので、動かす側の股関節は体重を支える仕事から解放されて骨盤が動きづらくなります。

股関節がソケット内で動くスペースが広がるので、股関節を使って足を出しやすくなるんですね。

これは、後ろだけじゃなく前や横も同じです。

試しに、足を後ろに伸ばすときに軸足で床をしっかり押してからやってみてください。
足が外側に広がらず、まっすぐ後ろに伸ばしやすくなるはずです。

代償運動が減った分だけ、腰からお尻にかけての負担が減っていきます。

この話を聞いて、「先生からも注意されるし、床を押すのが大事なのはわかるんだけど、うまくできないんだよね」って思った方いるかもしれません。

この対策は、バーを押して上体を起こしておくことで、体がまっすぐになって床が押しやすくなります

こう聞くと「教室で『バーに頼りすぎないで』って言われたから、バーって押しちゃいけないのかなって思った」という方もいるかもしれませんが、それは、バーに体重を預けすぎて足が床を押してないのを注意されている感じです。

ポイントは、肘〜手首の間。手首のあたりでバーを押すと、テコの要領で、肘が上に押し返されます。

このとき、肘や肩が押し返される力に負けずに動かなければ、バーから押し返される力を使って脇や背中が伸びて上体がまっすぐ伸ばしやすくなるんですね。

もし、バーを押す力の反作用で肘や肩が動いてしまうと、踊っているときに「肩が上がる」とか「肘が落ちてる」と注意されるのにつながります。

この使い方ができると、腕と体幹の連動が深まって体幹のコントロール力がUPします。

対策②脇腹を固定して足を動かす


2つ目の対策は、腰が痛い方の脇腹〜骨盤を手のひらでつかむように固定しながら足を後ろに伸ばすことです。

押さえるのは、骨盤の上の方です。ここを手のひらで包むように固定して足を伸ばします。

こうすると、足を後ろに伸ばすときにお尻が振れないので、股関節(の伸展)を使って足を伸ばすしかありません。

体幹の代償運動(あばらを開いたり、骨盤が開くなど)が減ってくるほど、股関節の伸展によって足が伸ばせるようになるので、腰の負担も減ります。

最初は、お尻を振れない分だけ足が伸ばせないので「全然足が伸びないな」ってフラストレーション溜まるはずです^^;

でも、お尻を振りながら足を動かすのと、骨盤の位置をキープしながら足を動かすのでは、動かしているところが違うので、この体の使い方を脳に記憶させていくと腰を痛めるクセを減らしていくことができます。

繰り返していくうちにフォームが矯正されて、レッスン後の腰痛が少しずつ減ってくるはずです。

ちなみに裏ワザは、軸足側の腕の肘〜手首にかけて、1秒間に2〜3回くらいのペースでこすりながら足を伸ばすことです。
こうすると、腕が体幹を支えてくれるので、骨盤のズレを抑えて足が伸ばしやすくなります。

いずれもレッスン中はできませんので、レッスン前や自主練するときに試してみてください。

デスクワークの腰痛に活かすなら


ちなみに、これらの対策はバレエだけでなく、デスクワークなどで腰痛になるタイプにも使えます。

・両手でテーブルを押さえながら、足を後ろに伸ばす
・片手でテーブルを押さえて、もう片方の手で脇腹を押さえて足を後ろに伸ばす

みたいな感じで、「腰が疲れたな〜」と思ったら太ももを後ろに伸ばす運動を5回〜10回はさむと骨盤の後傾が抑えられて負担が減るのでおすすめです。

デスクワークの腰痛については、過去動画でも使えるストレッチを3つ紹介していますので、詳しくはこちらもご覧ください。

腰痛の原因②背中が伸びず腰に負担が集中してる

もう1つの原因は、
・カンブレなど体を後ろに外らすとき
・アラベスクなどで上体を起こすとき
背中が伸びず、腰だけに負担が集中していることです。
(実は、同時に原因①と重なるケース多いです。お腹が前に出ていたり、骨盤がズレている…etc)

このとき、
・顎が上がっている(顔が上や下を向いてる)
・首が短くなっている(首肩の筋肉が緊張してる)
せいで背中が使えないと、体を反らすのに背中が参加しません。

対策は腕(脇)を伸ばす力と呼吸を利用して胸椎を動かすこと

じゃぁどうすればいいのか?

結論からいうと、『引き上げ』です。
引き上げで、背骨が動かせるスペースを空けることで、胸椎を使って反りやすくなります。(参考記事:背中が硬い意外な原因と2つの対策

とはいえ、「それができてらやってます(~_~;)」って思いますよね?

なので、背中を伸ばして反らすときに意識したいポイントを2つお話します。

①腕を張る(遠くに伸ばす+肘を脇に向かって引き寄せる)
②顔は上げずに胸を天井に向ける

『腕を張る』ってイメージが難しいかもしれませんが、腕の形を変えずに遠くに伸ばす感じだと思ってください。
こうすることで、脇(肩甲骨ー腕ー体幹をつなぐ部分)が伸びて、背中が使いやすくなります。

アン・オーなどで、「肘を張って」とか「もっと手を長く(伸ばして)」って言われるのはこれが理由です。

また、体を反らすときは、顔を上に向けようとせず胸を天井に向けようとすると胸椎が使いやすくなります。

実際、バレエの後ろカンブレ(体を後ろに反らす動き)のときも、腕と顔・胸の位置関係だけ抜き出すと、胸に対して平行になっています。この時点で上に向くと顔は後ろ向いてしまい、首がロックされて苦しいです^^;

胸椎を使うと、腰を立てたまま体を反らせる(後屈できる)ことができます。

まとめ

今回はバレエのレッスン後に起こる腰痛について、よくある原因2つとその対策についてお話してきました。

レッスン腰痛の原因①足を動かすときに骨盤がズレてる

構造上、お尻をズラした方が足が伸ばしやすいので、『自分ではまっすぐ伸ばしてるつもりでも腰のひねりを先に入れてから足を出す癖』がある方は腰の痛みを抱えやすいです。

対策は、
①軸足で床をしっかり押す
②脇腹を固定して足を動かす

この2つです。

どちらも骨盤が動いてしまうのを防いで、股関節を使って足を伸ばしやすくなるので、腰の負担を減らしてくれます。

 

レッスン腰痛の原因②背中が伸びず腰に負担が集中してる

背中が伸びず、腰だけに負担が集中していると当然ながら腰を痛めます。

対策は、腕(脇)を伸ばす力と呼吸を利用して胸椎を動かすこと。
腕を張りつつ(遠くに伸ばす+肘を脇に向かって引き寄せる)、顔は上げずに胸を天井に向けるようにすることで、背中が使いやすくなります。

ぜひ試してみてください。

また
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では、「意識してるけど、うまく背中が動かない」という方向けに刺激を入れ続けることで胸椎を使って背中で反りやすくする時短ワークについても解説しています。

 

以上、参考になれば嬉しいです。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

ぜひ明日からのレッスンに行かせてもらえたら嬉しいです。

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