知るだけでレッスンの効果が上がる3つの秘訣

バレエのジャンプで高さを上げるには?|大人から始めた人向け

こんにちは。島田です。

バレエをされている方なら、パドゥシャやグランジュッテなど、軽やかに跳ぶジャンプをいつかできるようになりたいと思うかもしれません。

でも、ジャンプは力、技術、そしてタイミングが合わさった複雑な動きです。足りない要素がある分だけ、やりたいことと違ってしまいます。

そこで今回は、『大人からバレエを始めた方向けにバレエのジャンプをやりやすくする方法』についてお話します。

バレエのジャンプでよくある悩み

バレエ教室でジャンプをしたときに、「(ジャンプの)高さが出ないな〜」と思った経験あるかもしれません。セットで出てる来るのが「ドスンと着地する」って問題ですね。

そのほかにも、

・引き上げができない
・ターンアウトを保てない
・足先まで注意が向ける余裕がない
・ポールドブラが正しく保てない、姿勢が保てない
・空中で脚が開かない
・跳ぶ時に骨盤がひけてしまう

といった悩みをよくききます。

これらの問題の根っこにあるのは、『プリエで引き上げと床を押す作業がうまくいってないから』です。

といわれても、「引き上げとか、プリエでひざを横に張ってって聞いたことあるけど、それがジャンプとどう関係するのかイメージできない…」という方もいると思います。

そこで、まずは『プリエでよく注意される部分が、ジャンプとどう関係するのか』お話します。

ジャンプの流れ(プロセス)

バレエでジャンプするときのプロセスを簡単にまとめると、こんな感じになります。

①プリエでエネルギーを溜めて
②腰、太もも、ふくらはぎを使ってフロアを押す
③空中に持ち上げる順番は、腰→上半身→足
④着地するときは
・場所を把握して体の重さをコントロール
・つま先からフロアに触れる
・ひざをつま先の真上で曲げる(衝撃を吸収する)

ジャンプの始まりと終わりはプリエです。
このプリエが『効いてるか』『効いてないか』でジャンプのやりやすさに影響がでてきます。

では、普段のレッスンで注意されるところは、ジャンプにどう影響しているのでしょうか?

ジャンプしやすくするためにプリエで押さえておきたい2つのポイント

バレエ教室で先生から「ひざをもっと横に張って」とか「出っ尻にならない」って言葉を聞いたことがあると思います。実はアレ、ジャンプの高さやフワッと着地の基礎になるんですね。

「大事なのはわかってるし、普段のレッスンで毎回最初にやってるよ」と思うかもしれません。
でも、実はジャンプ苦手な方は「プリエ=足を横に向けてしゃがむ」になってしまっているケースが多いです。せっかく頑張ってるのに、うまく効いてないってもったいないですよね^^;

そこで、ジャンプしやすくするためにプリエで押さえておきたいポイントが2つあります。

①ひざが横に張れているか
②上半身がまっすぐのまましゃがめているか

順番にみていきましょう。

①プリエで膝が横に張れている=ターンアウト、床を押せてる

プリエするときやパッセするときに「ひざを横に張って(内もも張って)」って聞いたことありませんか?
でも、ひざを横に向けるだけだと、意識してもすぐに前に向いてしまいますよね?

これは、太ももの外旋(ターンアウト)が足りてないことで起きます。

膝が横に向くということは、足首と股関節が外旋していることを示しています。
つまり、膝を横に向ければいんじゃなくて、ターンアウト(太ももが外旋)していくと膝も横に向いていくって仕組みです。

膝が横に張れていることで、
・足全体が床を均等に押します
・上半身は上方向に押し返されます(背中が引き上げられる感じ)

なので、ジャンプ時に強い推進力を得られるんですね。
このおかげで、着地する時にも安定性が増し、優雅で軽やかな着地が可能になります。

逆にいうと、膝が横に張れていない場合、足全体の力を上手く床に伝えることができず、ジャンプの推進力や着地の安定性に欠けることになります。これはジャンプの高さや滞空時間にとってマイナスになるんですね。

②上半身がまっすぐのまましゃがめる=ジャンプの高さに活きる

上半身がまっすぐのままプリエをすることで、背骨のアライメントが保たれ、バランスとコントロールが維持されます。

上半身がまっすぐのままプリエをすると、ジャンプやターンなどの動きがスムーズになり、また、より高く跳ぶための力を発揮できます。また、上半身の安定性が保たれることで、全体的なバランスもUPするんですね。

逆にいうと、「プリエで出っ尻になる」ってことは、上半身が前に傾いて(頭が前に移動、背中が丸まる、巻き肩など)、バランスを失う原因になるんですね。

重心が不安定になり、ジャンプの高さや滞空時間が短くなったり、着地時にドスンとなりやすいです。

①ひざが横に張れているか
②上半身がまっすぐのまましゃがめているか

この2つを押さえておくことで、重心が引き上がるので
・ジャンプを高くする
・着地の音を静かにする
のに役立ちます。

ジャンプが高く見える仕組み〜タイミングと足の開きが大事〜

でもこう聞くと、「重心を引き上げるだけで、舞台でみるような高さまで跳べるものなの?」と思った方もいるかもしれません。

そこで、ジャンプが高く見える仕組みについて簡単に図にまとめました。


これはグランジュッテというジャンプです。

・実際に跳んでる分は赤い矢印
・舞台から見た時に跳んで見える分は青い矢印

つまり高く見えるかどうかは、ジャンプそのものの高さ以上に『最高点のタイミングで足が前後に開ける量』で決まるんですね。

ジャンプの高さがあるなら

深いプリエで重心の移動が十分にできて、垂直に跳べるのであれば、
・前後開脚
・前後のバットマン
・ロン・デ・ジャンブ(足で床に半円を描く)、ロン・デ・アンレール(足で空中に半円を描く)
などで『股関節の自由度や足を前後に開く力』を上げていくことで高く見えるようになります。

ジャンプの高さが足りないなら

そもそも高さがないなら、無理に高さを求めるよりも深いプリエで、
・重心を縦に移動する練習
・上下動でぶれない上体
・上体の上げ下げに耐えられる下半身
・アキレス腱の許容範囲
といったフィジカル面を鍛えるのがお勧めです。(自分の体が許容できる範囲を越えれば着地でブチっとしますからね^^;)

プリエって基本で地味だしテンション上がらない人もいるかもしれませんが、すべてのパの上達に通じています。
『全部のベースを上げる練習』と思えば、多少取り組みやすいかもしれません^^

ジャンプを高くしたり足を開くコツ

ここまでの話を聞いて「プリエと引き上げが大事なのはわかったけど、一生懸命引き上げしようとしてもジャンプが高くできない…。高く跳ぶコツ、脚を開くコツはないの?」って思った方いるかもしれません。

これは、引き上げで持ち上げる場所の意識を変えて行うとやりやすくなります。

引き上げで持ち上げたい場所は

実は、上に上げたい気持ちが強すぎて、引き上げがうまくジャンプに活きてないケースがあります。

自分では一生懸命引き上げてるつもりなのに、先生から
「(ジャンプで)顔を動かさない or 上や下に向かない!」
「肩が上がってる」
って注意された経験ないでしょうか?

これは、地面の力を体幹に伝わらずに跳ぶ力が抜けてるサインです。

「引き上げ」という言葉のイメージが強すぎて
・背伸びしようとして頭が後ろにいったり
・上に持ち上げようと肩が上がったり
して起こります。

じゃぁ、どこを持ち上げれば高く跳びやすい(滞空時間を伸ばしやすい)のか?

それは、おへそ(腰)の高さです。

冒頭でお話した通り、ジャンプで持ち上げる順番は
①ヘソの高さ
→②上半身(頭からヘソ上)
→③足
になります。

これは、おへその下(身長の下から55%の高さ)は、全身の重心が合わさった部分なので、ここが上がると体全体が持ち上げやすいからです。

「ジャンプで足が開かないな〜」と思うときは、この順番がズレてて、足を開きながら跳んでるケースが多いんですね。そのせいで、高さが出づらいので、結果的に足も開けなくなります。

跳びながら開くよりは、跳んで『から』開くようにするとやりやすくなります。

でも、これを聞いてこう思った方もいるかもしれません。

「いや、そもそも高さが足りないんだし、跳んでから開くのとか無理じゃない?」

こういう疑問ですね。

滞空時間を上げる感覚をつかむ方法

じゃぁ、どうやって練習すればいいのか?

感覚をつかむための方法としてお勧めなのは、その場で跳び箱みたいな動きをすることです。

・ジャンプで腰を持ち上げる
・腕を使って体幹を持ち上げる
・ジャンプしてから足を開く

練習を同時にできます。

こういう話を聞くと
「跳び箱だと顔が前につっこまない?」
「そもそも跳び箱みたいなのないよ」
って思う方もいるかもしれません。

顔が前に突っ込む件は、実際に跳ぶ時に上半身をまっすぐ保っていれば起きませんのでご安心ください。

跳び箱があるかどうかでいうと、丈夫なもので自分の体を支えながら跳ぶ練習は、ジャンプの高さを上げる効率のいい方法です。

ちなみに、背もたれのあるイスでもできます。(※ただ、体重のかけ方がまっすぐじゃないとイスが倒れて危ないので注意しながらやってください)

「(高く跳ぶ練習行き詰まってて)マジでジャンプ高くしたい」ならお勧めです。

丈夫な台みたいなのは無いというなら、縄跳びの二重跳び〜三重跳びがいい練習になります。こちらの方がやるのは難しいですけどね^^;疲れるし

地道にプリエやフォンデュからのルルベなどで鍛えるのが王道ですが、時短で感覚をつかみたい方はこういったコツも試してみてください。

まとめ


今回は、『大人からバレエを始めた方向けにバレエのジャンプをやりやすくする方法』についてお話してきました。

ジャンプの始まりと終わりはプリエです。
このプリエが『効いてるか』『効いてないか』でジャンプのやりやすさに影響がでてきます。

プリエしたときに
①ひざが横に張れているか
②上半身がまっすぐのまましゃがめているか

この2つを押さえておくことで、重心が引き上がるので
・ジャンプを高くする
・着地の音を静かにする
のに役立ちます。

ジャンプで足を開くコツは
・持ち上がる順番は、①ヘソの高さ→②上半身(頭からヘソ上)→③足
・滞空時間は、腕を使って稼ぐ
ことです。

・ジャンプで腰を持ち上げる
・腕を使って体幹を持ち上げる
・ジャンプしてから足を開く

これらの感覚をつかむ練習に使えるのが、その場での跳び箱練習です。

今回のお話は、バレエ体幹ハンドブックのP124〜127の内容を普段のレッスンで注意されることと併せてアレンジしたものです。

本では、他にもたくさんのチューニング法を載せているので、きっとあなたにピッタリの整え方が見つかるはずです。

さらに、先行予約特典(3/24まで)で本をご予約いただいた方に動画講座『アラベスクで足を上げる感覚を育てる整え方』をプレゼントしてます。

足を後ろに上げるのが苦手とか
体幹が弱くてバランスがとりにくいという方にはヒントになるはずです。

概要欄に特典を手に入れるご案内も載せておきますので、ぜひあなたのパフォーマンスアップに活かしてください。

以上、参考になれば嬉しいです。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

ぜひ明日からのレッスンに行かせてもらえたら嬉しいです。

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