こんにちは。島田です。
今回は平背(へいはい・フラットバック)の原因とセルフで整えるための方法についてお話します。
大きく3つのカテゴリー
①平背(フラットバック)って一体どういう状態なの?6つの特徴
②平背(フラットバック)の原因2つ
③平背(フラットバック)のセルフケア・ストレッチ
についてお話していきます。
目次
平背(へいはい・フラットバック)とは?
平背(へいはい・フラットバック)というのは、姿勢の歪みの一つで、背骨のS字カーブ(生理的弯曲)が失われて背骨の柔軟性がなくなった状態のことです。
生理的弯曲というのは、背骨のS字カーブのことです。
首は前、背中は後ろ、腰は前にゆるくカーブすることで、頭や背中、腰にかかる負担を減らしています。
たとえば、このカーブのうち、
腰が前にカーブするのが強くなれば反り腰に、
背中が後ろにカーブするのが強くなれば猫背になります。
そして今回お話している平背(フラットバック)はこのS字カーブ自体がそもそも失われて1本の棒みたいになってるんですね。
平背(へいはい・フラットバック)の特徴6つ
平背(フラットバック)特徴が6つあります
①骨盤の後傾
②背骨の動きが悪い(脊柱の可動性⬇︎)
③腰椎の前弯⬇︎
④胸椎の丸まり⬇︎
⑤頭が前に移動
⑥呼吸が浅い(胸郭の弾力性⬇︎)
この背骨の動きが悪いことによって何が問題かっていうと、体に伝わる衝撃を逃がしにくくなるんですね。椎間関節や椎間板を痛めたり、腰痛を引き起こします。
また、顔が前に移動してるので、首の筋肉に負担がかかって頭痛・首こり・肩こりなどをおこしやすくなります。
背骨への衝撃を減らせないので「猫背よりも危険じゃない?」と言われることもあるそうです。
平背(へいはい・フラットバック)の原因
じゃあ平背(フラットバック)の原因ってどういったものがあるのか?大きい括りで言うと2つあります。
①骨盤後傾による姿勢バランスの崩れ
②姿勢を保つときに大きく動く筋肉>背骨の動きをガイドする筋肉(グローバル筋がローカル筋に対して優位)
順番にお話します。
原因①骨盤後傾による姿勢バランスの崩れ
骨盤後傾によって、
後ろに引っ張られる部分(腰やひざ)
前に引っ張られる部分(頭、首のつけね、股関節)
がでてくるので、これで姿勢バランスを取ろうとしてゆがみが起こっていることが多いんですね。
また、もも裏の筋肉(ハムストリングス)も縮みやすいです。
姿勢バランスの崩れに対して修正しようと頑張る分だけ、姿勢を保つ筋肉に余計な緊張が起きます。
原因②姿勢を保つときに大きく動く筋肉>背骨の動きをガイドする筋肉(グローバル筋がローカル筋に対して優位)
姿勢を保つときに、本来働いてほしい背骨の動きをガイドする小さい筋肉(多裂筋)や深層の筋肉(腹横筋)などよりも、表にある大きい筋肉で脊柱起立筋とか腹直筋などが勝っちゃうんですね。
すると、細かい背骨の動きができずに背骨の動きがだんだん粗くなってきます。
背骨の動かせる範囲が小さくなってしまって、徐々に固まってくるというわけです。
平背(フラットバック)のセルフケア・ストレッチ
では、平背(フラットバック)をセルフで解消するためにどんなセルフケアをやったらいいのか?
原因から考えると、
・骨盤の後傾を防ぐ
・背骨を動かせる範囲を増やす(背骨の柔軟性を上げる)
のがポイントになります。
おすすめは次の3つです。
まず最初に深い呼吸をします。腹式呼吸みたいな感じですね。
これをやることによって、背骨をガイドする小さい筋肉を使うスイッチを入れていきます。
次にやりたいのが、骨盤の後傾を防ぐことです。
骨盤の後傾を防ぐために骨盤を前に倒すような体操をします。
最後に、背中を反ったところからゆっくり息を吐きながらうつ伏せする運動をします。
これは姿勢キープで背骨をガイドする筋肉を起こすためのものです。
では、順番に解説をしていきます。
対策①腹式呼吸でコアマッスルのスイッチON
まず1つ目の対策は、深い呼吸でコアマッスルを使うスイッチを入れていくということですね。
深い呼吸っていわれてもやりづらいと思いますので、
『息を吐く:息を吸うの割合を2:1』でやるのがおすすめです。
具体的にどうやるのか?
①おへそのあたりに手を当てて、口から息を強くフーッと6秒から8秒吐きます
②息を吐き終わったらお腹を押さえたまま鼻から息を3秒から4秒かけて吸います
③①と②を交互に10回繰り返します。
これは、呼吸を通じてお腹の腹横筋を使うのが狙いです。この腹横筋が使われると、
背骨を動かす多裂筋にも命令が入りやすくなります。
つまり、呼吸を通じて姿勢をキープするインナーマッスルにスイッチを入れる感じになるんですね。
対策②骨盤を前に回転する+もも裏ストレッチ
次に、骨盤の後傾を直すために骨盤を前に倒す体操をします。
これは椅子を使ってやると良いです。
足は腰幅に開いて椅子に浅く腰かけます。
この状態から、背筋をまっすぐ保ったまま体を前に曲げていくんですね。
ただ、この時に顔から前に曲げて近づけるというよりは、骨盤を動かしたいです。
イメージとしては、
・足首を支点にして
・股関節を軸に
・そして骨盤を前に転がす
ような感じでやっていただくと骨盤の後傾を修正する方向で使えます。
もし、この「頭に手当てた状態だとこのイメージなかなか掴みづらいな」って思ったら『足首を持って』やっていただいてもOKです。
最初は「骨盤動かす感じってよくわかんない」って思ったり、実際あんまり動かないかもしれないんですが、イメージしながらやっていくうちに、だんだんと上半身が太ももに近づいてくるんですね。
上半身が太ももとつくところまでいったらかなり動かせています。
もし余裕がある方は、この姿勢からもも裏のストレッチも同時にやっていただくとより効果的です。
平背(フラットバック)の場合は骨盤の後傾が強いのでもも裏の筋肉(ハムストリングス)も張っていることが多いです。
なので、ここを緩めてあげることで平背(フラットバック)を起こす骨盤後傾を予防することにもつながります。
「じゃあ、どういうふうにやったらいいのか?」って思いますよね?
大きく3つのステップでやります。
①先ほどの動き(足首を支点にして、股関節を軸に骨盤を前に転がす)でだんだんと上半身が太ももまで近づいてきます。
②上半身が太ももについたら、お尻を上に突き出すような感じにします。
③膝裏ともも裏が伸びるので、この状態で5秒から10秒キープ
これを1セットにして何回か繰り返すといいです。
対策③多裂筋を使って背骨の柔軟性UP
そして3つ目は姿勢をキープする背中の筋肉(多裂筋)を使っていきます。ここは背骨の可動性を増やすときに重要な筋肉です。
いきなり背中反るとつらいと思いますが、
対策1で腹式呼吸でコアマッスルのスイッチが入っていますし、
対策2で骨盤を前に転がしやすい状態を作っています。
なので、これらが終わった後ならいきなり背中を反るよりはラクだと思います。
①準備
・手は肩幅に開いて床を押す
・足は腰幅に開く
・腰を反った状態
からスタートします。
②ここから息を吐きながらうつ伏せにしていきます
ふつう背中の筋トレする時って背中を持ち上げるようにすると思いますが、今回の目的は少しずつ背骨の可動域増やしていくことです。
なので、背中を反った状態から息を吐きながらうつ伏せまでいくようにうごかしていきます。
この時の息の吐き方は対策1の時と同じです(息を強く吐いて6秒から8秒)。
③うつ伏せまでいったら鼻から3秒から4秒息を吸います。
これを1セットにして2〜3回繰り返します。
対策④腸腰筋+多裂筋を使って姿勢バランスUP
ここまでの対策1から対策3までやってみて「ちょっと余裕があるな」とか「もう少し積極的に整えていきたいな」って方には、『腸腰筋を使ったトレーニング』もおすすめです。
①四つん這いになります。
②互い違いに肘と膝をつけます。
例えば右肘と左膝をつける感じです。
③そこから手と足を平行に伸ばします。
手は前に足は後ろに伸ばすような感じですね。
④ここでまっすぐのバランスを保ちながら10秒
これを1セットにして2〜3回繰り返します。
反対側も同じように行います。
これで、腸腰筋と多裂筋、どちらも鍛えることができるので、
平背(フラットバック)に対して予防の対策にもなりますし、より積極的に整えていくことができます。
まとめ
「3つの対策で背骨の柔軟性を取り戻そう」ということで、今回は姿勢の問題の一つである平背(フラットバック)について大まかな原因と対策のセルフケアをお話ししてきました。
原因は大きい括りで言うとこの2つ。
①骨盤後傾による姿勢バランスの崩れ
②姿勢を保つときに大きく動く筋肉>背骨の動きをガイドする筋肉(グローバル筋がローカル筋に対して優位)
バランスが崩れてる上に、背骨の動きが粗くなってるせいで、徐々に動きが硬くなってっているのが問題です。
なので、対策としてはこういった問題に対処するために、
①深い呼吸(お腹を押さえて吐く:吸う=2:1)で背骨をガイドする小さい筋肉を使うスイッチを入れていきます。
②骨盤の後傾を防ぐために骨盤を前に倒すような体操をします。
③背中を反ったところからゆっくり息を吐きながらうつ伏せする運動をします。
これは姿勢キープで背骨をガイドする筋肉を起こすためのものです。
それぞれそんな難しい運動ではないと思いますので、順番にやっていただいて徐々に背骨の柔軟性を取り戻していただけたらなとおもいます。
後半はちょっとマニアックな話をしています。
もともと今回の話は、ラボの会員さんから
・猫背と平背どちらもデスクワークでなるのにどうして結果が違ってくるの?
・背骨の弯曲の位置の違いでどう対処していますか?
というご質問をいただいたところから始まったんですね。
なので、後半では
これらのご質問にお答えしつつ、セルフ整体のプログラムを紹介しています。
・専心良治・ラボ
・YouTubeメンバーシップ【プレミアム版】
でご覧いただけますので、
お好きな方をチェックして続きをご覧ください。
以上、参考になれば嬉しいです。