知るだけでレッスンの効果が上がる3つの秘訣

【肩が硬い】意外な原因と腕を前から上げやすくする方法

こんにちは。島田です。

今回は『肩が硬くなってしまう意外な原因と、腕を前から上げようとするときに途中で引っかかってしまう時の対策』についてお話します。

先日、お会いした方からこんなご相談をいただきました。

手を前から上に上げようとすると、途中で肩が引っかかって、それ以上、上に挙げられないんですよね。これって、もしかして五十肩ですか?」ってに聞かれました。

実際、見せていただくと…

手を前からバンザイのように上げようとすると
顔を越えた辺りで腕の動きが止まって
肩がそれ以上動かない感じになっていたんですね。

特に痛みは無いそうなんですけど、

ガチっと固まってしまって、それ以上動かせない感じで(上げようとすると)肩甲骨と顔が近づく感じになるので、首が縮まっていました。

で、「これは五十肩なのか?」っていうと、今回のケースでは、そうは見えませんでした。

というのも、一応、横からは挙げられたんですね。

いわゆる五十肩の場合は、関節の滑液包に炎症があるので、全方向に運動制限がでます。

前からだけじゃなくて、横でも、後ろでも、どの方向も肩の動きが制限されたり、痛みが出たりするケースが多いです。

今回は、そういった状態は見られませんでした。

じゃあ、なんで手が上に挙げられないのか?」っていうことなんですが…

腕を前から上げようとすると肩が引っかかる原因

これは『上半身が不安定で、肩が途中で引っかかってる』のが影響してたんですね。

どういうことか?

手を前から上に向かって挙げるときに、その勢いで骨盤が後傾してしまってたんですね。

そのせいで、
手を前から上に向かってあげようとすると
太ももが前に移動してしまって
膝が曲がっていました。

ご本人気づかないレベルなんですけれども、『膝裏が伸びない』ような状態になってたんですね。

それで、股関節が上半身を支えきれず骨盤が不安定な状態でした。

骨盤が不安定だと、手を上に上げようとした時に
・脇が縮んでしまったり
・背中が伸びなくなってしまう
んですね。

猫背のように丸くなるような感じです。

どんな感じか、似たところでいうと

右のイラストのように、背中を丸めて座った状態で手を前からバンザイする感じです。

コレ、やっていただくとわかるんですが途中で肩の動き止まるはずです。

腕を顔や耳の後ろを越えて上げようとしたら、『背中の伸び』が必要になるんですね。

なので、すぐできる対策としては、例えば膝が伸びたまま足を後ろに引くだけでも、これらの連鎖が防げるので腕は前から上げやすくなります。

この方(今回ご相談いただいた方)の場合も、
・スネの位置を固定したり
・股関節がブレないように固定する
ことによって腕も上げやすくなりました。

肩の引っ掛かりをとる2つの対策

でも、ここまでの話を聞いて
「とはいえ、手を上げる度に毎回足を後ろに引くわけにはいかないよね…」
って感じた方いると思います。

確かにその通りなんです。

なので、今回は
『肩が引っかからないようにする対策』
を2つ紹介します。

1つは、背中と脇を伸ばす方法です。
もう1つは、骨盤がグラグラ揺れない(不安定な状態にならない)ようにするために膝裏を伸ばす方法です。

①背中と脇を伸ばす

まず1つ目の対策は、背中と脇を伸ばす方法です。

場所的にも肩に近いので、「このあたりを伸ばすと肩の動き良くなるよ」って言われたら「まあそうかな」って思うかもしれません。

【背中と脇の効果の違いについて】

脇をストレッチすると90度より上に挙げやすくなります。

これは、肩甲骨が動かしやすくなるので途中で肩が引っかからなくなるんですね。

そして、背中を伸ばす(伸展できるようにする)と顔よりも上に腕を挙げやすくなります。

これからご紹介する方法は、そのどちらも同時に調整するやり方です。

やり方

では具体的なやり方をお話ししていきます。

①まず(このイラストのように)四つん這いになります。
目線は前で、膝は股関節の真下にあるのがポイントです。

②この状態から、上半身を前に伸ばしていきます。
このイラスト見ていると、胸を下に押し付けているような感じに見えますが、顔や胸を無理に床に着けなくても大丈夫です。

上半身が前に伸びてくると、胸は自然と床に近づいてきます。

この時のポイントは『お尻(骨盤)の位置は動かさない』ということです。
そうすることで、よく背中が伸びるようになります。

もう1つのポイントは、『肘が伸びきらない』っていうことです。
肘が伸びきってしまうと、肩の運動になってしまって肩が引っかかっちゃうんですね。

なので、肘が伸びきらない範囲で、上半身を前に伸ばしていきます。

③そこから、肘の形を変えないように、前腕(手首から肘の部分)を前後にスライドしていきます。

肘の形は伸びきらないまま、前後に床をゴシゴシこするような感じで動かしていくんですね。

そうすると、この動きによって(筋膜リリースみたいな感じで)背中と脇が伸びていきます。

もし、この『肘が伸びきらないまま』っていうのが、「ちょっと(感覚が)よくわからないな」っていう方は肘が伸び切らないようにもう片方の手で押さえて、前後にゴシゴシする感じにしてもうとわかりやすいです。

肘の形が変わらずに、前腕を前後に動かせることで脇が伸びる感じが分かりやすいと思います。

ちなみに、この方法は肩の動きを良くするときだけじゃなくて
・反り腰の改善
・前もも(太ももの前側)のストレッチをしやすくする方法
としても使えます。(詳しくは、【太もも前が硬い】意外な原因と前ももストレッチしやすくするコツ

②ひざ裏を伸ばす(寝ながらできるストレッチ)


続いて、対策の2つ目は膝裏を伸ばすということです。

今回の『腕を上に挙げるときに肩が引っかかってしまう』問題の大元をたどっていくと、『上半身が不安定である』ということが挙げられます。

上半身が不安定になってしまうのは、
手を上に向かって動かそうとした時に
骨盤も後傾してしまって
太ももがズレちゃう
からです。

なので、膝裏を伸ばしやすくして太ももがズレちゃうの防ぐと、股関節がハマって上半身を支えてくれます。

上半身がブレなくなる分だけ、肩の動きが邪魔されずに、腕が上に挙げやすくなります。

これから、膝裏を伸ばすストレッチのやり方についてお話をしていきます。

やり方


では、具体的なやり方を解説していきます。

この方法は仰向けで行います。

①仰向けに寝た状態で片方の足を持ち上げて、両腕で太ももの裏を押さえるようにします。

もう片方の足は、かかとを遠くに伸ばすようにしておきます。

この時のポイントですが、持ち上げる側の足は足首と膝を90度に曲げて行います。

その方が、股関節が動かしやすくなって太ももの動きがスムーズなんですね。

もも裏で押さえる箇所は、膝裏に近いところを固定します。

そうすることで、後で足を伸ばしてストレッチをかけた時に、膝裏に近いところがよく伸びるようになります。

②この体勢が作れたら、上に上げた足を天井に向かって遠くに伸ばします。

この時のポイントは、かかとを遠くに伸ばすことです。

そうすることで、アキレス腱やふくらはぎ・膝裏・もも裏が同時に伸びます。

③そして、伸びた状態で深呼吸を1回2回したら、もう一度最初の体勢に戻ってからストレッチをしていくというのを3セットくらい行います。

寝ながらストレッチする場所がない場合


もし、職場などで「近くに寝ながらストレッチするようなスペースないよ」っていう場合は、椅子とか台を使っていただくとやりやすいかなと思います。

ご相談いただいた方は立ち仕事なので、おそらくこっち側の方がやりやすいかなと思います。

・やり方

椅子とか台を体の前に置きます。
片足を台に乗せて、太ももを持った状態でかかとを遠くに伸ばします。

ポイントは、この時に(足を伸ばす動きにつられて)椅子も移動してしまうんじゃなくて、『椅子と自分の体との距離は同じままにしておく』ということです。

そうすることで、膝裏が伸ばしやすくなります。

さらに効かせやすくするんだったら、押さえる位置を『膝裏に近いところ』にします。

もも裏・ふくらはぎ、どちらを押さえるにしても、ひざ裏に近いところを押さえてから足を遠くに伸ばしてあげると膝裏のストレッチの効果が上がっていきます。

もし、「ちょっと大変だな…」っていう場合は、『アキレス腱を伸ばしながら手を上に伸ばす』ような動きも肩の動きを良くするのに使えます。

ご自身がやりやすい形で試してみてください。

まとめ

では、まとめいきましょう。

背中・脇・膝裏を伸ばして肩の硬さを解消しよう」ということで、今回は、

『いわゆる肩に炎症がないor肩に腫れがない状態なのに、腕を前から上に挙げようとすると肩が引っかかってしまって動きが途中で止まってしまう…。』

この原因と対策についてお話をしてきました。

今回問題だったのは、

腕を前から上に挙げようとした時に

その腕の動きにつられて骨盤も後傾してしまって

太ももが前に移動した(股関節屈曲)結果

上半身が不安定になってしまった

というのが問題だったんですね。

脇が縮んでしまったり、背中が伸びない(猫背・巻き肩など)感じになっちゃって、手を上に挙げようとすると途中で引っかかってるっていう感じだったんですね。

なので、簡単にできる解決策としては膝が伸びたまま足を後ろに引くだけでも腕が上げやすくなります。

前からバンザイしやすいのがわかると思うので、試してみてください。

ただ、「手を上に挙げるためとはいえ、毎回足を後ろに引くわけにいかないよね」
っていうことで、その根本の問題を解消するための対策も2つ紹介しました。

1つは、背中と脇を伸ばす方法です。

脇が伸びることによって腕を90度でも上に上げやすくなりますし、背中が伸びることによって手を顔よりも上に上げやすくなります。

そしてもう1つの対策は、膝裏を伸ばすということです。

今回の『動きが硬くなってしまう負の連鎖』を作っているのは、『太ももが前に移動してしまって、上半身が不安定になっちゃう』ことだったんですね。

そのストッパー役になるのが膝裏。

膝裏が伸びていることによって、太ももが前に移動しづらくなるので、上半身の不安定さも減るんですね。

そこで、今回の問題を起こす原因を予防する役割で膝裏を伸ばすストレッチについても触れました。

・寝ながらできるもの
・立ちながらできるもの
・アキレス腱伸ばしたまま腕を挙げる

3パターンを紹介しました。

どれも肩に動かしやすくする上では同じように使えますので、ご自身がやりやすいところから試してみてください。

おまけ

プラスアルファで「肩甲骨を動きやすくする整え方はどうすればいいの?」って思った方は…

柔軟バレエ・ストレッチのp52~57肩甲骨の動きをよくするやり方について解説していますので、本をお持ちの方はそちらもご参照ください。

また
専心良治・ラボ
YouTubeメンバーシップ
ではセルフ整体の実技動画でやり方を解説していますので「詳しいやり方をちょっと見てみたいよ」っていう方は、お好きな方をチェックして続きをご覧ください。

以上参考になれば嬉しいです。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

ぜひ明日からのレッスンに行かせてもらえたら嬉しいです。