こんにちは。島田です。
今回は、『腱鞘炎(けんしょうえん)に使える意外なストレッチ』についてお話します。
腱鞘炎は、手の使い過ぎで、指や手首の関節に痛みが出たり腫れたりすることを言います。
こう聞くと、「じゃぁ私は今手首とか痛くないから関係ないかな…」って思うかもしれませんが、
「肩こりがつらい」とか、「猫背」だとか、「巻き肩で肩が前に出てる」って人は、腱鞘炎予備軍のこともあるんですね。
後半で紹介するストレッチは、腱鞘炎対策としてだけじゃなくて、肩こり、猫背や巻き肩に対するストレッチとしても使えますので、「私は腱鞘炎関係ないよ」という方はストレッチ部分だけでもご覧ください。
ではいきましょう。
腱鞘炎とは(原因・なりやすい人)
まず「腱鞘炎ってどんな状態なのか」ってところからお話します。
腱鞘は腱が通るトンネルのことで、指を曲げ伸ばしするとき、腱はこの中を動きます。
手を使い過ぎると、腱と腱鞘の間で摩擦が起きて、腫れたり痛みがでてくるんですね。
とくに親指の使い過ぎで起こることが多いです。
手の甲に腫れや痛みが起こり、また親指を曲げたり広げたりすると、手首が痛みます。
また、腱がひっかかって、縮んだばねのように指が開かなくなる「ばね指」という状態になることもあります。
腱鞘炎を起こしやすい人は?
どんな人が腱鞘炎になりやすいのか?
腱鞘炎は手首や指の使い過ぎで起こるので、
・仕事でパソコンのキーボードやマウスなどをしょっちゅう使う人だったり
・スマホを長時間使う人
・ピアノなど指を多く使う楽器を演奏する人
・ボール握ったり、テニスのラケットのようにグリップなどを握るスポーツをする人
などに多くみられます。
また、女性ホルモンの分泌に関連するとも考えられています。
更年期の時期や、出産後の子育て中の人にも起きやすいです。
腱鞘炎になりやすくする要因とメカニズム
この手首や指の負担が大きくなる原因の1つが、猫背やスマホの画面をみるような前屈みで画面をのぞきこむ姿勢です。
なぜ、こういう姿勢で手首や指に負担が増えるのか?
デスクワークにしろ、スマホを見続けるにしろ、長い時間続けていると、小胸筋という胸の筋肉が固まって肩甲骨が前に引っ張られてきます。
いわゆる前肩ですね。
そうすると、肩甲骨の下は背中側に押し出されるので、背中が丸まって猫背になりやすくなります。
そうすると、肩甲骨と後頭部をつなぐ筋肉に張りがなくなってくるので、首が縮んで頭の重さを支えきれずに顔が前にいきます。
その結果、指を動かすために手首を固定しておくことにも余分な力を使うようになるので、手首や指に負担がかかりすぎて痛みを起こすようになるんですね。
また、このループができてしまうと、前にズレた頭を支えるために首の前にある筋肉(胸鎖乳突筋)がガチッと固まって、首の前や肩をほぐしてもなかなかコリがとれずに姿勢も直りづらくなってしまいます。
もしかしたら経験ある方もいるかもしれません。
腱鞘炎に使える『簡単にできるタオルを使ったストレッチ』
そこで、ここからは、タオルを使ったストレッチで『背中を伸ばして、腱鞘炎で起こる手首や指の痛みを減らす』やり方をお話します。
1分あればできるストレッチです。
では整え方をお話します。
まず、背中にタオルをクロスさせて両端を持ちます。
「肩が固くていきなりクロスに出来ない」という人は、上の方を持ってタオルを背中に垂らしてから下の方を持つようにするとやりやすいです。
タオルの両端を持ったら、タオルの上側を持ってる手を上に引っ張ります。
このとき、下側を持ってる手も軽く下に引っ張ります。これは、上に引っ張られすぎないように抵抗することで、背中を伸ばしやすくする前フリです。
タオルがピーンと張った状態になると背中が反りやすくなるので、この状態で胸を張るようにすると背中がストレッチできます。
この状態で深呼吸を3回します。
タオルをピーンと張ることで、背中を伸ばしやすくするのがこのストレッチのポイントです。
ちなみに、乾布摩擦みたいに背中をゴシゴシやると肩甲骨の運動になりますので、肩甲骨周りの硬さが気になる人はタオルで背中を擦る動きと、背中を伸ばすストレッチを交互にやるとより効果的です。
まとめ
さて、ここまで「手首や指がいたくなる腱鞘炎に使える意外なストレッチ」ということでお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
腱鞘炎では、負担のかかりやすい体勢で手首や指を使いすぎることで、指を動かす腱と腱をつつむカバーの間がこすれて腫れたり痛みが出やすくなります。
そこで、指や手首にかかる負担を減らすためにタオルを使ったストレッチをご紹介しました。
ポイントは、顔を上に向けるんじゃなくて胸を張ることで背中を伸ばすことですね。
1分あればできますので、肩こり、猫背や前肩の対策としてもぜひ試してみてください。
ちなみに、前肩のリリースについてはバレエ筋肉ハンドブックのp116〜121に載せてありますので、本をお持ちの方はそちらもご参照ください。
また、背中をストレッチするとき、中指の連動を活かすと、脇にある前鋸筋が働いて背中が伸ばしやすくなります。
中指の連動を活かすセルフ整体については、専心良治・ラボか、YouTubeメンバーシップでご覧いただけます。
ラボやYouTubeメンバーシップでは、ほかにも肩をゆるめる筋膜リリースの実技動画なども見られますので、番組タイトル下の概要欄からお好きなのをチェックして続きをご覧ください。
ではご覧いただきありがとうございました!
また次回お会いしましょう。