こんにちは。島田です。
今回は『股関節の硬さを取るために股関節の動きをスムーズにするちょっとしたコツ』についてお話します。
先日お会いした方から
「股関節が硬いせいで横開脚がなかなか開かない。
例えば、
・足を開こうとすると足の付け根がつまってしまう
・膝が曲がってしまう
前後開脚する時にも、
・後ろに伸ばした足の付け根がつまる
・頭だけ前に行ってしまう
バレエをする時には
ターンアウト(足を横に向ける動作)が足の付け根からできない
そのせいでひざ下ばっかりねじってしまう
自分としてはストレッチしてるんだけど、なかなかその辺の硬さが取れない」
っていうご相談がありました。
バレエのレッスンでは、股関節を動かしやすくするために『股関節のスペースを開ける』ように注意されることがあります。
そうすることで、股関節がスムーズに動いて、開脚で開きやすくしたりとか足上げやすくしたりしてるんですね。
ただ、「それ(股関節のスペースをあける)がそもそもできないんだよね。どうしたらやりやすくなりますか?」っていうことだったんですね。
こういった股関節の動きをスムーズにする動きって、バレエをされる方はもちろん、「私はバレエやってないよ」という方にとってもヒントになると思います。
そこで、今回は
まず、
『股関節にスペースを開ける』の意味
・何をすればいいのか
・どんなメリットがあるのか
・これができないとどういうデメリットがあるのか
についてお話をします
その後、
『股関節のつまりを取るためのちょっとしたコツ』
について解説していきます。
股関節の動きをスムーズにすることで、ストレッチや痛みの軽減、パフォーマンスUPのヒントになれば嬉しいです。
股関節にスペースをあけるとは?
まず、『股関節にスペースを開ける』とは何かについてお話します。
股関節がある部分は、このイラストだと『ココ』って部分ですね。(骨盤と太腿の間)
『骨盤の前側の出っ張り(ASIS:上前腸骨棘、じょうぜんちょうこつきょく)と太ももの上の部分が縦に伸びた状態(緑の⇔)』でキープできると股関節の動きがスムーズになります。
この状態を、股関節にスペースを開けると言われます。
「太ももの上ってどのぐらいの距離感なの?」って思った方いるかもしれません。
例えば、スマホで画像の拡大とか画面の拡大する時に、親指と人差し指使って広げる感じありますよね。
あれと同じような広げ方で、親指と中指を使って縦に広げられる範囲が、その股関節のスペースが開いた状態が保たれてる状態です。
なので、骨盤の前の出っ張り(ASIS)に親指を、太ももの上に中指を当てて手を縦に広げていただくと、伸ばされている感じがつかみやすいと思います。
股関節にスペースがあいてるメリット
「で、股関節にスペースが開いてるののメリットって何なの?」って思いますよね?
一言でいうと、姿勢を崩さずに脚を伸ばしたまま股関節を動かせるようになるってことです。
例えば、
開脚のストレッチなら、開脚した状態で前屈しやすくなります。腰が伸びて付け根から前屈できるのでお腹が床に近づけやすくなります。
さらに、ソ径部の張りが減ります。
開脚した時に「内ももがピンと張っちゃう」とか「膝の内側が痛い」って方いると思うんですけど、これは内転筋が縮んで緊張してるからです。
股関節にスペースが開いてるとそれも減ってきます。
また、腰も伸ばしやすくなるので、姿勢の改善とか腰痛が減るのにも使えます。
そして、バレエのレッスンとか踊りのレッスンでいうと…
・足の付け根からターンアウトしやすい
・足を後ろに上げやすい
・片足で立った時に膝が曲がりにくい(ひざ伸びる)
・つま先立ちとか足を遠くに伸ばす時に、甲出して床を押しやすい
・片足立ちで膝を横に開く(パッセ)時に膝を横に張り出しやすい
というようなメリットがあります。
股関節にスペースがないデメリット
「逆に股関節にスペースがないとどうなるの?」っていうと…
今言ったメリットがみんな逆になります。
開脚するときに、
・お尻が下がる、背中が丸まる
・足の付け根が緊張する
・お腹が床に近づけられず、首だけ動いて緊張する
・ひざが曲がる
・ソ径部や内ももに張りがある
という問題だったり、腰が伸びなくて反り腰になったり…
バレエのレッスンとか踊りのレッスンでいうと…
・ターンウトするときに外ももの緊張が強い
・足を後ろに上げるときにお尻が緊張しやすい
・片足で立った時に膝がのびない
・つま先立ちで指が曲がりやすい
・パッセで前ももや足の付け根がきつい、ひざが前にでやすい
というような問題がでてきます。
股関節のつまりをとるちょっとしたコツ
じゃあ、この骨盤の前側と太腿の上の方の間が短くなることによって股関節の動きがつまるのを取るにはどうしたらいいのか?
股関節のスペースを開けて、動きをスムーズにするちょっとしたコツがあります。
「コツって何か難しいことやるの?」って思う方いるかもしれませんが、
方法は簡単。太ももの前を伸ばすストレッチに一手間加えるだけです。
たとえば、足を片方を伸ばしてもう片方を横座りか膝曲げた状態で座ります。
この体勢で足がきつい人は、クッションを足の甲の辺りに敷いてください。
手を後ろに置いて、そのまま体を後ろに反らしていくと、太ももの前側が伸びてきます。
前ももが伸びたら、そこから膝を遠くに出すだけです。
たったこれだけで、股関節のスペースを開けるためストレッチができます。
もうちょっと余裕あるよって方は、そこからさらに肘をつくぐらいまで体を後ろに反らしていくと、よりその前ももが伸びますので、そこから膝を遠くに出すようにします。
そうすると、骨盤がちょっと持ち上がる感じになって足の付け根の前側から前もの上の方にかけてストレッチされるはずです。
これやることによって、股関節にスペースがあくので、股関節の動きをスムーズにしやすくなります。
この原則が守られてれば大丈夫なので、このストレッチは自分がやりやすい姿勢、もしくはもっと効果を上げたいなと思う姿勢でやっていただいて構いません。
例えば、
「ここからもっと後ろに反れるよ」という方は
両膝で正座になった状態で体を仰向けに倒してから手を上に伸ばす。
「この体勢だと膝ががきついな」って方は
・片足で立って膝を曲げて、足首を持ってお尻に近づけてからひざを下に伸ばす。
・片膝立ちで足を後ろに伸ばしてから、膝をさらに後ろに押し出す。
といったやり方でも大丈夫です。
「片足だとバランスが取りづらい」とか「片膝立ちで足後ろに伸ばす時にちょっとグラグラする」という方は
・椅子を使って同じようにやる。
でも大丈夫です。
いずれの場合も、押さえておきたいポイント2つあります。
①体勢が決まって、ストレッチができたら『そこから膝を遠くに伸ばす』ということ
②ひざを伸ばす側と逆方向に引っ張る動きを入れる
この2つです。
②についてちょっと補足しますね。
膝を遠くに伸ばすには、反対側に動かす力があるとスムーズです。
例えば
・もとのストレッチ(片膝曲げて後ろに反る)なら
ひざを遠くに伸ばす⇔体を後ろに反らす
でお互い逆に引っ張り合うので、間に挟まれた股関節にスペースがあきます。
同じように、
・片膝で立ってかとお尻につけた状態なら
膝を下に伸ばす⇔背を高く保つ(うなじを伸ばす、頭を上の方に伸ばす)
・片膝で立ちで足を後ろに伸ばすなら
後ろに伸ばした足のひざを遠くに押し出す⇔片膝の足をもっと前へ押し出す
といった感じにすると、足の付け根の部分(図の緑の⇔)がストレッチされやすいです。
この伸び感を感じてから、深呼吸を3回から5回繰り返します。
1度体勢戻してから、2〜3セットを行うことによって股関節のスペースがあいていきます。
そもそも前もものストレッチができない場合は
このストレッチする時に「この姿勢になっても、うまく前ももが伸びないとか、膝が上がっちゃうんだよね」っていう方もいるかもしれません。
そのときは、過去に前ももの硬さをとる方法についてもお話していますので、【太もも前が硬い】意外な原因と前ももストレッチしやすくするコツをご参照ください。
まとめ
『股関節にスペースをあけて動きをスムーズに』ということで、今回は股関節の硬さを取ってもっとスムーズに動かすための方法として股関節にスペースを開ける方法について解説をしました。
股関節にスペースが開いてることで、足を伸ばしたままコントロールしやすいところが増えます。
開脚でストレッチしやすくなったり、姿勢改善につながったり、踊りの中でも股関節を動かす自由度が上がっていきます。
そのためのコツで、前もものストレッチに1手間加える方法を解説しました。
前もものストレッチで、伸び感を感じてからひざを遠くに押し出すことで、股関節にスペースがあいてきます。
これをやってから、ストレッチをしたり運動をすることで股関節の動きもスムーズになっていきます。
ぜひ試してみてください。
メンバー限定のノーカット版では、
・今回のお話のメカニズム(解剖学的なアプローチ)
・バレエのどの動きで関わるのか
などについても解説してます。
・専心良治・ラボ
・YouTubeメンバーシップ
でご覧いただけますので、お好きな方をチェックしてぜひ続きをご覧ください。
以上、参考になれば嬉しいです。
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