こんにちは。島田です。
今回は「前屈をしやすくするための自分のタイプにあった動かし方」についてお話をします。
前屈ができない原因
まず前屈が出来ない原因について、ですが…「体が固くてできないんだよ」という意見がほとんどだと思います。
この『体が硬い』を大きく分けると2つあります。
原因①ハムストリングスが硬い
1つは、『太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)が硬くなっている』ケース。
もも裏の硬さは、自覚がある方も多いんじゃないでしょうか?
ハムストリングスが硬いと、「骨盤が後ろに引っ張られた状態」になるので、骨盤を前に傾ける動きがしにくくなるため、前方へかがむ際に腰を曲げて動いてしまいます。
前に体を折りたたんでいきたいのに、後ろからブレーキかかってる状態です。
この場合は、ハムストリングスをストレッチすることで徐々に改善していきます。
原因②上半身が硬くなって腰から曲がってしまう
2つ目は、『上半身が硬くなって腰から曲がってしまう』ケース。
これは、手や顔をいきなり床に近づけようとすると、防御反応で上半身を緊張させることで頭を守ろうとして起こります。
そのせいで、肩に力が入ったり、首がすくんで縮まったり、手が伸びなくなるので、床から顔も手も離れていくんですね。
息が止まっちゃうとか呼吸がしづらいのがこのケースの特徴です。
また、腰から曲げることで腰の周り筋肉や腰椎に負担がかかりますから、腰を痛める原因にもなります。腰痛持ちの人は特に注意が必要なクセです。
これは、ストレッチした体勢で腹式呼吸するなど、体が防御反応を起こしそうなところで深い呼吸ができることで改善していきます。
そして、実はこれらのほかにもう1つの理由があるんですね。
それが、『自分のタイプに合ってない動かし方をしている』ケースです。
どういうことか?
2つのタイプでどちらが前屈しやすいかチェック
たとえば、前屈の場合、脚の前(太ももの前→ひざ→すね)をたどって前屈するとやりやすいタイプと、脚の後ろ(もも裏→ひざ裏→ふくらはぎ)をたどって前屈するとやりやすいタイプに分かれます。
体や姿勢のタイプによって、バランスをとったり動かすときに使う場所が、ちょっと違うんですね。
自分のタイプに合わせて動かすことで、バランスがとりやすくなる分、柔軟性もアップします。
この柔軟性は、ゴムを伸ばすような柔軟性と違って、関節を使いやすいところにもってくることで余計な力が抜けて筋肉が固まらないので可動域が増える感じです。
ストレッチしても硬さがとれないのは、自分のタイプに合わない使い方をしてるせいで、バランスがとりづらくて筋肉が緊張して固まっているのかもしれません。
実際に比べてみるとわかりやすいので並べてみました。
手と顔を床に近づけようとするものと、脚の前側を通るもの、脚の後ろ側をたどるものとで前屈のやりやすさを比べてみると、違いがでてきます。
ちなみに、私の場合は、後ろをたどる方が前屈しやすいです。
タイプに合わせた前屈のやり方のコツ
じゃぁ、タイプがわかったらどうすればいいのか?
例として、後ろをたどるタイプが前屈するときはどんな動かし方がいいのか、コツをお話します。
このタイプの場合、首のつけねくらいの高さと足首・かかとをつなぐ線が崩れないようにしながら、みぞおちの高さ(もしくは背中)と肘を、このライン上に収めるようにしていくと前屈が深くしやすくなります。
首のつけねと足首・かかとで姿勢のバランスをとります。このバランスがとりやすいように、みぞおちの高さや肘を動かして行く感じです。
呼吸を止めると筋肉が固まって動かなくなるので、体勢がきつくなりそうなところで深呼吸をして、それから徐々に体勢を変えていきます。
ちなみに前をたどるタイプなら、みぞおちの高さと膝をつなぐ線を崩さずバランスをとりながら、首と付け根や肩がこのライン上に収まるように動かすとスムーズに動きます。
ここでも、呼吸を止めると筋肉が固まって動かなくなるので、体勢がきつくなりそうなところで深呼吸をして、それから徐々に体勢を変えていきます。
まとめ
さて、今回は、「前屈をしやすくするための自分のタイプにあった動かし方」についてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
ゴムを伸ばすような柔軟性がなくても、自分のタイプに合った使い方でバランスをコントロールしながら動かすことで前屈が深くなります。
まずは、自分がどっちのタイプかチェックするだけでも面白いと思いますので試してみてください。
もちろん、使い方を活かすためには、セットで体を整えておいた方がやりやすいのは間違いありません。
前屈のしやすさは、背中の柔軟性やねじりとも結構関係がありますから、そのあたりもチェックしてみてください。
・参考テキスト
4スタンス理論バイブル、廣戸聡一、実業之日本社、2014