こんにちは。島田です。
バレエのレッスンで、ターンアウトするとき、股関節の骨の動き方はどのようになっているのか、気になることありませんか?
また、「自分は骨格的にターンアウトできないんじゃないか…」と思ったりすることもあるかもしれません。
そこで、今回はターンアウトするときに骨格で影響を受けるときの目印や、股関節の動きを感覚的につかみやすくする方法についてお話します。
目次
股関節のあるところ
股関節は大腿骨の骨頭が、骨盤にはまりこんでできています。
骨盤は大きく分けると5つのパーツに分かれてて、
恥骨・腸骨・坐骨が合わさる部分にカポッとはまっているんですね。
骨格が原因で股関節が開かない?
よく「骨格が原因で股関節が開かないんじゃないか…」と思う人がいます。
ご安心ください^^ほとんどのケースでそんなことはありません。
でも、プロを目指すとなると、もうちょっとシビアです。
骨格の差(骨の個人差)によっても影響を受けることがあります。
そのとき、目印になるのが2つ。
それが頚体角(けいたいかく)と前捻角(ぜんねんかく)です。
これらは、大腿骨頭が股関節にはまり込む部分の角度のこと。
骨頭が股関節にはまり込む部分は、大腿骨に対して少し横に曲がって(頚体角・けいたいかく)、ちょっと前にねじれています(前捻角・ぜんねんかく)。
この2つの角度で、骨格的に股関節が開きにくいかどうか判断できます。
骨格の影響①頚体角
大腿骨頭が股関節にはまり込む部分は、大腿骨に対して少し横に曲がってます。
正常範囲は
125°~135°(平均126°)です。
頚体角が正常より大きい場合 → 外反股
頚体角が正常より小さい場合 → 内反股
骨格の影響②前捻角
また、大腿骨頭が股関節にはまり込む部分は、大腿骨に対して少し前にねじれています。このねじれの角度が前捻角です。
大人では、平均12°~15°です。
他には
骨盤に大腿骨がはまりこむところの角度などもあります。
この頚体角や前捻角がズレていると、整形外科でいうところの内反股や脱臼、摩擦を起こしやすい状態になります。
骨格的に股関節がおかしいっていうのはこのことです。…が、これになっている人はそう多くありません。
いずれにしても、もしこうなっている場合はレントゲンですぐわかるので一度診てもらうといいかも。
そして、ここで異常がなければ、骨格的にターンアウトしづらいというわけではありません。
つまり、使い方次第できちんと改善できるということです。
そこで、ターンアウトするときの骨の動きについて、ちょっと掘り下げますね。
ターンアウトでお尻を締めるときは大転子をしまう
バレエ教室で「お尻を締めて!」とアドバイスされることありませんか?
このとき、お尻に力を入れるのはNGです。理由は、それだと股関節が回せないから。止まってるときはターンアウトしているように見えても、動いた時にターンアウトが消えちゃうんですね^^;
太ももの骨=大腿骨(だいたいこつ)の上には、「大転子(だいてんし)」という、お尻の横側(太ももの横側)から手でさわれる飛び出た部分があります。
つま先をまっすぐ(パラレル)で立った状態だと、大転子は真横に向いています。
ターンアウトをすると、この大転子の向きが後ろにいって、見た目は引っ込んだ感じになります。
この大転子がしまわれる動きで、お尻も勝手に締まるんですね。
ちなみに、大転子を股関節だと思っている方もいるかもしれませんが、先ほどのイラストで見てもらった通り、股関節は、もっと体の中心に近い位置にあります。ここに力を入れても股関節は動かないので、外側の筋肉が張ります(参照:バレエで股関節が硬い意外な理由)。
ただ股関節を開くだけだとお尻は締まらない
じゃあ、股関節を外回し(外旋・がいせん)して開けばお尻も締まるのかというと、実はそうでもありません。単純に開くだけだと、大臀筋(だいでんきん)などの大きい筋肉を使ってしまうので、膝も曲がります^^;
そして、膝が曲がったままターンアウトで股関節を開いても、股関節がはまったまま使えません。これだとお尻は締まらないので大転子もしまえないんですね。
膝を伸ばしたままターンアウトして初めて、股関節がはまったまま動くので、お尻が締まって大転子がしまえます。
股関節の動きを感じる簡単な方法
じゃ、股関節がはまった状態で動いてる感じをつかむにはどうすればいいか?
一番簡単な方法は
①足を肩幅に開いてパラレル(つま先をまっすぐ)で立つ
②両方のつま先をつける
③両方のかかとをつけるように外回しする
こうすることで股関節を回す感覚がつかみやすいです。
ポイントは、②の両方のつま先をつけてからターンアウトすること。
これは股関節を内旋(ないせん・内回し)してるんですね。
この一手間を加えると、股関節の内旋筋がストレッチされます。その分内側の筋肉が伸びるので、いざ股関節を開こうとするときに外旋しやすくなるんです。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか?
骨格的にターンアウトしにくいか確認するには、レントゲンで基準となる角度があること。
また、
・頑張ってターンアウトをしようとして、お尻に力を入れるだけだと、実は開かない
・ターンアウトで骨の動きを感じるときは、一度股関節を内旋(内回し)してみることで開きやすくなる
についてお話をしました。
日々のレッスンで活かしていただければ嬉しいです^^