こんにちは。島田です。
今回はお家でできる腰痛対策ということで『肩がこって腰やお尻が凝ったり、痛い人向けのストレッチ』についてお話します。
その場でできるので、この週末自粛で座ってる時間が長くて、肩が凝ったり、腰やお尻がしんどい人にはオススメです。
目次
リモートワークなどで運動不足になるとコリやすいところ
先日、お会いした方から「リモートワークで家で過ごす時間が多く、あんまり動けてないせいか、腕や肩のコリと腰がしんどいの
が気になる」というご相談をいただきました。
具体的には、肩コリを始め…
・腰の下やお尻
・骨盤のあたり
・もも裏
がコリやすいということだったんですね。
もしかしたら、『似たような場所が凝ってる』という人もいるかもしれません。
これらは、筋膜というつながってる部分のコリによって関節や筋肉の柔軟性が下がってるせいで起きやすいんですね。
原因は筋膜のコリ
筋膜は第2の骨格とも呼ばれます。
・全身につながった結合組織で
・全体として体のすべての要素(筋肉だけでなく、血管、神経なども含めて)を覆っています。
外見は同じに見えても…、整った筋膜と、よじれた筋膜だと、体の内側は違います。
筋膜のハリや硬さにムラがあってよじれると、よじれた部分に痛みがでたり、引っ張られて関節や筋肉の可動域が下がっちゃうんですね。
イメージでいうとこんな感じです。
座る時間が長かったり、スマホ使いすぎてたり、悪い姿勢が続くと、筋肉を覆う筋外膜という部分が硬くなります。
この硬さは、関節や他の筋肉にもつながる深筋膜という部分に伝わって、関節や他の筋肉も硬くなります。
そして、深筋膜は全身をボディスーツのように覆うので、つながるところもその硬さが広がります。
その結果、第2の骨格である筋膜が固まることで、悪い姿勢での使い方がクセになって、悪い姿勢が普通になって良い姿勢の方がつらいといった状態になってくるんですね。
今回ご相談いただいた方も、姿勢よくしようとするとかえって腰や背中がしんどいとのことでした。
筋膜リリース・ストレッチ①肩コリから腰・お尻・もも裏がこる場合
そこで、肩と腕の間にあるポイントを使って、
お尻や、骨盤周りで腰を支える腹筋、もも裏のハムストリングスをまとめてストレッチする方法をお話します。
これらをストレッチして整えることで、肩と腰の負担を同時に減らしていきます。
ステップ1:二の腕の皮膚をつまむ
まず、手のひらを前にして立った状態で、三角筋という肩の筋肉と力こぶをつくる上腕二頭筋の間の皮膚をつまみます。
場所がわかりづらいときは、一度力こぶをつくって、肩と力こぶの境目あたりをつまむと探しやすいです。
このあたりをつまんで上に引っ張るだけでも、腕や肩の前側のコリや、人によってはこめかみやアゴのコリにも効いてきます。
ステップ2:手のひらをお尻に
次のステップで、手のひらがをお尻の真ん中あたりにくるように、もっていきます。
手のひらを当てるポイントは仙骨です。ベルトの高さに手のひらがくるようにするとちょうどあたります。
このとき、ポイントをつまんでる手が離れてしまう場合は、手のひらを仙骨に当ててからつまみ直してください。
ここで、広背筋という背中の筋肉にアプローチしています。
ちなみに「前肩がひどくて手のひらを仙骨に当てられません」って人は、以前『前肩リセット法』というのを紹介しているので、そちらをご覧になって肩をゆるめてからチャレンジしてください。効果がだいぶ変わってきますよ。
ステップ3:足を前に出す
そして、次のステップで足を前に出します。
あとで、体を前に倒してストレッチしたときに、もも裏を伸ばしやすくするためです。
ここまででストレッチ前の準備が完了したので、ここからストレッチして伸ばしていきます。
ステップ4:体を斜め前に倒してストレッチ
では、体を前に倒してストレッチしていきます。
両足の真ん中あたりを見ながら、体を斜め前に倒すようにすることで、ねじりで横の腹筋も使われます。
体を前に倒したら、深呼吸を2〜3回行います。
ここまでのステップで筋膜を伸ばしやすくしているので、呼吸に合わせて、骨盤周りやお尻、もも裏がまとめてストレッチされます。
このストレッチで、腕や肩コリからつながる部分をリリースすることで、腰の柔軟性に違いがでます。
お尻やもも裏など腰につながる部分の柔軟性があがることで、動きが良くなって腰の負担が減るんですね。
腕や肩のコリと、腰やお尻、もも裏のコリを同時にアプローチできるんで、家で過ごす時間が多くなって運動不足とか、座ってる時間が長いという方にはオススメです。
座りすぎでお尻・足の付け根や太ももがこる場合は
また、座り仕事で股関節周りや太ももが固まるとき、硬くなりやすいのは、
①足の付け根の筋肉(大腿筋膜張筋・だいたいきんまくちょうきん))から膝の外までつながる靭帯(腸脛靭帯・ちょうけいじんたい)
②前ももの筋肉の外側にある外側広筋(がいそくこうきん)
が多いです。
この硬くなっているところをゆるめるときは、
固いところを直接ほぐすのもいいんですが、体のなかで繋がっている部分を使うことで、他のところと合わせてゆるめることができるんですね。
鍵は体の横でつながるライン
その鍵になるのが、体の横でつながるラインです。
東洋医学では足の薬指からつながるライン(足の少陽胆経、足少陽経筋)は、体の横をつなぎます。
それは、太ももの外側だけでなく、すねの外側も、お尻も、脇も、こめかみもつないでいます。
なので、そのなかの一部が固まったり縮めばまとめて硬くなることもありますし、逆に、つながる部分をほぐすことで、他のところも合わせてゆるめることができるんですね。
このラインの急所に当たるのが、脇とお尻の筋肉(大殿筋・だいでんきん)です。
この2つはこのルートのなかで影響が大きいので、ここがゆるむと、つながる筋膜も同時にゆるめることができます。
大殿筋の場合、足の付け根(大腿筋膜張筋)、外もも(腸脛靭帯)ももちろんですが、膝の痛みや、すねの疲労、足首の可動域まで影響します。
ちなみに、脇の方をゆるめると、脚だけでなく、上半身にも影響があります。
バレエでいう脇を上げる、脇を立てる動きがやりやすくなるので、アームスのキープがしやすくなるし、首や肩の重さを減らすこともできます。
筋膜リリース・ストレッチ②座りすぎでお尻・足の付け根や太ももがこる場合
では具体的なやり方についてお話します。
ステップ1:足を体の前でクロスする
まず最初のステップでは、足を体の前で交差します。
このとき、片手はテーブルや椅子などにおく。
両足が膝の前後でくっつくようにするのがポイントです。
ステップ2:脇の皮膚をつまんで上に引っ張る
続いて、脇の皮膚(というか皮)をつまんで上に引っ張ります。
このときつまむ部分は、みぞおちの高さにあってつまみやすいところでいいです。
ポイントは、ギュッとつまむんじゃなくて、軽くつまんで2秒待ってから上に引っ張ること。
こうすると皮膚が持ち上げやすくなります。
ステップ3:体を横に曲げる
そして、脇の皮膚を上に引っ張ったまま体を横に曲げていきます。
このとき、呼吸を合わせるのがポイント。
まず息を吸ってから倒します。
こうすることで、肋骨や背中がつぶれにくく(縮みにくく)なります。
倒していって動きがきつくなってきたところで息を吸います。
こうすることで背中が引き上がって伸びやすくなります。
それから息を吐いてもう一段先まで倒すと脇が伸びます。
ステップ3の別バージョン:手を上に伸ばして体を横に曲げる
このとき、「脇の皮膚を引っ張れない」「途中でつまめなくなる」「そもそもつまめない」
という場合は別バージョンで手を上に伸ばして倒すことで横のラインを伸ばすのがオススメ。
手首から肘の部分(前腕・ぜんわん)を上に引っ張り上げると、脚も伸びて床が押しやすくなるので、この状態で息を吸って、吐きながら横に倒します。
動きがきつくなってきたら息を吸って、吐きながらもう1段伸ばしていきます。
こうすることで、脇が伸びて、前もも・外もものリリースできます。
バレエのレッスンだと横のポールドブラに近いです。
ストレッチがメインなので、肩が持ち上がるのは気にせずやってみてください。
ステップ4:お尻の皮膚をつまんで上に引っ張る
続いて、お尻の皮膚をつまんで上に引っ張ります。
「お尻の皮膚ってどこつまむの?」って思うかもしれません。
つまむポイントは、お尻の上の方ででっぱりが触れるところ(上後腸骨棘・じょうごちょうこつきょく)。
人によっては、お尻の上の方は凝ってるので、普段自分が凝っているところをつまむのもオススメです。
ポイントは、ギュッとつまむんじゃなくて、軽くつまんで2秒待ってから上に引っ張ること。
こうすると皮膚が持ち上げやすくなります。
お尻の上の皮膚をつまんで上にひっぱることで、足の付け根(大腿筋膜張筋・だいたいきんまくちょうきん)、中殿筋(ちゅうでんきん)、外もも、前ももの外側をゆるめるスイッチになります。
ステップ5:体を横に曲げる
そして、お尻の皮膚を上に引っ張ったまま体を横に倒していきます。
このとき、呼吸を合わせるのがポイント。
まず息を吸ってから倒します。
こうすることで、肋骨や背中がつぶれにくく(縮みにくく)なります。
倒していって動きがきつくなってきたところで息を吸います。
こうすることで背中が引き上がって伸びやすくなります。
それから息を吐いてもう一段先まで倒すとお尻が伸びます。
まとめ
さていかがだったでしょうか?
まとめると…
座ってる時間が長かったり、あんまり動けてなかったりすると、
腕や肩のコリを始め、腰の下やお尻、骨盤のあたり、もも裏、足の付け根がコリやすくなります。
これは第2の骨格である筋膜が固まることで、悪い姿勢での使い方がクセになって、関節や筋肉の柔軟性が下がってるせいで起きやすいんですね。
そこで、
①肩と腕の間にあるポイントを使って、お尻や、骨盤周りで腰を支える腹筋、もも裏のハムストリングスをまとめてストレッチして、肩と腰の負担を同時に減らすやり方
②脇とお尻にあるポイントを使って、脇やお尻や、足の付け根、太ももをまとめてストレッチするやり方
をお話しました。
外出自粛で出歩けないとか、リモートワークで肩こりと腰がしんどいときに、ぜひ試してみてください。
こんなふうに、体はつながって動きます。
これを応用することで、体の硬さをとったり、可動域を上げて踊りやすくすることができるんですね。
そこで、概要欄に、【知るだけでレッスンの効果が上がる3つの秘訣】という動画を用意しました。
今回のように体のつながりを活かした使い方がバレエのレッスンには結構あるんですよね。それをパーツに分けて応用することで体も整えられるんです。