こんにちは。島田です。
今回は『ターンアウトしたときにお尻の上に力が入る原因と、その意外な対策』についてお話します。
バレエでは「ターンアウト」といって、脚を外側に回す動きをします。
これを使うことで、片足で立つときの支えにしたり、脚の動かせる範囲を増やしたりするので、ターンアウトのできは踊るときのパフォーマンスに影響します。
このターンアウトをするときに、本当はお尻の奥にある筋肉を使って股関節を回したいのに、『なぜかお尻の上にばっかり力が入っちゃって、お尻と太ももの間くらいのところに痛みがでることがある』って経験ありませんか?理由は…
ターンアウトでお尻の上や外側がコる理由
お尻の外側の筋肉に力をいれて股関節を回しているからです。
こう聞くと「自分ではそのつもりがないのに、やっぱり股関節が固いからそうなるのかな?」って思うかもしれません。
でも、これは股関節が固いから…ではありません。
股関節を回すときの太ももの位置が外側にあるのが問題なんですね。
お尻の上や外側に力が入っちゃうケースでは、脚が内側に寄らないまま股関節を回していることが多いです。
太ももが体の中心線から離れた状態で回そうとするほど、お尻の外側の筋肉を使いやすくなります。
脚が中心に寄った状態で股関節を回した方がお尻の奥にある筋肉も使いやすいんですね。
「いやいや、足なら寄せてるよ」って思いますよね?
でも、足を寄せるとき「なぜか太ももの外側に力が入りやすいな」って思ったことありませんか?
その理由は、足だけ寄せようとしてるからです。
内もも使って足を寄せづらい理由とバレエで行う対策
足だけ寄せようとすると…膝はよるんだけど、太ももの上の方は寄りづらいんですね。
なので、太ももの上を寄せるために、足の付け根の前側の筋肉で、股関節を内側に回して寄せてしまいます。
このとき、お尻を広げるように太ももの外側にある大転子というでっぱりが外に出っ張ってきます。
大転子はお尻の奥の筋肉を動かすときに使う場所なので、ここが外に回り込むと、ターンアウトするときにお尻の奥の筋肉が使いづらいです。
結果、足のつけねの前側と太ももの外側に力が入って硬くなってしまうんですね。
なので、バレエでは、内転筋を使う準備として、呼吸を使ったり、足を横に開く2番ポジションで骨盤の上を閉じることで腹筋を使いやすくしてます。
これは、腹筋とセットで使うことで骨盤が安定して内転筋に力が入りやすくなるからです。
内転筋の上の方も使いやすくなるので、足がまっすぐ寄せやすくなります。
足をクロスする4番ポジションや5番ポジションでも、これを利用してターンアウトしやすくしてます。
内側の筋肉使ってターンアウトする感じがつかみやすくなるコツとメカニズム
でも、「『内ももとかお腹を使って』って言われるけど、いまいち感覚がつかみづらいとかピンとこない…」って思う人もいるかもしれません。
そこで、ターンアウトするときに、なるべく内側の筋肉を使いやすくするちょっと意外な対策をお話します。それが…
頭の上で手を合わせて、上に伸ばしながら、ターンアウトするということです。
どうして、これで内ももを使って股関節が回しやすくなるかというと…
手を合わせることで、軸が中心に寄せやすくなります。
そして、腕を上に伸ばすことで、肩甲骨が動いて背中を支えてくれます。
そうすることで、腹筋と内ももの連動がしやすくなるので、内ももの筋肉を使って脚を寄せやすくなるんですね。その分、お尻の奥の筋肉を使って股関節を回しやすくなります。
これと同じ原理は、バレエの5番ポジションでも使われています。
このときアンオーにするのは、体を中心に寄せやすくして、太ももの内側を使って股関節を回すためでもあるんです。
まとめ
ターンアウトするときに、お尻の上や外側に力が入っちゃうケースでは、脚が内側に寄らないまま股関節を回していることが多いです。
脚を中心に寄せた状態で、股関節を回した方がお尻の奥にある筋肉も使いやすいんですね。
そこで、その感覚をつかむための意外な対策として、『頭の上で手を合わせて、上に伸ばしながら、ターンアウトしてみる』方法を今回はお話しました。
お腹から足を使ってターンアウトするときの感じがつかみやすくなるので、レッスン前に試してみてください。
また、腹筋と内ももの筋肉を使ったターンアウトについては、バレエ筋肉ハンドブックの88〜107ページに載せてますので、本をお持ちの方はそちらもご参照ください。
とはいえ、「肩や肩甲骨が固くて、手のひらつけたまま腕を上に伸ばせないよ」って人もいると思いますし、「そもそも股関節固いのが気になる」って人もいるかもしれません。
そこで、プラスアルファで
・肩甲骨の位置を整える方法(YouTubeメンバーシップ)
・股関節が固い人もターンアウトが開く3つの秘訣
などの動画講座のリンクを載せておきました。
お好きなのをチェックして続きをどうぞ。
では、ご覧いただきありがとうございました!
また次回お会いしましょう。