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【反り腰改善】姿勢直そうとしてるのに反り腰になっちゃうのを防ぐ3つのポイント

こんにちは。島田です。

反り腰をセルフで改善するために、『姿勢を直そうとして反り腰なってしまうのを防ぐ3つのポイント』についてお話します。

先日、こんなご相談がありました。

「反り腰が直らないんですよね。意識して姿勢よくしてるんですけど、すぐに戻ってしまうみたいで…。どんなところを意識したらいいですか?」

というものですね。

反り腰とは


反り腰は、骨盤を前傾させたときに坐骨(お尻の下の骨)が後ろに出っぱっていることを指します。出っ尻とも言われることがありますね。

バレエ教室でもよく注意されることがあるので、「反り腰って注意されたことある」とか「聞いたことある」って方も多いと思います。

反り腰になると何が問題?


でも「よく注意されるけど、反り腰になると何が問題なの?」って思った方もいるかもしれません。

大きく分けると、2つに分けられます。

1つは姿勢的な問題。

たとえば、
・腰に負担がかかって腰痛になりやすい
・腹筋が弱くなってしまってお腹がぽっこり出やすい
といったものですね。

もう1つはパフォーマンス的な問題。

踊りやパフォーマンスでいうと、可動域をせばめたり、足や腰に負担がかかりそうなものが多いです。

たとえば、
・床が押しづらい、足に負担がかかりやすい
・ターンアウトが(お尻の下を使って)できない
・内ももを使って寄せづらい(O脚みたいになったり、ひざ下に隙間ができやすい)
・下っ腹(丹田、たんでん)に力が入りづらい
・背中で反らしづらい(背中が硬くなりやすい)
・アラベスクなど、足を後ろに上げるときに腰やお尻がつまりやすい

…などなど。

反り腰の形がどうこうというより、反り腰になってしまうことで腕や体幹、足に力がちゃんと伝わらずにでてくるものが多いので困るんですよね^^;

反り腰を直そうと意識してるのに直りにくい原因


でも、冒頭でお話した方のように「意識してるけどなかなか直らない」って思ってる方多いはずです。

この理由は、反り腰を直そうとするときに起こる代償運動(本来動かしたいところ以外でカバーして動いてしまうこと)を防げてないからです。

イメージでいうと、穴のあいたバケツに水を一生懸命いれる感じ。せっかく姿勢を直そうとしている分がお尻を突き出したり、お腹が前にでるのに使われちゃってるんですね。


じゃぁ、どうすればいいのか?

ここで問題なのは、姿勢を正すための力が他のところを動かすのに使われていることです。

たとえば、
・骨盤の前傾と一緒にお尻が後ろに出てしまう
・お腹(みぞおちやおへその高さ)が前に出っ張ってくる
・顔が上に向いて首の後ろが縮まる
などですね。

なので、こういった問題が起きないようにフタをして防いであげると、姿勢をよくしようとしたときに本当に使いたい(意識したい)ところに力が伝わりやすくなります。

反り腰を防いで姿勢をよくする3つのポイント


そこで、これから姿勢を正すときに反り腰になってしまうのを防ぐポイントを3つお話します。

①出っ尻(坐骨が後ろに出る)のを防いで、本当に使いたいところを知る

これは姿勢をよくしようとするときに、腰を縮めてしまう癖を直すために行います。

一番シンプルなのは、骨盤を前傾したときの出っ尻を防ぐことです。

坐骨(お尻)を手で押さえて後ろに出ないようにふさいでみてください。


そうすると、骨盤を前傾してもお尻が後ろに出せない状態なので、腰を反ろうと思ってもできません。

もし、このときに「腰は反らないけど、代わりにみぞおちが前に出てきちゃうよ」という方は、そこから胸を上に持ち上げるようにすると姿勢が正しやすくなります。

頭が少し高くなって、いつも姿勢をよくしようとしてたときとは違う所(下っ腹、背中の上)などに力が入る感じがわかりやすいと思います。

姿勢を良くするときに意識したい(使いたい)のはその辺りです。

『反り腰を直そうとして、腰に力が入って緊張しやすいタイプ』はまずここをやってから他の2つのポイントをやるのがおすすめ。

②骨盤の前(骨盤の前の出っ張りASISと太ももの間)を伸ばして、股関節にスペースをあける

2つ目は、骨盤の前を伸ばすことで股関節にスペースをあけることです。

これは、反り腰にプラスして
・足の付け根がつまる
・太ももの前や外ももが緊張しやすい
タイプに向いています。

ただ、「股関節にスペースを空ける」って聞き慣れない言葉だと思いますので、少し補足すると…

バレエのレッスンでは、股関節を動かしやすくするために『股関節のスペースを開ける』ように注意されることがあります。

そうすることで、股関節がスムーズに動いて、開脚で開きやすくしたりとか足上げやすくしたりしてるんですね。

では、具体的にどの部分を伸ばせばいいのか?


伸ばすポイントは、『骨盤の前側の出っ張り(ASIS:上前腸骨棘、じょうぜんちょうこつきょく)と太ももの上の部分』です。

ここを縦に伸ばした状態(緑の⇔)を股関節にスペースを開けると言われます。

この話を聞いて「太ももの上ってどのぐらいの距離感なの?」って思った方いるかもしれません。

手の大きさによって個人差はありますが、親指と中指を縦に伸ばしたときの距離感です。

骨盤の前の出っ張り(ASIS)に親指を、太ももの上に中指を当てて手を縦に広げていただくと、伸ばされている感じがつかみやすいと思います。


ココを手で伸ばした状態で骨盤を前傾しても、腸腰筋を伸ばして使えるので腰が縮まず反り腰になりにくいです。

もし、このときに「腰は反らないけど、代わりにみぞおちや胸が前に出てきちゃうよ」という方は、先ほどと同じように胸を上に持ち上げるようにすると姿勢が正しやすくなります。

【補足】骨盤の前を伸ばす整え方について

ここまでの話を聞いて「これって手で押さえないとダメなの?」って思った方いるかもしれません。

股関節にスペースをあける方法については、過去に整え方を紹介しています。

股関節の動きをスムーズにするちょっとしたコツ|股関節にスペースをあけるとは』この動画と記事ですね。

こちらに、コツや仕組みについてお話していますので、そちらもご参照ください。


さて、ここまでにでてきた2つのポイント。
いずれも、押さえておくと反り腰にはなりにくいけど、『みぞおちが出てくるのを胸を持ち上げて直す』パターンが共通してますよね。

「毎回この流れやらないとダメですか?」って思った方もいるはずです。

この2つのポイントは、『骨盤を前傾したときに腰を縮めて反り腰になるのを防ぐ』みたいに、どちらかというとバケツに穴が空いてるのをふさぐ役割がありました。

ここまでのポイントを踏まえた上で、次のポイントをやっていただくとより効果的です。

それが…

③耳を持ち上げて首の後ろを伸ばす

3つ目の、耳を持ち上げて首の後ろを伸ばすことです。

これは、前後にズレてしまった軸を縦にそろえやすくするために行います。

具体的にみていきましょう。


反り腰にしても猫背にしても、体の真横を通る線よりもアゴが前にきています。

なので、喉のあたりを後ろにスライドすることによって…軸が縦に揃って姿勢を正しやすくなるんですね。

で、こう聞くと…「なんだ簡単じゃないか」って思うかもしれませんが…


実はやってみると意外と難しいんですね。

例えば…
顔が前に来てる分、首を後ろにスライドしようと思っても

・首(の動き)につられて頭も後ろに行ってしまったりすることもありますし
・顎を引こうとしすぎて喉を潰してしまったりする
ケースもあるんですね。

じゃあどうすれば良いのか?


具体的なやり方をお話します。

①耳のてっぺんを軽くつまんで2秒待ってから、優しく上に引っ張ります。
強く引っ張ると痛いので、軽くでいいです。

②次に、喉の高さを後ろにスライドします。

「喉の高さを後ろに引く感じがわからない」という方は、顔(目線)を正面に保ったままアゴを引くのでも大丈夫です。
アゴを引くときは、顔も下を向かないように注意してください。

③これで、首の後ろから背すじが伸びて頭の位置が高くなる感じになるので…

④この状態のまま、かるく膝の曲げ伸ばしを行います。
回数は5回〜10回くらいです。

これで、姿勢がまっすぐにしやすくなります。


これをやり終わった後に、さきほどでてきた2つのポイント
・坐骨
・骨盤の前
をそれぞれ押さえて骨盤を前傾させても、腰も縮みにくいですし、みぞおちが前にいく代償運動もでにくくなります。

「じゃぁ、最初から3番目だけで良かったんじゃないか…」と思うかもしれませんが、前の2つのポイントがないと間違った癖は残ったままなので、それを解消しておく必要があったんですよね。

姿勢を正すときに背中の上やお腹にうまく力が入ってくるようになったら、3番目の方法だけでも反り腰が直しやすくなってくるはずです。

まとめ


では、ここまでの話をまとめます。

「意識してるけどなかなか反り腰が直らない」理由は、反り腰を直そうとするときに起こる代償運動を防げてないからです。

そこで、今回は『姿勢を正すときに反り腰になってしまうのを防ぐポイント』を3つお話してきました。

・坐骨が出るのを防ぐ
・骨盤の前を伸ばす
・耳を上に引っ張ってうなじを伸ばす

坐骨や骨盤の前については、骨盤を前傾させたときに腰が縮まないようにするためです。

ただ、姿勢を正すときに使う筋肉が弱かったりすると、みぞおちが前に出てしまうこともあると思います。

そこで、耳を上に引っ張ってうなじを伸ばしたまま、ひざの曲げ伸ばしをすることで姿勢をまっすぐにしやすくするやり方もお話しました。

これをやっておくと、押さえて骨盤を前傾させても、腰も縮みにくいですし、みぞおちが前にいく代償運動もでにくくなります。

姿勢をよくしようとして腰に力が入るタイプはまず①坐骨と②骨盤の前からやっていくのがおすすめです。

姿勢を正すときに背中の上やお腹にうまく力が入ってくるようになったら、3番目の方法だけでも反り腰が直しやすくなってくるはずです。

ぜひ少しずつ試していって、反り腰の改善に活かしてもらえば嬉しいです。