こんにちは。島田です。
今回は、拙著『体が思い通りに動くバレエ整体(かんき出版)』の補足で、「前屈しづらくなる意外な原因」と「ちょっとしたコツでストレッチしやすくする方法」について解説します。
ストレッチしてるのに、前屈すると『もも裏が硬くなってなかなか伸ばせない』って経験あるかもしれません。
デスクワークで座りっぱなしだったりすると、背中の筋膜が硬くても途中で引っかかるので、ストレッチしづらくなるんですが、もう1つ前屈しづらいタイプに共通する要素があるんですね。
それが何なのか、それに対策するにはどうすればいいのか、について今日はお話します。後半では腰のツボとの関係からみた補足情報についてもお話しています。
目次
前屈ストレッチがしづらいタイプに共通する意外な要素
前屈しづらいタイプに共通する要素ですが、それは…
人差し指が曲がりやすい、というか伸びにくいことです。
特に腱鞘炎や腰痛がある人に多いですね。
これと前屈のしやすさと、一体どんな関係があるのか?
踊るときの体の使い方にヒントがありました。
人差し指を伸ばせる方が踊りで足上げしやすい
バレエでは、踊る時に「指先まで意識してきれいに使うように」指導されます。
見た目の問題もありますが、身体の可動域もそれで変わってしまうからでもあるんです。
例えば、バットマンといって足を振り上げるときに、人差し指が曲がってると、足が重くなって上げづらかったり、もも裏が硬くなって膝が曲がりやすくなります。
人差し指が伸びてるかどうかで前屈の深さが変わる
この違いは足上げだけではなく、他の動きでも見られます。
例えば、今回のテーマである前屈。
人差し指が伸ばせるかどうかで、前屈の深さにも差が出てきます。
床に着くか着かないかぐらいのところから、手のひらがつくところまでいけるようになるんですね。
人差し指の伸ばしやすさチェックする方法
「この『人差し指を伸ばしやすさ』ってどうやってチェックするの?」って思いますよね。
ポイントは、『手首を反らしたまま指がのばせるか』です。
体の硬さの目安にもなるので、柔軟性が大丈夫か、ちょっとテストしてみましょう。
①手を前に出します。90度に肘を曲げて脇につけます。
②③拳を握ったまま手首を反ります。
④その状態で、人差し指を伸ばします。
人差し指が上を向けば、OKです。
簡単そうに見えますよね。
でも、ハムストリングスが硬かったり、ひざ裏が曲がりやすいタイプは、この状態で人差し指を伸ばせないんですね。
特にデスクワークしてたり、腰痛や腱鞘炎がある人は、この状態で人差し指が曲がりやすいので、伸ばしづらいです。
そこで、ここからは呼吸を活かして人差し指を伸ばしやすくするストレッチをご紹介します。
前屈を深める方法『人差し指ストレッチ』
まず、手を前に出します。肘を曲げて脇につけます。
拳を握ったまま手首を反ります。
そして、人差し指を上に伸ばします。
多分、指が曲がって伸ばしづらいはずですので手で支えます。
指が硬いと、それでもきついと思います。
指を伸ばして「きついな」と思うところで息を吸って、息を吐きながらさらに伸ばします。
呼吸と合わせてストレッチすることで、固まってた筋肉がゆるんで伸ばしやすくなるんですね。
反対側も同じように行います。
手首を反る、肘は脇につける、指は上に向かって伸ばす。
この3つがポイントです。
硬い状態で無理に伸ばそうとすると、手首のあたりがつらいと思いますので、手で指を支えた状態で伸ばしてください。
他の指も伸ばすともっと効果的
ちなみに、他の指も同じ要領でストレッチすると、さらに前屈を深くすることができます。
また、動画みた方はわかるかもしれませんが、私は決して柔らかくありません。
反跳膝(はんちょうひざ)もあって、前屈はかなり苦手な方です。
そんな私でも、指を伸ばせるようにするだけで、違いがでるんですね。
普段からストレッチされている方であれば、その効果をさらに活かせると思います。
普段デスクワークの方だったり、腱鞘炎の方の場合、人差し指は伸ばしづらくなっていることが多いです。
体の仕組みを使ったちょっとしたコツで、ここを伸ばすだけで、もも裏の硬さにもアプローチできますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
さて、今回は、「前屈しづらくなる意外な原因」と「ちょっとしたコツでストレッチしやすくする方法」についてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
手首を反って人差し指を上に伸ばせるようになるだけでも、体幹が前に倒しやすくなって、もも裏の硬さが減るので、前屈の深さに違いがでてきます。ぜひご活用ください。
新刊「体が思い通りに動くバレエ整体」では、他にも、日常のセルフケアから応用編まで幅広く使えるやり方を動画と一緒に紹介しています。
興味を持ってくれた方は、ぜひ概要欄からチェックしてください。
補足情報:手の甲と腰の安定
では、ここからは補足情報です。
この、人差し指を伸ばせると、前屈するときに体幹が前に倒しやすくなる話なんですが、東洋医学でみると、手の甲って腰に効くツボ多いんですね。
しかも、ギックリ腰なんかで腰を動かせないようなタイプの腰痛に、腰の可動域を増やして痛みをとるツボが多いです。
現場で使っていると、養老は腰のあたり全般の動きに、腰腿点の方は腰の下の方(仙腸関節より)に効きやすい印象があります。
手の甲の骨の安定が、骨盤付近にアプローチしやすいポイントになってるなということを考えると、
「人差し指を伸ばせる」というちょっとした動作の違いは、前屈をするとき、いきなり背中を丸めずに骨盤の傾けてから前に屈みやすくしてくれてるんじゃないかなと思ってます。
デスクワークしている方は体が硬い人がすごく多いので、こういう手からのアプローチや考え方が、セルフケアをお伝えする上でとっつきやすくするヒントになれば嬉しいです。
では、ここまで読んでいただきありがとうございました!
また次回お会いしましょう。