こんにちは。島田です。
今回は『内転筋を使いやすくする意外な方法』についてお話します。
内転筋というのは、太ももの内側にある筋肉のことですね。
「内転筋が使いづらいのでなんとかしたい」っていうご相談をよく受けることがあります。ただ、一言で「内転筋が弱いとか、使えない」と言っても、人によって困ってることは違うと思うんですね。
例えば…、
①脚が寄せづらい問題
脚をぴったりと付けて立とうと思った時に膝がつかなくて『O脚っぽく見えてしまう…』とか、バレエだと5番ポジション(踵とつま先をつけて立つ)という足をクロスして立つのがやりづらい…など
②片足で立つとグラグラしてしまう問題
内転筋は片足で立った時の軸を作る働きがあるので、内転筋が使えないと軸足に乗りづらくなってしまうんですね。
この関連で、足を上げようとしても足の高さが出ないとか、上げた足が下がってきてしまうといったような問題も起きます。
③体重が外側にかかる問題
内ももを使って足を寄せることができないと体重が外側にかかってしまうので、『小指体重』とか『外側体重』と言われるような状態になります。
この状態を放置していると脛(スネ)の外側が疲れやすくなったりするんですね。
などなど、こういった問題が出てきます。
でも、こういった問題があることは分かっていて、何とかしようと思うんだけれども、ここで出てくる問題があるんですね。それは…
「内転筋を使おうとしてるんだけどうまくできない」ってことです。
なぜそうなるのか?大きく2つあります。
1つは、うまく意識ができないからです。
「そもそも内転筋に使う感覚がわからない」っていうケースがあるんですね。
もう1つは、意識しててもうまく力が入らないからです。
頑張って力入れようとしてるんだけど、別のところに力が入ってしまうんですね。
例えば、「内もも使おうとしてるのに、太ももの前や外側ばかりに力が入ってしまう…」なんてこともあると思います。
なので、今回は内転筋を使いやすくする意外な方法として、
『太ももに意識を入れなくても内転筋に自然と力が入るように、どうやって体を使っていったら良いのか』お話をします。
内転筋を使いやすくする意外な方法
方法は『上体を横に曲げる』ということです。
別の表現で、『体側を伸ばす』というふうに言う方もいます。
体側っていうのは体の側面のことですね。
例えば、
体を左に曲げる(右の体側を伸ばす)ようにすると、右の内ももが使いやすくなります。
これは、上半身を左に曲げたことで脚も左に移動しやすくなったからです。
この仕組みを利用して、内ももの筋肉を使いやすくすることができます。
ちなみに、バレエの2番プリエからの横カンブレは、4番ポジションで内腿を使うための前フリです。
上体を横に曲げるのが上手くいかない理由
でも、この話を聞いて
「体を横に曲げるだけで内ももが使いやすくなるの」
って思う方もいるかもしれませんし、実際に体横に曲げてみて
「体を横に曲げてみたけどやっぱり内もも使いやすくならないよ」
って思った方もいるかもしれません。
体を横に曲げても内もも(内転筋)が使いやすくならない理由は、体重の移動がうまくいってないからです。
よくあるのはこの2つ
①体を横に曲げてるんじゃなくて、首だけ曲げてる
自分の中では体を横に曲げているつもりなんだけれど、うまく体重のバランスが取れないせいで顔だけ横を向いてて上半身はしっかり縦になってるってケースがあります。
②骨盤(お尻)がズレてる
体は横に向いてるんですけれど、お尻がズレちゃってるケースですね。
だるま落としで、下の段と上の段がズレてる感じに近いです。
お尻を横にスライドした分だけ、上半身も反対側に移動しやすくなるので見た目は横に向いてるんですけど、実際には体曲がってません。
「骨盤(お尻)がズレないように体を横に曲げる」のは踊りでもよく注意されることなので、「意識してるんだけど…」という方もいると思います。
でも、意識してても体重のバランスを取るために知らずにズレちゃってるケースが圧倒的に多いんですね。
骨盤をズラさずに内転筋を使いやすくするやり方
そこで、ここからは
骨盤がズレないように上体を横に曲げるやり方について解説していきます。
セルフケアのところから再生されます。
この方法は仰向けで行います。
左に曲げる場合
ステップ1:仰向けに寝た状態で、手を前に伸ばして腕を左にねじります。
ステップ2:そしてそのまま上半身を左に曲げます。
わざわざステップ1で手を前に伸ばして左にねじっているのは、ステップ2で上体を左に曲げやすくするためです
ステップ1を省略したものと比べると、首だけ動くのと体幹が動かせてるものの違いがわかるはずです。
ステップ3:上体を左に曲げたら、そこから腕を左回しにします。だいたい10回
ぐらいですね。
両手同時に回してもいいですし、お互いの手を互い違いに回すような感じでも構いません。
ステップ4:腕を10回まわしたらもう一度ステップ1に戻って合計3セットやります。
1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と体が左に曲げられる量が増えていくはずです。
右側も同じように行います。
できてるかどうかをチェックするには?
「これができてるかどうかをチェックするには、どうすればいいの?」と思いますよね?
例えば、上体を左に曲げてるんだとしたら右の内ももの方が使いやすくなるわけです
ね。
なので、もしバレエだったら左に曲げたのが終わった後に
・右足前の5番
・右軸で立つ
といったもので内転筋が使いやすくなります。
やってない側と比べると結構顕著に現れるので、そこで確認してもらうと分かりやすいです。
「バレエやってないよ」って人は
・気をつけて立つ
・片足で立ってみる
のを左右で比べてもらうと、やってない側はお尻に乗りやすかったりちょっと体が斜めになってしまったりするので、そこで確認していただくと良いかなと思います
まとめ
ではまとめいきましょう。
「上体を横に曲げられるほど内転筋も使いやすくなる」ということで、今回は次のようなお話をしてきました。
【問題】内転筋を使おうとしてるんだけどもうまく使えない
例えば、
・うまく意識できない(そもそも内転筋を使う感覚がわからない)
・意識しようとするんだけれどもうまく力が入らない(太ももの外側ばっかり使ってしまう)
【対策】足を使わずに内転筋を使いやすくする方法
上体を横に曲げる(体側を伸ばす)という方法ですね。
左に上体を曲げれば、右の内ももが使いやすくなります。
右に上体を曲げれば、左の内ももが使いやすくなります。
この仕組みは、体重の移動を利用しています。
でも、立った状態で体を横に曲げようとすると、体重支えながらのバランスがうまくいかなくて、お尻がずれてしまったり、体が横に曲げれずに首だけ動いちゃったりするケースがあるんですね。
【対策の対策】仰向けで腕のねじりを利用する
仰向けに寝た状態で手を前に伸ばして、体を左に曲げるんだったら両方の腕を左にねじって上半身を左に曲げます。
その後で腕を左回しすることによって体が左に曲げられる範囲が増えていくんですね。右も同様です。
体が横に曲げられるほど内転筋が使いやすくなっていきます。
この方法、そんなに難しくありませんし、今回は仰向けでのやり方を紹介しましたが立ってもできます。
なので、ご自身のやりやすい形で使っていただくと良いかなと思います。
おまけ
こんな感じで、
・上半身の移動の仕方
・上半身のコントロール力
は、脚の可動域アップに関係するんですね。
例えば、
『体のねじり×上体を横に移動する』を組み合わせると、股関節の可動域アップにも使うことができます。
この方法については、柔軟バレエストレッチのP82〜85で解説をしていますので本をお持ちの方はそちらもご覧ください。
ここまでご覧いただきありがとうございました
ぜひ明日からのレッスンに行かせてもらえたら嬉しいです。
またお会いしましょう。
[…] 詳しくは 内転筋を使いやすくする意外な方法【寝ながらできる柔軟体操】 参照 […]