こんにちは。島田です。
今回は、「もも裏の硬さをとる意外なポイントとその整え方」についてお話します。
「もも裏の筋肉(ハムストリングス)の硬さが気になってストレッチがうまくいかない」という方には、ストレッチの効率を上げるヒントになるはずです。
先日お会いした方から、「バレエのレッスン終わった後にもも裏の筋肉(ハムストリングス)が固まってしまって…。今までは手が床につくくらい前屈できていたのに、全然届かなくなっちゃいました」というご相談がありました。
話を聞いていくと、「ペアテ(ピエ・ア・テール)」という、一回転して足を地面まで下ろす(5番)のを連続で繰り返して移動する練習を、かなりやったそうです。
↑この図の左のイラストにある通り、この動きでは、膝を伸ばして地面を押したり、ひざを曲げて片足立ちしながら回転したり…と、膝の曲げ伸ばしを繰り返す感じになります。
なので、「ハムストリングスに疲れが溜まったせいで固まったのかな」と思ってストレッチしたらしいんですが…もも裏を直接ほぐしたり、ストレッチしようとしても、ひざ裏が伸ばせないくらい固まってるとのことでした。
実際、仰向けでひざを抱えてから足を天井に向かって伸ばそうとすると、突っ張ってしまって伸びない感じだったんですね。
そこで、ある部分をほぐしてから、もう一度もも裏を伸ばしてみました。
すると…もも裏の張りがとれて、仰向けで足を天井に向かって伸ばすストレッチしたときに膝裏を伸ばせるようになったんですね。
そのあと、立って前屈でも確認してもらったんですが、手が床に着く位まで復活しました。
一体、どこをほぐしたのか?
目次
もも裏の硬さをとる意外なポイント2つとその仕組み
ポイントは、この2か所。
①背中
②足裏
です。
これらの硬さをとってゆるめることで、もも裏の硬さをリリースしたんですね。
これを聞いて
「なぜ、背中や足裏をほぐすともも裏もゆるむの?」
って思った方もいるかもしれません。
これは、体がつながって動く部分が関係しています。
体の後ろはつながって動く(足の太陽経筋と筋膜のSBL)
足の小指からつながって動く部分は、足の小指からふくらはぎ、もも裏、腰・背中、そして頭まで体の後ろをつないでいます。
これは経筋(けいきん)という東洋医学的な筋肉の連動の1つです。
どんな流れでつながるのかについては、こちらの動画で解説していますので気になる方はチェックしてみてください。
一方、筋膜のつながりでみても、体の後ろは上から下までつながっています。
なので、背中や足裏などをほぐすことで、つながって動くもも裏もゆるめることができるんですね。
もも裏の硬さが取れるとどんなメリットがある?
もも裏の硬さがとれると、どんなメリットがあるのか?
もも裏の筋肉は、骨盤の下の方とひざ裏をつないでいます。
つまり、ここの硬さがとれることで骨盤の位置関係もよくなるんですね。
なので、たとえば
・前屈がしやすくなる
・腰痛や、歩いているときのもも裏の違和感が減る
・反り腰や猫背などの姿勢の改善につながる
といったメリットがあったり、
バレエなどの踊りでいうと、
・ひざが伸ばしやすくなる
・足が前に上げやすくなる
・ルルベやジャンプしたりするときにふくらはぎの負担が減る
といったパフォーマンス面で良い影響があります。
ストレッチする前にもも裏の硬さを解消する方法
ここまでの話を聞いて、
「背中と足裏をほぐすことで、もも裏の硬さがとりやすくなるのは何となくわかったんだけど、具体的にどうやって整えるの?」
って思った方もいるかもしれません。
そこで、ここからはセルフでできる対策を
①背中の筋膜リリース
②足裏ほぐし
この2つに分けてお話します。
もも裏の硬さをとる方法①背中の筋膜リリース
まず、背中の筋膜リリースのやり方についてお話します。
この方法では、背中の皮膚をつまんで上に持ち上げてから、体を前に曲げます。これを繰り返すことで、体の後ろでつながる部分をリリースしてもも裏をゆるめていくのが狙いです。
では、具体的なやり方を解説します。
足を腰幅に開いた状態で立ちます。背中の皮膚をつまんで軽く上に引っ張ります。
皮膚は手の届く範囲のところで大丈夫です。
コツはつまんで2秒待ってから上に引っ張ることです。
皮膚を上に引っ張ったまま、軽くしゃがみます。
そして上半身を前に倒します。
こうすることで、背中がストレッチされて、上半身の後ろ側がリリースされます。
そこから、坐骨とかかとを離すようにひざ裏を伸ばします。
そうすることで、もも裏のハムストリングス、ふくらはぎ〜アキレス腱など、骨盤から下の後ろ側がリリースされます。
これを、つまむ場所を変えて行います。
最初よりも上の背中をつまんでやったり、首の後ろの皮膚をつまんでやったり、眉毛のあたりの皮膚をつまんでやります。
背中と首は上にひっぱりますが、眉毛は下に引っ張って行います。
それぞれ、同じように軽くしゃがんで、上半身を前に倒した後、坐骨とかかとを離すようにひざ裏を伸ばします。
もも裏の硬さをとる方法②足裏ほぐし
続いて、足裏ほぐしのやり方についてお話します。
この方法では、足裏の中央からかかとにかけてを、指やボールを使ってほぐしていきます。先ほどお話した背中の筋膜リリースのように、体の後ろでつながる部分をリリースして、もも裏をゆるめていくというのは同じです。
もし「肩が硬くて、背中の筋膜リリースするときに、うまく背中がつまめない」という方は、先にこちらを試してみてください。
では、具体的なやり方を解説します。
イスに座って足を組むか、あぐらをかいて足裏を持ちます。
そして足裏の中央からかかとに向かって、指で押さえていきます。
押さえ方ですが
①足裏の真ん中あたりを親指で押します。重ねて押すと奥まで届きやすいです。
②親指を筋肉に沿って踵に向かってほぐしていきます。
痛気持ちいいくらいの強さで、足裏中央とかかとを3〜5位往復します。
もしこのとき、「股関節が硬くて足が組めない」とか「指で足裏が押しづらい」場合は、地面にテニスボールやゴルフボールなどを置いて転がすようにほぐします。
どんな感じでやるかというと…
【1】ボールに乗って体重をかける
①ボールを踏んで、ゆっくりと体重を乗せていく。
②一度緩めてから、もう一度体重を乗せる。これを2〜3回繰り返す
【2】ボールを踏んだまま足を前後に動かす
①ボールを足裏で踏み、体重を乗せたまま足を前後に動かす。
②足裏の中央からかかとまでまんべんなくボールを転がす。(10往復くらい)
もし余裕があったら、もも裏を伸ばしながらやると効率いいです。
まとめ
ではまとめいきましょう。
「一手間加えて、もも裏のストレッチ効率UP」ということで、今回は、「もも裏の硬さをとる意外なポイントとその整え方」についてお話しました。
ハムストリングスの硬さが気になってストレッチがうまくいかない場合、背中と足裏のリリースを先にやっておくと、体の後ろでつながる部分がゆるむので結果的にもも裏もゆるみやすくなります。
背中の筋膜リリースでは、背中の皮膚をつまんで上に持ち上げてから、体を前に曲げるのを繰り返すことで…
足裏ほぐしでは、足裏の中央からかかとにかけて、指やボールを使ってほぐしていくことで…
それぞれ、もも裏をゆるめていけます。
普段やっているストレッチの前にこのリリースをプラスすることで、ストレッチ効率も上がりますし、身体全体の柔軟性がアップするはずです。
ぜひ試してみてください。
おまけ
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前屈しやすくするための整え方をまとめたプログラムを解説しています。
・前屈するときにポイントになる動き
・オススメのセルフ整体6選
をまとめたものですね。
でご覧いただけますので、
お好きな方をチェックして続きをご覧ください。
以上、参考になれば嬉しいです。
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