こんにちは。島田です。
今回は、「開脚でもも裏の内側が硬くなる意外な原因とその整え方」についてお話します。
開脚ストレッチを一生懸命頑張ってるのに、内ももが張ってなかなか開かないという方には、硬さをとるヒントになるはずです。
先日お会いした方から、「開脚するときに、毎回左の内ももの裏が張って痛いんですけど、これって時間が経てば直りますか?」というご相談がありました。
もも裏肉離れして痛いのかなと思ってチェックしてみたんですが、これは開脚で足を開いたり、そこから体を前に倒すときにでるみたいで、走ったり、ひざ裏を曲げてしても痛みはないそうです。もも裏の筋肉を押しても、とくに左右で痛みに差はありませんでした。
そこで、ある部分をストレッチしてから、開脚の姿勢をしてもらいました。
すると…足を広げたときの内ももや、もも裏の張り脚が伸ばしやすくなったんですね。
一体、どこをストレッチしたのか?
目次
開脚でもも裏の内側(内もも)が張るのをゆるめた意外なポイント
ポイントは、体の前側です。
特に、
・お腹
・足の付け根
・前もも
これらの硬さをとってゆるめることで、開脚したときにでてくるもも裏の硬さをリリースしたんですね。
これを聞いて
「なぜ、痛みが出るのはもも裏の内側だったのにそっちをストレッチするんじゃなくて、お腹〜前ももをストレッチするの?」
って思った方もいるかもしれません。
その理由は、お腹や足の付け根の前側が縮まってると、骨盤の後傾によって、座って足を伸ばすときにもも裏が硬くなりやすいからです。
どういうことか順番にお話します。
開脚したときにもも裏が硬くなる意外な原因
お腹や足の付け根が縮まると、座って足を伸ばすときに骨盤が後傾しやすくなります。
これはイスに座って足を伸ばしても同じです。
なので、
骨盤と前ももの間を
手で伸ばすように押さえた場合と
縮めた場合で、
それぞれ足を伸ばして比べてみると…
縮めた時に骨盤が後傾するのが感覚でわかりやすいです。
骨盤の後傾あることで、足を伸ばす力に体幹が耐えきれなくなって、背中が丸まりやすく腰が後ろに持っていかれて下がってきます。
開脚でいうとテディベアみたいな体勢の感じですね。
もも裏の筋肉は骨盤の下側である坐骨につきます。
なので、坐骨の位置がズレるともも裏の筋肉が縮みやすくなって
・膝が曲がって浮やすくなったり
・太ももを内側に回して足が開くのにブレーキをかけます。
この状態で開脚で足を開こうとすると、
ひざ裏を曲げてるのに伸ばされてる、閉じようとしてるのに開こうとする
といったアクセルとブレーキが同時になってるので、張って痛みがでるんですね。
お腹、足の付け根、前ももの硬さがとれると…
お腹〜前ももの縮みを減らすことで、この影響が減る分だけ股関節が動かしやすくなります。
たとえば、
・今回のように開脚するときには内ももやソ径部の痛みや張りを抑えたりするのにつながりますし…
バレエなどの踊りでいうと
・軸足が安定して足を上げやすくなったり
・足を後ろに上げるときに腰やお尻がつまりにくくなったり
・パッセなどで膝を横に張り出すのがラクになったりすることにつながるわけですね。
硬さをとる方法(腸腰筋ストレッチ)
ここまでの話を聞いて、「お腹や足の付け根を伸ばせるとラクになるとして、どうやってストレッチしたらいいの」って思った方もいるかもしれません。
そこで今回は、足を後ろに伸ばして重心を前に移動することで、お腹や足の付け根、前ももを同時に伸ばす方法(腸腰筋のストレッチ)とちょっとしたコツをお話します。
では具体的なやり方をお話します。
まず、片膝を立てて、もう片方の脚を後ろに伸ばします。
後ろに伸ばす脚のひざのところにクッションを敷いて、ひざを保護しながら行ってください。
ポイントは、背を高く保ったままヘソを前に出すことです。
こうすることで、反り腰にならずに重心が前に移動します。
これで、足の付け根の前側〜前ももが伸ばされます。
もし、このときに膝が足首よりも前に出てきたら、足をもっと前に出すとストレッチの効果が上がります。
ここから、みぞおちとヘソ下を引き離すようにお腹を縦に伸ばします。
この状態でヘソを前に出そうとすると、首〜腰までを使って反りやすくなります。
余裕がある人は、背を高く保ったままお腹を伸ばすように体を反ってみてください。
お腹から足の付け根、太ももの前や内側が伸ばされていればOKです。
腸腰筋などのストレッチとしてはここまでで十分効果があります。
さらに効果を上げたいなら…
ここからさらに効果を上げたい人は、ここまでのステップで伸ばした状態をキープしたまま、いろいろな方向の動きを足すと、その分だけ効果が上がります。
今回は腕を回す動きをプラスする方法について解説します。
この方法は、腕を回す遠心力を利用して後ろに伸ばした足をさらに伸ばしやすくする応用編。
なので、
・もっと脚を伸ばしたい(アラベスクのように脚を後ろに上げたい)
・反り腰、骨盤後傾(タックイン)が強いのでそれを直したい
といった方にお勧めです。
片膝を立てて、もう片方の脚を後ろに伸ばすことで、お腹・足の付け根から太ももの前が伸びたら…
後ろに伸ばした側の腕を前に伸ばして腕をねじります。
二の腕を内側にねじって、手首から外側に返すようにすると脇まで絞られるので、そのまま腕を外回しします。
回す回数は8回〜10回です。
終わったら反対側も同じように行います。
こうすることで、後ろに伸ばした足がさらに伸ばしやすくなって、お腹から前ももの伸びをキープしやすくなります。
よくある質問「どのくらいやればいい?」「良くなってるか自分でチェックするには?」
こういったストレッチなどをお伝えすると、「何回くらいやればいいですか?」って聞かれることが多いです。あなたもそう思った方もいるかもしれません。
回数だけの話をするなら、1度にやるのは2〜3セットくらいでいいです。
でも、これって回数を聞きたいんじゃなくて「痛みが出なくなるにはどのくらいやったらいいですか?」ってことだと思うんですよね。
なので、痛みがどれくらい減ってるか目安になる基準も合わせて紹介します。
それは、寝た状態で、いわゆるカエル足のように足裏を合わせて膝を曲げていける範囲でチェックすることです。
寝た状態でカエル足をしたときに、
・かかとがお尻に近づけられる
・膝を横に向けやすくなる、左右差が少なくなるほど足の付け根やもも裏の痛みも少なくなります。
ちなみに、仰向けよりもうつ伏せでやる方が股関節のコントロール力がシビアにわかります。
うつぶせでやったときに
・足裏を合わせるとお尻が浮いてしまう
・つま先だけ床につく
・そもそも床につかない
というケースでは、股関節を動かそうとして代わりに骨盤が動いてしまっているサインです。
お腹や足の付け根、前もものストレッチをしたときに
・足裏がつけやすくなる
・ひざを曲げていったときにお尻や足が浮かなくなる
・ひざが横に出しやすくなるほど股関節のコントロールができてるので痛みが減っていきます。
そもそもストレッチの体勢がきつい場合はどうすればいい?
なかには「そもそもこのストレッチの体勢がきついんだけど…」って人もいるかもしれません。
足の付け根の前側や太ももの前が伸びていればいいので、左のイラストのように
・今回ご紹介した方法をイスに座ってやるか
・手で片足を持って膝を下に向けて前ももを伸ばす
ところからやってもらうととっつきやすいと思います。
また、今回のお腹〜前ももの伸びで狙ってるところは、『【股関節硬い】意外な原因と硬さとる2つのストレッチ』でも紹介した『内ももの張りやソ径部の痛み』を減らすときの方法でもアプローチできます。
股関節の硬さが気になる方はこちらもご参照ください。
まとめ
ではまとめいきましょう。
「体の前を伸ばして、骨盤後傾からくる硬さのループを断ち切る」ということで、今回は、「開脚でもも裏の内側(内もも)が硬くなる意外な原因とその整え方」についてお話しました。
肉離れなどのケガがないのに、開脚するともも裏や内ももが張る場合、『骨盤後傾によって、もも裏の筋肉が縮むのとストレッチ伸ばす分でブレーキとアクセルが同時にかかってるみたいな感じになってる』ケースが多いです。
その原因になるのが、体の前側
特に、
・お腹
・足の付け根
・前もも
が縮んでいること。
なので、これらの硬さをとってゆるめることで、開脚したときにでてくるもも裏の硬さをリリースしやすくなります。
そこで、セルフでできる整え方として
足を後ろに伸ばして重心を前に移動することで、お腹や足の付け根、前ももを同時に伸ばす方法とちょっとしたコツを紹介しました。
片膝を立てて、もう片方の脚を後ろに伸ばしたら、みぞおちとヘソ下を手で押さえて引き離すようにすると、お腹から足の付け根、太ももの前や内側が伸ばされていきます。
余裕がある人は、そこから腕を回して遠心力をかけるとさらに伸びるので試してみてください。
このストレッチで痛みがどれくらい減ってるか目安になる基準は、寝た状態で、いわゆるカエル足のように足裏を合わせて膝を曲げていける範囲でチェックすることです。
・かかとがお尻に近づけられる
・膝の横に向けやすさが左右で差が少なくなる
ほど付け根やもも裏の痛みも少なくなります。
ぜひ少しずつゆるめていってください。
以上、参考になれば嬉しいです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
ぜひ明日からのレッスンに行かせてもらえたら嬉しいです。
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