知るだけでレッスンの効果が上がる3つの秘訣

【背中が硬い】原因と柔らかくするためのセルフケア3つの対策|ストレッチ・後屈のやり方・バレエ整体で胸椎伸展

こんにちは。島田です。

今回は『背中の硬さをセルフで解消して柔軟性をUPする方法』についてお話していきます。

仕事柄、お会いする方から
「背中が硬いのを柔らかくしたい」
「背中の柔軟性をUPしたい」
というご相談を受けることが多いです。

お話をうかがっていくと、

「後ろにうまく反れない…」
「反るときに首や腰がつらい…」

人によっては「足を後ろに上げるときに腰やお尻がつまる」
など背中が硬いせいでパフォーマンスに影響がでるとのこと。

もしかしたら「似たような経験あるよ」って人もいるかもしれません。

こういったときに背中が固まってしまう原因で共通するのは、胸椎(きょうつい)の動きが悪いことです。

胸椎の動きが悪いせいで、首と腰が代わりに動いてしまって、背中がうまく動きません

首が先に上向いちゃうと、首を守るために肩甲骨周りの筋肉がガチッと固まります。

これは後ろに転んで頭打たないようにする防御反応なので、この状態で背中を動かそうと意識してもなかなか動きません。

その結果、足りない分を腰を縮めて反ろうとしてしまうので首や腰に負担がかかります。

 

そこで、この記事では、次の3点について解説します。

【1】背中の柔軟性UPに使える4つのストレッチ
【2】背中を反らす(後屈・こうくつ)体の使い方
【3】バレエの仕組みを活かして胸椎が使いやすくなるシンプルな整え方

この3点ですね。

・背中の硬さをとって柔軟性をUPしたい
・猫背や反り腰などの姿勢を改善したい
という方にとってはセルフで整えるヒントになりますし、

踊りをされている方にとっては、
・背中を柔らかく使う
・アラベスクなど足を後ろに上げやすくする
など、フロアで踊るときのパフォーマンスUPに活かせるはずです。

では早速本編にいきましょう。

目次

【1】背中の柔軟性UPに使える4つのストレッチ

まずは『背中の柔軟性UPに使える4つのストレッチ』からお話します。

どれも背中の硬さ、特に胸椎の硬さをとるのには使えるものです。

でも、状況やシーンによってやりやすさが違うと思いますので、

・寝ながらできるストレッチ
・床でできるストレッチ
・イスに座ってできるストレッチ

に分けてそれぞれ解説していきます。

①ストレッチポールを使って胸椎伸展


では、ストレッチポールを使って胸椎伸展するストレッチについてお話します。

この方法では、ストレッチポールなど、背中を押すものを敷いてそれを支点に胸椎をストレッチしていきます。

《こんな人向け》
・猫背や反り腰がある
・股関節が硬い(特に開脚など足を横に開くときにソ径部や膝がピンと張る)
といったタイプにお勧めです。


ではやり方をお話します。

準備:ストレッチポールをセットする

ストレッチポールを横向きに置いて、その上に仰向けに寝ます。
ストレッチポールを当てる位置は、肩甲骨の下あたりです。みぞおちより少し上くらい高さの背中に当てます

ストレッチポールがない場合は、タオルを丸めたものを使ってください。

枕があった方が、首が保護される分、背中のストレッチにフォーカスしやすいです。

ストレッチポールが固くて背中が痛い場合は、タオルを丸めたものか、まくらを折ったものを敷くと負荷を減らせます。

ステップ1:息を吐きながら肘と膝を曲げる

セッティングができたら、息を吐きながら、肘と膝を曲げます。
膝を曲げるときはかかとを床につけたまま行ってください。

肘と膝を曲げたら、鼻から息を吸って…

ステップ2:手と足を上下に伸ばす

息を吐きながら手足を伸ばします。

手のひらを合わせたり、足のかかとをつけたまま伸ばすとより効果的です。

手足を伸ばしきったら、そこで鼻から息を吸います。

ここで息を吸うときに、背中がよりストレッチされます。

ポイントは、曲げるときも伸ばすときも、息を吐きながら行うことです。

そうすることで、腹筋が使われるので肩や股関節の動きもスムーズになります。

そして、曲げ終わったり伸ばしきった後で息を吸うことで、背中のストレッチ効果が上がります。

 

②腹ばいストレッチ(スフィンクスのポーズ)


続いて、腹ばいでお腹を伸ばすストレッチについてお話します。

この方法は、腹ばいで手を使って胸を反らしていきます。
この方法のメリットは、立って背中を反らす時の使い方を安全にインプットしながら、背中を鍛えてお腹をストレッチできることです。

《こんな人向け》
・猫背や反り腰がある
・背筋が弱い、腰痛になりやすい
といったタイプにお勧めです。


では、やり方をお話します。

うつ伏せになって、手のひらから肘を床について少し上体を起こします。

この方法のポイントは順番です。

①手のひらで床を押しながら肘を引きます。
②足も後ろに伸ばすようにします。

③こうすると、背中が寄せられて背中が反りやすくなります。

④そこから、胸を張るように息を吐きながら背中を反ります。
背中を反ろうと頑張るより、『お腹を伸ばす』ことを意識した方がストレッチ効果が高くなります。

反る動きが止まったら鼻から息を吸います。
そうすることで、さらに背中がストレッチされます。

『反るときに息を吐く。動きが止まったら鼻から息を吸う』
慣れるまでは、呼吸もこの順番に行うと良いです。

 

③キャット&カウ(猫のポーズ)


続いて、背骨の柔軟性アップするストレッチスキル『猫のポーズ(キャット&カウ)』についてお話をします。

この方法は、両手を床につけて四つん這いの姿勢から、背中を丸めたり背中を反らす動きを交互に行っていきます。

《こんな人向け》
・肩甲骨や腰回りがコる
・猫背や反り腰が気になる
・腰痛になりやすい、背筋が弱い
・肩や股関節が硬い
といったタイプにお勧めです。


では、具体的なやり方をみていきましょう。

①基本姿勢(準備)

床に手をついて、四つん這いの状態になります。
手首は肩の真下、両膝は足の付け根の真下に置くようにします。

両ひざの間は拳1つ分開けておくと、腹筋に力が入りやすくて動きがスムーズです。

②背中を丸める

次に、鼻から大きく息を吸って、吐く息で背中を丸めていきます。
視線は、おへそやお腹の方に向いてると背中が伸びやすくなります。

この時に、みぞおちを引き込むよう(ちょっと持ち上げる感じ)にすると、背中の関節に隙間が開くような感じになってストレッチがしやすいです。

③背中を反らす

そして、そこから息をゆっくりと吸いながら背中を反らしていきます。
視線は正面を向くようにします。

この時、背中の動きが不十分だと
「視線を正面に向けようとすると、首を縮めてしまう…」
「首がつらい…」
という方もいると思います。

その場合は、みぞおちを下げてから【胸を前に向ける】感じにすると背中が動かしやすいです。

④5回繰り返す

この流れを1セットにして、呼吸に合わせて5回ぐらい繰り返していきます。

 

④肩甲骨と背中のストレッチ


続いて、イスに座って肩甲骨や背中をストレッチするやり方についてお話します。

この方法は、イスに座って腕を使いながら、背中を丸めたり背中を反らす動きを交互に行っていきます。

メリットは、手で後頭部を押さえることで首が縮むのを防いで背中に効かせやすくできたり、背中を丸めるときに椅子の背もたれを押すことで背中を伸ばす感じがわかりやすいことです。

《こんな人向け》
・キャット&カウ(猫のポーズ)で効果を感じにくい
・猫背や反り腰が気になる
といったタイプにお勧めです。


では、具体的なやり方をお話します。

ステップ1:肘を横に張って背中を反らす

イスに座って、両手を頭の後ろで組みます。
肘は横に張るようにすると、手のひらが後頭部を軽く押すような感じになって、背筋がのばしやすくなるので…

この体勢が作れたら、息を吐きながら胸を上に向けていきます。

動きが止まるところまでいったら、鼻から息を吸います。

ステップ2:手を前に伸ばして背中を丸める

そこから、手を前に持ってきて…、
肘を前に、背中を後ろに伸ばします。ここでも息を吐きながら行います。

このとき、足で床を押すようにしたり、イスに背中を当ててやると腰もラクです。

また、肘と背中を伸ばしてから、へそを見るようにすると効率よく背中をストレッチできます。

動きが止まるところまでいったら、鼻から息を吸います。

これを交互に繰り返します。

 

各ストレッチのメリット、注意点、対策まとめ

それぞれのストレッチのメリットや注意点、やりづらい時の対策をまとめるとこんな感じになります。

ストレッチポールを使って胸椎伸展
メリット:自分の体重をかけるので背骨のストレッチ効果を出しやすい
よくある疑問や注意点:猫背がひどい場合、ポールが硬いと痛い
対策:痛い時はタオルを巻いて下に敷く、腰を反らさない

腹ばいストレッチ(スフィンクスのポーズ)
メリット:立って背中を反らす使い方を安全にインプットしながら背中を鍛えてお腹をストレッチできる
よくある疑問や注意点:無理に顔を上げようとすると首や腰に負担がかかる
対策:手のひらを床につけたまま肘を引くと、背中を反らしやすい

キャット&カウ(猫のポーズ)
メリット:床を押す力を利用できるので背骨全体に効かせやすい。このスキル自体が肩や股関節の柔軟性UPにも活かせる
よくある疑問や注意点:床が押せないとちゃんとできてるかわかりづらい。反るときに反り腰が気になる
対策:このストレッチをやる前に
・イスでやるストレッチ
・前鋸筋の強化(後述)
・体幹トレーニングなどで腹筋を使う

イスに座って肩甲骨や背中をストレッチ
メリット:反る時は手で頭を曲げる時は背もたれをそれぞれ支点にできるのでどこを使えばいいのか感覚がわかりやすい
よくある疑問や注意点:反るときにうなじを縮めたり曲げるときに腕だけ伸ばしてしまう
対策:背中を反る時はうなじを伸ばしたまま。背中を曲げる時は、イスの背もたれを押す

《関連動画》
コレらのストレッチは過去動画でも解説しています。

・胸椎ストレッチや、腹ばいストレッチ、イスを使ったストレッチは『【股関節硬い】意外な原因と寝ながらできるストレッチ』で
・キャット&カウ(猫のポーズ)は『【背中が硬い】背骨の柔軟性UPのストレッチと肩や股関節の硬さをとる活かし方』で
それぞれお話しています。

詳しくはそちらもご覧ください。

ストレッチ効果をUPする方法3選

また、こういったストレッチ系の悩みで共通するのは

「フォームはコレで合ってるの?」
「ストレッチする時に痛みが出ることがあるけどそれは正常なの?」

だと思います。

今回ご紹介したストレッチでいうと、少なくとも、手首や首・腰に痛みが出る場合はフォームが正しくできてないサインです。

とはいえ、意識していても、体の条件が揃っていなければうまく効かせづらいと思います。

そこで、ここから『ストレッチの効果をUPする方法』を3つお話します。

①脇の筋肉(前鋸筋・ぜんきょきん)を活用する
②呼吸するときは「吸う・止める・吐く」の3段階で区切る
③体のねじりを活かす

この3つですね。

順番にお話します。

①脇の筋肉(前鋸筋・ぜんきょきん)を活用する

前鋸筋は、肩甲骨と脇(肋骨・ろっこつ)をつなぐ脇の筋肉です。

この筋肉が働いていると、腕の力を体幹に伝えたり、体幹の力を腕に伝えるのがスムーズになります。

今回の背中の柔軟性UPに関していうと、胸椎が動かしやすくなるのがメリットです。

この話を聞いて「じゃぁ、この筋肉を意識しろってこと?」って思った方いるかもしれません。

実は、この筋肉が使えてる度合いや背中が使えている度合いは、見た目で簡単にチェックする方法があります。


それは、【指を下に向けて伸ばしたまま手首を反った時、どのくらい反れているか】です。

背中が動かしやすいかどうかの目安は、爪が上を向けられるくらいまで反れているかどうかでチェックできます。

これを聞くと「それって、体が柔らかいからじゃない?」って思うかもしれません。
たしかに、見た感じは指や手首の硬さの問題っぽく思えますよね。

でも、実はそうじゃないんです。


この指を伸ばしたまま反らせる度合いは、肩甲骨や体幹がどのくらい腕とつながって使えているかで変わります。

たとえば、

・脇を立てる(前鋸筋使えてる)
・肩甲骨と体幹が連動している
・背中が持ち上がっている
・肩が下げられる

といった、肩甲骨周りや背中の条件がよくなるほど、体幹の力が手に伝わって手が遠くに伸ばせるようになります。

その分だけ、指や手首の可動域も増えるので、反らしやすくなるんですね。


この話を聞いて、「なぜ、指を伸ばして反らせると肩甲骨が使いやすくなるの?」って思った方もいるはずです。

ポイントは【肘の内側の伸び】にあります。


試しに、肩を動かすときに
・肘の内側をスマホの画面を広げるように指で押さえながらやるのと、
・肘の内側を縮めるように押さえながらやるので比べてみてください。

動かしているところが違うのがわかるはずです。

・肘の内側を張っていると、肩甲骨や脇が動きやすくなります。
・肘の内側が縮んでいると、肩(腕の付け根)が動きやすくなります。

これらは筋膜や皮膚、筋肉などの伸び具合によるものです。


肘の内側には、手首や指を曲げる筋肉たちがつながっています。

なので、『指を伸ばしたまま反らせる具合』を確認することで、【肘の内側の伸び→脇→背筋の伸びの具合】もわかると言うわけです。


でも、ここまでの話を聞いて、

「理屈はわかったけど、やっぱり私の場合は指や手首が硬くてそこまでできない…」

 

「肘の内側を伸ばすと肩甲骨が使いやすくなるのはわかったけど、手で押さえなくても一発でできるようにするにはどうすればいいの?」

って思った方もいるはずです。

そこで、指や手首の硬さをとりつつ、前鋸筋にスイッチを入れる方法について解説していきます。


では、具体的なやり方を解説します。

①まず、指を下に向けて壁に手をつけます。

これは押すものがあればなんでもいいです。
なので、「壁が近くにないよ」って方は、テーブルや、椅子に座っているなら太ももに手をつけるのでも大丈夫です。

②次に、肘の内側から手首に向かって擦っていきます。
擦るスピードは早い方が効果的です。


③そして、こすりながら指の曲げ伸ばしをします。

指を伸ばすときはパーにする感じで、指を曲げるときは指の腹が壁についたまま行います。

【指を伸ばす→曲げる→もう一度、指を伸ばす】までやったら一度休憩します。

④これを合計で3セット繰り返していきます。

ビックリするくらい簡単なやり方ですが、これだけでも腕と体幹をつないで使いやすくできるんですね。

効いてるかどうかは、指を下に向けて手首を反らして確認できます。

肩甲骨周りや背中が使えるようになっているほど、指や手首の可動域も増えるので反らしやすくなります。

はじめのうちは、「やる前よりもやった後の方が手首や指がラクだな」くらいで構いません。

 

《関連動画》
この方法はバレエ体幹ハンドブックのP30、56に掲載されているので本をお持ちの方はそちらもご参照ください。

 

また過去動画『肩甲骨や背中の硬さをとる意外な方法』では、イスに座ってやるパターンなども解説しています。詳しくはそちらをご覧ください。

②呼吸するときは「吸う・止める・吐く」の3段階で区切る


ストレッチするときに、呼吸を意識することは多いと思います。

このときに、

・吸う時と吐く時の間で、自然と息が止まる時間が取れると、腹筋を使いやすくなったり関節の動きがスムーズにしやすくなります。

・一息に吐ける時間が長くできるほど、体の芯にあるコアマッスルが使えて体幹が安定します。

要するに、呼吸を『吸う・止める・吐く』で分けて区切るようにすることで、ストレッチするときに関節や筋肉が柔らかくしやすいんですね。

具体的な目安があった方がイメージしやすいと思うので、
3秒で吸う→2秒止める→8秒で吐く
みたいに秒数で区切るやり方を紹介します。

鼻から3秒かけて吸って、2秒溜めます。

呼吸を溜めるときにちょっとお腹を意識して、息を吐くときは口をすぼめてゆっくりと行います。空気が一気に漏れ出さないことで、喉の負担も軽くなります。

もし「息を吐くのが8秒も続かない…」という場合は、4秒からでも大丈夫です。

吸う時間よりも吐く時間が長ければいいので、まずはリズムに慣れてもらって、息を吐く時間を5秒、6秒と徐々に増やしていってください。

ストレッチをするときに、途中で力んでしまうとか、固まってしまう場合は、この呼吸のリズムを『吸う・止める・吐く』に区切ってやっていただくとストレッチの効果がUPします。

 

《関連動画》
呼吸を使って可動域をUPする方法は、バレエ体幹ハンドブックのP34~48に掲載されているので、本をお持ちの方はそちらもご参照ください。

 

また過去動画『体幹強化しづらい原因と効かせやすくする2つのコツ 』では、この呼吸法を使って体幹バランスを強化するやり方も解説しています。詳しくはそちらもご覧ください。

③体のねじりを活かす

これは、ストレッチで背中を反らすときに、首が緊張しやすい人向けの対策です。

振り向いたり体をねじるときに使う筋肉は、胸椎(ピンク色のやつ)動きに影響を受けます。

つまり、体がねじれることで胸椎の回旋がしやすくなると、背中をストレッチするときにも胸椎が動きやすくなるんですね。

今回は、3つのステップで体をねじりやすくするセルフ整体をご紹介します。


では具体的なやり方を解説します。

①まず足をクロスして立って、手を体の前で伸ばします。

足のクロスの仕方なんですけれども、かかとと土踏まずをつけるようにして立ちます。これは、体の捻りを生かして振り向きやすくする前フリです。

つま先はやや横に向けた状態でやると立ちやすいです。

手のひらを合わせた状態で前に伸ばしてから、内向きに捻ります。


②次に、前にある足側の手を上に伸ばします。
もう片方の手は前に伸ばします。

そうすることで、上と前、2つの方向に引っ張ることで体幹がねじりやすくなるんですね。


③手を上に伸ばした側に振り返って、深呼吸を3回から5回行っていきます。

体の捻り、上に伸びる力、そして呼吸を組み合わせることで、固まった筋肉が緩んで歪みが矯正されていきます。

反対側も同じように行います。

 

もし、「肩が痛いとか、硬すぎて手が上に伸ばせない」という場合は…手を太ももに当てて体をねじるやり方がお勧めです。

①まず、足を肩幅よりも開いて、膝を横に向けてしゃがみます。

手は太ももに乗せて、横に向かって軽く押さえると体勢が安定します。
バランスが難しい場合は、椅子に座ってやってください。

②そこから体をねじります。

このとき、手を使って膝の内側を横に向かって押し広げる感じにすると、内ももが伸びて、体がねじりやすいです。

③体のねじりが止まったところで深呼吸を3回~5回行います。

反対側も同じように行っていきます。

 

《関連動画》
胸椎の回旋をしやすくする方法は、バレエ体幹ハンドブックのP18、62に掲載されているので、本をお持ちの方はそちらもご参照ください。

 

また、過去動画『【首のゆがみ矯正】首こり・横向けないときのセルフ整体ストレッチ』では、今回ご紹介した整え方を首の歪みをとるために活用しています。

【2】背中を反らす(後屈・こうくつ)体の使い方

続いて、背中を反らす(後屈する)時の体の使い方についてお話していきます。

ここまで
・背中の柔軟性UPに使える4つのストレッチ
・ストレッチ効果をUPする方法3選
とお話してきました。

これまでご紹介したやり方で背中の柔軟性はUPするので、
「よし、これで背中も反れる!」
と思うかもしれません。

でも、いざ背中を反ろうと思っても、
・顔は上向いてるけど背中が全然動かないとか
・首と腰がつらい
って経験ないでしょうか?

背中のストレッチをしてゆるめたはずなのに、なぜ後ろには反れないのか?

これは、【柔軟性と体の使い方の違い】が関係しています。

背中を柔らかくしたのに反れない理由〜『柔軟性』と『体の使い方の違い』〜

イメージしやすいように、自転車の運転を例にみてみましょう。

【体の使い方】は、ある動作を安全かつ効率的に操作するために必要な技術のことです。

例えば、自転車の運転でいうなら

・ゆっくり漕ぐ時のバランスの取り方
・ペダルを漕ぐときの、力のかけ方、足の位置、ペダルを回す速度の調整
・方向を変えたり、障害物を避ける時のハンドル操作

などが体の使い方に当てはまります。

 

一方、【柔軟性】はどうかというと、関節や筋肉の伸び縮み具合のことです。

柔軟性だけで運転ができるわけじゃないですが、運転をしやすくするには柔軟性があった方がやりやすくなります。

例えば、自転車の運転なら
・バランスをとるときは、体幹の柔軟性があった方がやりやすいです。
・ペダルを漕ぐには、股関節や膝、足首が柔らかい方が楽です。
・ハンドル操作は、肩や腕の柔軟性がある方がコントロールしやすいです。


つまり、どういうことかというと…

『すでに後屈のやり方をスキルとして身につけている方』の場合は、ここまでご紹介したストレッチやセルフ整体で背中を柔らかくすることで背中が反りやすくなります。

 

一方で、『背中のストレッチをしているけど、後屈がうまくいかない』方の場合は、これからお話しする背中を反らす使い方を身につけてからチャレンジしてもらうと後屈がやりやすくなります。

この辺を踏まえた上で必要な要素を見ていくと、ご自身のパフォーマンスUPに活かしやすいはずです。

 

背中を反るときに必要な4つの要素

背中を反るときに必要な要素をまとめると、大きく4つのポイントがあります。

①体を縦に伸ばす力
②重心を前に移動する力
③腹圧をキープする力
④腕を伸ばす力

この4つですね。

体を縦に伸ばす力は、背を高くする使い方と床を押す力を足したものです。これで後ろに反れる量を決めます。

重心を前に移動する力は、腹筋と足を後ろに伸ばす力を利用して、骨盤を平行に保ちながら前に移動することです。重心が前に行くことで、上半身が後ろに反らしやすくなります。

腹圧をキープする力は、体を後ろに反らすときに、背骨を1つずつ動かしやすくしたり腰砕けになるのを防ぐのに使います。

そして、腕を伸ばす力は、遠くにあるものに手を届かせるように脇を伸ばすことで、肩甲骨が背中を押さえて反りやすくなります。

コレらが組み合わさって、体が後ろにしなるように反らしやすくなります。

「背中の柔軟性があれば後屈ができるんじゃない?」と思うかもしれませんが、実はこういったバランスや自分の体を支えるための使い方がけっこう大事です。

コレらがないと、首や腰に過度な負担がかかって痛める原因になります。

 

では、コレらの話を踏まえた上で背中で反らす(後屈)使い方をインプットするにはどうすればいいか?

具体的には、次の3つのステップで育てていきます。

①腹ばいで背中を使う感じをインプットする
②イスを使って後屈する時のバランス感覚をつかむ
③立ってやる後屈にチャレンジする

この3つですね。

順番にお話します。

①腹ばいで背中を使う感じをインプットする

背中を安全に反るなら、腹ばいで手を使って反らすところから始めるのがお勧めです。

具体的なやり方をお話します。

腹ばいで骨盤の下(恥骨)が床についたまま、手を伸ばした姿勢をとります。

①手のひらで床を押しながら、肘を少し後ろに引きます。
足も後ろに伸ばすようにします。

こうすると、背中が寄せられてテコの要領で動かしやすくなるので…

②そこから、胸を張るように背を高く保つようにすると背中が反れます。
背中を反ろうと頑張るより、『お腹を伸ばす』ことを意識した方が効果的です。

もし、腹ばいで背中を反らすのが難しい場合は、
・脇の筋肉(前鋸筋)を使いやすくするワーク
・腹ばいストレッチ(スフィンクスのポーズ)
をやってからもう一度チャレンジしてみてください。


この方法のメリットは、立って背中を反らすときの動かし方を安全にインプットできることです。

反れる量よりも、この姿勢を無理なくキープできるのを目指すのがお勧め。
目安は深呼吸3回分です。

「(腰や背中がつらくならず)楽にキープできるよ」という方は次のステップに進んでください。

②イスを使って後屈する時のバランス感覚をつかむ

続いてのステップは、後屈で使うところのイメージをつかみやすくするために、イスを使って練習するやり方です。

ポイントは、体重を支えるエリアを広げてバランスをとりやすくすることです。

何もなしだと防御反応で背中が動かない

まず、イスに普通に座ったまま、後ろに反ろうとしてみてください。

そうすると、「首は動くけど、その他のパーツはがっちり固まって反れないな」って感じがあるはずです。

これは、バランスがとれなくて危ないので、ブレーキがかかっているから。

ここで体重を支えてるのはこの範囲です。頭がこの範囲から出てるのがわかりますね。
つまり、このまま後ろにいくと首が危ないので、前に引き戻そうとブレーキがかかります。

 

①脚を後ろに引く

次に、片方の脚を後ろに引いてから、反ってみましょう。

そうすると、体重を支えるエリアは後ろに広がります。
なので、先ほどよりもバランスがとりやすくなって、後ろに反れる分が増えるはずです。

②+腕を後ろに伸ばす

さらに、ここから腕を後ろに伸ばしてみましょう。

そうすると、腕を後ろに伸ばした分だけ、胸が反りやすくなってさらに後屈できる範囲が増えます。

ちなみに、脇を固定するともっと反りやすくなります。

こんな感じに、【自分の体が支えられてバランスがとれる範囲】が増えた分だけ、背中で反れる分が増えます

なので、後ろに反るときに「どうしても背中が硬くて難しいな」と思ったら、後屈で動かすパーツの使い方を練習してからやるとやりやすくなるのでお勧めです。

 

注意!アゴが上がると背中が動きません

このとき注意したいのが、反るときに『アゴが上がること』です。
具体的には、下アゴが前に出て首の後ろが縮むと背中が反りづらくなります

で、こう聞くと「アゴが背中を反るのとどう関係するの?」って思った人もいるかもしれません。

どういうことかと言うと、『アゴの位置で背中が使えるか、首や腰に負担がかかるかの違いがでる』ってことなんですね。

順番に解説していきます。

下アゴの位置で、頭の向きは変わります。

たとえば、
下アゴが前に移動する(いわゆるアゴが上がる状態になる)と、頭は後ろ向きに回転します。
そして、下アゴが後ろに行く(アゴの引きすぎになる)と、頭は前向きに回転します。

背骨は、後頭部の骨(後頭骨)につながっています。

この部分ですね。

つまり、『頭の位置が変わると、背骨の動かしやすさ・柔軟性が変わる』ってことです。

いわゆる『アゴが上がる状態』になると、下アゴが前に行くことによって、頭と首をつなぐ部分もずれてしまうんですね。

結果として、顔は上を向いてるけど、背中は動いてない状態になります。

「なにか対策ないの?」ってことなんですが…
簡単にできるコツは、上アゴ(鼻と上の歯の間)を固定して反ることです。

こうすることで、頭が後ろに回転するのを抑えられるので、背中を反らすときに首の後ろが縮みにくくなります。

試しに、上に向くときに上顎を固定した場合と、そうでないケースを比べてみてください。


上顎を固定すると、上に向くときに首の後ろが縮まない分だけ背中が使いやすいはずです。

後ろに反らすときに首が緊張してしまうタイプは、慣れるまで上顎を固定しながら反らして背中の使われ方をインプットするのがお勧めです。

 

③立ってやる後屈にチャレンジする

体を後ろに反らすバランス感覚が育ってきたら、立って行う後屈にチャレンジしてみましょう。

※注意点:無理に行うのはNGです。首や腰が痛い場合はやめてください。

今回は後屈するときの動かし方の一例を紹介します。

①まず、足裏はすべてついたまま、脚を後ろに伸ばそうとします。
そうすると、太ももの上を前にスライドして骨盤が前に移動します。

②次に、顔は正面を向いたまま、おへそと胸を上に持ち上げます。

③そこから、頭のてっぺんに向けて、背伸びをしていきます。
そうすると、体が弓なりにしなってくるので…

④腕を後ろに伸ばして、上半身が後ろに伸びるガイドをします。
コレで後屈の完成です。

使い方をインプットするために細かく分けてますが、慣れてくればいちいち意識しなくても大丈夫です。

こんな感じに、3段階に分けて育てていくことで、無理なく背中を反らす使い方を身につけやすくなります。

 

でも、ここでこう思った方もいるはずです。

「イスに座って背中を反らすのと、立って後屈するやつの差が大きくない?」

こういう疑問ですね。

必要になるフィジカル要素やバランス感覚の度合いが違うので、慣れてないと怖いなって方もいると思います。

【3】バレエの仕組みを活かして胸椎が使いやすくなるシンプルな整え方

なので、最後にバレエの体の使い方を活かして、背中を反らすときに胸椎が使いやすくなるシンプルな方法を紹介します。

この方法を使うと、腰を立てたまま背中を反らしやすくなるんですね。

ポイントや整え方について、順番にお話します。

バレエでの背中の使い方とポイント


バレエでは、腰を立てたまま背中を反らす動かし方(カンブレ・後ろ)があります。

これは背中を反らすだけじゃなくて、振り付けの中で足を後ろに上げやすくするときにも使います。


この時のポイントになるのは、腕と脇の使い方です。

具体的には「遠くにあるものに手を届かせるように脇を伸ばしながら、体を反らしていく」ようにします。

こうすることで、前鋸筋が使われて、手を遠くに伸ばす力が体幹に伝わりやすくなるんですね。

肩甲骨が背中を押さえてくれることで、胸椎が伸展しやすいので背中が反らしやすくなります。


こう聞くと、「よしわかった!脇を伸ばせば背中が反りやすいのね」って思うかもしれませんが、

これって、単に手を遠くに伸ばせばいいわけじゃなくて、前鋸筋が使えてる条件で背中を反らさないとうまくいかないんですね。

胸椎を使って背中を反らしやすくするセルフ整体


そこで、先ほどお話した『前鋸筋のスイッチを入れるやり方』と『背中を反らす動き』を組み合わせることで、腰を立てたまま背中を反らしやすくしていきます。

では具体的なやり方を解説します。

ステップ1:腕を上に伸ばす

まず、腕を上に伸ばします(バレエされている方はアン・オーがお勧めです)

腕の伸ばし方のコツですが、

・コップをとるように、肘から先を上に向かって伸ばす
・遠くに伸ばすときに、肘は伸び切らないようにする

と、腕を伸ばす力が肩甲骨を伝わって体幹に伝わりやすくなります。

ステップ2:肘から手先をこする

そこから、肘から手先に向かって速いスピードこすります。
※こするスピードは1秒間に2~3回以上がお勧めです。速いほど動きが滑らからになるので背中の柔軟性が上がります。

ステップ3:こすりながら『胸』を天井に向けていく

肘から手先に向かってこすりながら、胸を天井に向けていきます
こすりながら天井に向けようとする時間は、5秒から10秒1セットで十分です。

このときに、アゴを引いて、顔で上を向かないように注意します。

「顔は上向いているんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は胸から上を切り取ってみると、胸に対して顔は平行になっているんですね。

胸が天井を向いてくれば、顔も自然と天井を向いてくるので顔も上に向いているように見えますが、実は正面を向いている時と同じ位置関係なんです。

この時点で顔を上に向けると、後ろを向く感じになって首が緊張してしまいます。

 

この方法で大事な3つのポイント

腕の形は変えないまま、肘から先を伸ばす。
肘から手先を速いスピードでこする。
胸を天井に向けようとする。

この3つがそろっていると、体の内側の筋肉が動いて背骨の柔軟性が上がります。

反対の腕でも同じように行います。

 

胸椎を伸ばして背中が反れると…


胸椎の動きが硬いままだと、アゴが上がって顔だけ上に向いてしまったり、腕が体幹を支えてくれないと背中が伸びず腰でブレーキをかけてしまいますが…、

胸椎を使って背中を反らせるようになると、腰を立てたまま体を反らせる(後屈できる)ことができるので、背中が柔らかく使えて腰の負担を減らすことができます。

 

まとめ:胸椎の硬さをとって柔軟性UPしよう


では、まとめいきましょう。

背中の硬さや柔軟性の不足は、胸椎の動きが悪いことが原因のケースが多いです。

そこで、今回は背中の硬さをセルフで解消して柔軟性をUPするために、次の3つにフォーカスして解説してきました。

【1】背中の柔軟性UPに使えるストレッチ
【2】背中を反らす(後屈・こうくつ)体の使い方
【3】バレエの仕組みを活かして胸椎が使いやすくなるシンプルな整え方

この3つですね。

背中の柔軟性を高める4つのストレッチでは、寝ながら、床で、イスに座ってできるストレッチを紹介しました。

ストレッチがやりづらかったり、もっと効果を上げたい時は、
・脇の筋肉(前鋸筋)を活用する
・呼吸するときは「吸う・止める・吐く」の3段階で区切る
・体のねじりを活かす
を活用していただくとやりやすくなります。

背中を反らす体の使い方では背中を安全に反らせるようにするために、体の使い方を次の3段階的に分けてインプットする方法をお話しました。

・腹ばいでの練習
・イスを使ったした練習
・立った状態での後屈

そして、バレエの仕組みを活かした胸椎の整え方では、腰を立てたまま背中を反らせやすくするために、前鋸筋を使うことで胸椎が動きやすくなる整え方を解説してきました。

 

ボリュームがあるので、1度に見切れないという方もいると思います。

ぜひ、ご自身が気になるところからご覧になってご活用ください。

 

この記事が、背中の硬さをとって、後屈を柔らかくするヒントになれば嬉しいです。

ちなみに、体の内側を動かしてストレッチの効率を上げるやり方は、バレエ体幹ハンドブックのP50~69に掲載されています。

本をお持ちの方はそちらもご参照ください。

そして、メンバー限定動画では、応用編のバレエ整体として『ねじる+伸ばす+呼吸を組み合わせて、後屈に必要な要素をまとめて整えるセルフ整体』も解説しています。

続きが気になる方は

専心良治ラボ
でご覧いただけますので、お好きなものをチェックして、ぜひ続きをご覧ください。

以上、参考になれば嬉しいです。